本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があるとともに、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 食品の安全性について
当社は、主力事業である健康食宅配サービス『ミールタイム』において、エネルギーや塩分、たんぱく質等をコントロールした食品を販売しております。また、CID事業において、旬の国産食材を仕入れて当社の工場で製造した食品を販売しております。消費者の「食」の安全に対する意識が極めて高くなっている中で、当社商品及び製品の製造におきましても「食品衛生法」等を遵守した衛生管理・品質管理・賞味期限管理等を徹底し、食中毒の発生防止に取り組んでおります。
しかしながら、生産者や流通過程等による異物混入や虚偽表示等の事故・事件が発生した場合には、お客様の食品一般に対する不信感や当社商品に対する信頼・信用の毀損により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 個人情報管理について
当社は、お客様の個人情報を多数保有しております。当社では、個人情報に関する法律をはじめとする法令諸規則を遵守すべく、個人情報の取り扱いに際し、「個人情報保護規程」を制定し、遵守することで個人情報を適正に保護管理するための社内体制を構築しております。また、プライバシーマークの認証を取得・更新し、情報漏洩の防止及び情報管理体制の強化に努めております。
しかしながら、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合には、当社のイメージ悪化、金銭的な補償の発生等により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 会員数について
当社の主たるサービスである健康食宅配サービス『ミールタイム』の売上は、売上高(2022年3月期)の78.3%を占めております。また、『ミールタイム』の累計会員数は2022年3月末で281千名となっております。『ミールタイム』の会員数は、当社の売上高に大きな影響があることから、当社では新規会員の獲得活動に注力するほか、顧客満足度の向上を通じたリピート率の向上にも努めております。
しかしながら、『ミールタイム』の会員数拡大に関する施策が計画どおり進捗しなかった場合、あるいは顧客満足度の低下に伴いリピート率が減少するなどした場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 紹介ネットワーク数について
健康食宅配サービス『ミールタイム』は、主として紹介ネットワークからのカタログ配布により会員を獲得しております。紹介ネットワーク拡大に関する施策が計画どおり進捗しない場合、紹介ネットワークからお客様へのカタログ配布がなされない場合、あるいは当社ブランドイメージの低下に伴う紹介ネットワークの解約が増加するなどした場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5) 競合について
健康志向の高い現在において、健康食の宅配会社が多く存在しており、新規参入する企業も増加しております。その中で当社は、MFD事業において、健康になりたい方向けにエネルギーや塩分、たんぱく質等をコントロールした食品を販売するとともに、社員のうち多数を占めている管理栄養士・栄養士による電話での栄養相談を受けて健康改善をサポートするという独自性を打ち出すことで、当社商品の販売拡大、ひいては企業価値の増大に努めております。
また、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出などの社会的背景から、近年では宅配需要が増加しており、食事宅配会社が多く存在し、新規参入企業も増加しております。その中で当社は、CID事業において、当社独自の仕組みを活用して旬の国産食材を安価に仕入れて食品を製造・販売することで、当社製品の販売拡大、ひいては企業価値の増大に努めております。
しかしながら、商品及び製品の品質面・価格面等における競争上の優位性が確保されない場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
当社は、事業の遂行にあたって、食品安全基本法、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、健康増進法、食品表示法、特定商取引に関する法律(特定商取引法)、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)等の法的規制の適用を受けております。
当社は、役職員に対するコンプライアンスの周知徹底や教育の実施等、これらの法令の遵守に努めておりますが、将来的に当社が規制を受けている法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、当社の事業活動が制限される可能性があります。
また、当社では、関係機関に自主的に働きかけ、関連法令等の遵守についての指導を受けることによって、社内における管理体制を構築しております。
しかしながら、当社健康食通販カタログ『ミールタイム』における掲載記事や広告、食事宅配サービス『旬をすぐに』における掲載内容について適正性に疑義が生じるような事態が発生した場合や、そのような報道がなされた場合には、当社に対する信用力が低下し、当社の事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(7) 特定人物への依存について
当社の代表取締役である阿部公祐は、経営ビジョン・方針の提示やそれに基づいた事業戦略の策定をはじめ、中期経営計画の立案及び推進、新規事業の立案及び推進の中心的な役割を担っております。
当社は事業拡大に応じて、代表取締役に過度に依存しない経営体制を構築すべく権限の委譲等を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務継続が困難となった場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 小規模組織について
当社は本書提出日現在、役員8名(取締役5名、監査役3名)、従業員54名と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の急速な事業拡大に応じて、従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保及び育成について
当社は、上記のとおり現時点においては小規模組織でありますが、今後の事業拡大により受注の獲得機会が増加した場合、受注規模に応じた営業人員の確保が必要となります。また、新工場の稼働に伴って、商品製造に係る人員や新体制の構築・維持に係る管理部門の人員の確保が必要となります。当社は今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人員の確保が計画どおり進まなかった場合又は人員の流出が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 大規模災害等の及ぼす影響について
当社の本社及び工場がある首都圏において大規模地震や大型台風などの自然災害が発生し、本社機能及び生産機能が麻痺した場合、当社の事業の継続が困難な状況に陥る可能性があります。また、自然災害以外の理由によっても、大規模停電や断水などの社会インフラの停止が発生した場合のほか、当社従業員に新型コロナウイルス等の感染症の感染が拡大した場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症に対する社内の対応として、換気、手洗い・うがいの徹底、受電を行うオペレーターの席の間隔を空ける、社内イベント・研修等の自粛、対面でのミーティングや外出・来客の制限、といった感染防止の取り組みを実施しております。
(11) システム障害について
当社がインターネットを通じて運営している健康食通販サイト『ミールタイム』及び食事通販サイト『旬をすぐに』は、食事宅配事業の重要な役割を担っており、また、当社工場において製品を自動倉庫で管理しており、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。
しかしながら、地震、火災などの自然災害、事故、停電など予期せぬ事態の発生によって、当社設備又はネットワークに障害が発生した場合には、当社の営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社もしくはインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが何らかの原因によって作動不能となる、あるいは外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入などの犯罪や過誤によるネットワーク障害が発生するなどの可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社に対する訴訟や損害賠償請求が生じるなど、当社の事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 需要予測に基づく仕入れについて
当社では、MFD事業において、在庫切れによる販売機会ロスの回避や一括仕入による原価率の低減を図るために、過去の販売実績や需要予測に基づいて商品の仕入れを行い、在庫として保有しております。実際の受注が需要予測を下回った場合には、当社に過剰在庫が発生して商品評価損を計上することとなり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 仕入価格・製造コストの高騰について
当社では、MFD事業において製造委託先から商品の仕入を行っており、CID事業において当社工場で製品の製造を行っております。製造委託先及び当社工場での商品及び製品の製造時に使用される原材料は、天候不順による農作物の不作等により原材料費が上昇する可能性があります。また、わが国の人口減少や昨今の労働力不足により、商品及び製品の製造に従事する人員の確保に要する労働費が上昇する可能性があります。さらに、原油価格の上昇等により、石油製品である包装材料や弁当容器類の価格上昇が生じる可能性があります。これらの理由により、商品及び製品の仕入価格・製造コストが高騰した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 製造委託先への依存について
当社で販売している商品『ミールタイム』は、主に製造委託先2社(トオカツフーズ株式会社、株式会社アサヒウェルネスフーズ)からの仕入に依存しており、当社の商品仕入高に占める割合は2022年3月期で89.3%となっております。これまで同様、両社を含む各取引先との良好な関係を維持・継続していく方針であります。両社との取引基本契約は、双方とも6ヶ月前の事前告知の上解除することが可能となっているほか、以下のような事由を即時解除事由として定めております。
・いずれかの当事者が、差押、会社の整理もしくは再生・更生手続の開始、もしくは破産の申立等を行った場合、及び契約に違反した場合
・監督官庁から営業の停止、または営業免許もしくは営業登録の取消処分を受けた場合
・資産・信用状態が悪化し、またはその恐れがあると認められる相当の事由がある場合
提出日現在において当社との間で、当該契約に定められている契約解除条項に該当する事実はありません。
しかしながら、製造委託先の経営方針の変更あるいは何らかの事情により、製造委託先が当社商品の製造を継続することが困難となった場合、委託先の選定・変更に伴う一時的な製造の中断など、当社の業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(15) 保管・配送委託先への依存について
当社は、MFD事業において、商品の受入・検品・保管・仕分・梱包・発送を倉庫業者1社(湘南東洋株式会社)に、お客様へのお届けを宅配事業者1社(ヤマト運輸株式会社)に委託しております。また、CID事業において、お客様へのお届けを主に宅配事業者1社(ヤマト運輸株式会社)に委託しております。
委託先の操業停止の事象によりそれらの業務ができなくなった場合、代替する事業者を選定するまでの間、当社商品の出荷が困難となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 電力供給について
当社は、冷凍商品を取り扱っているため、商品及び製品の製造後、出荷されるまでの間、冷凍倉庫に保管する体制をとっております。予想を超える電力不足により電力供給が滞った場合、商品及び製品の保全が困難となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新規事業について
当社は、ヘルスケア総合企業を目指しており、今後も積極的に新たなビジネスを開拓していく方針であります。
しかしながら、事業が確立するまでには当初想定した以上の時間を要する場合があり、事業推進や投資回収が当初計画どおりに進まない可能性があります。
(18) 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態、将来の成長に向けた投資のための内部留保等を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかし、事業環境の急激な変化により、経営成績及び財政状態次第では安定的な配当を行うことができなくなる可能性があります。
(19) 新株発行による資金調達について
当社は成長意欲を有しており、将来の急速な事業規模の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(20) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社取締役及び従業員の業績向上へのインセンティブを高めることを狙いとして、ストック・オプション制度を採用しております。会社法の規定に基づき、株主総会または取締役会の承認を受け、当社取締役及び従業員に対して新株予約権を付与しております。
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は6,457,500株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに株式64,800株が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従いまして、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
(21) 資金調達に係る財務制限条項について
当社は、新工場の建設費用として資金の借入を行っており、本契約には一定の財務制限条項が付されております。当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、食事宅配サービスにおいて、以前より展開しているMFD事業に加えて、前事業年度にCID事業を開始いたしましたが、同事業の損益分岐点の未達及び将来の販売見通しに基づいた当事業年度末時点での販売不能見込みを製品評価損として織り込んだことにより、多額の営業損失及び経常損失を計上しております。
また、同事業は当初の想定よりも販売が伸び悩み、同事業の製品を製造している埼玉工場の稼働率が低調に推移しており、同事業の損益分岐点未達が続いているため、継続して営業活動から生じる損益がマイナスとなる見込みとなりました。そのため、減損の兆候を認識し、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、特別損失として減損損失を計上したことにより、多額の当期純損失を計上しております。
その結果、当事業年度においても、長期借入金に係る財務制限条項の一部に抵触しており、当該財務制限条項に該当した場合には期限の利益を喪失することとなります。
これらのことから、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社は、当該状況を解消すべく、取引金融機関と定期的に意見交換を行うことで同金融機関と良好な関係を構築しており、上記の期限の利益の喪失に係る権利行使について同金融機関と協議し、当該権利行使をしないことについて同金融機関の同意を得ております。
また、これらの対応策に加えて、翌事業年度の資金繰りについても検討いたしました。当社は、翌事業年度の事業計画において売上高の増加を見込んでおりますが、MFD事業及びCID事業の販売数量について、より保守的な仮定を採用した場合の売上予測を基礎として作成した資金繰り計画を考慮した結果、当事業年度末の翌日から12ヶ月間の資金繰りに関して重要な懸念はないと判断しております。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
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