当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止策として期初より緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が続き低調な推移を見せておりましたが、ワクチン接種の本格化等により9月中旬頃より感染者数が減少し、感染収束による景気回復が期待されました。しかしながら、11月下旬頃より再び感染者数が急増したことにより1月に各地にまん延防止等重点措置が適用されるなど、結果的には年度を通して社会経済活動の早期の正常化が見えない中での推移となりました。また、2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻に伴い、様々な分野に対する影響が今後顕在化してくることが懸念され、世界情勢は緊迫した状況が続いております。
当住宅関連業界におきましては、住宅の一次取得層や働き方の変化に伴う郊外住宅に対する根強い需要に支えられ、新設住宅着工戸数には持ち直しの動きが見られたこと等から堅調な推移となりました。一方で、諸外国での景気回復傾向やコンテナ不足等による海運の需給ひっ迫が起因となり、ウッドショックと称される木材価格の高騰や木材不足が発生したほか、原材料費の高騰等による値上げが多くの商材で実施される状況となりました。また、世界的な半導体不足や東南アジア諸国における厳格な活動規制の継続等によりサプライチェーンの分断が度々発生し、一部商品において供給遅延が生じるなど、経営環境が大きく変化する中での推移となりました。
このような環境の中で当社グループは、感染防止対策を継続しつつ、SDGsの達成を視野に入れ、引き続きエネルギー関連商材や認証材の拡販及び非住宅木構造分野への取組みを強化するとともに、サステナビリティへの取組み姿勢を明確にするため、当社グループにおけるマテリアリティの特定を実施いたしました。加えて、中古マンションリノベーション業者への販売強化やプライベート商品の拡販等の既存の営業方針を維持する一方で、売上総利益率の改善や全社的なコスト削減、業務効率化や働き方改革を推進し、収益体質の改善を図ってまいりました。また、2021年4月1日付で、非住宅分野のフローリング工事において全国でトップクラスの実績を誇る中部フローリング株式会社を当社グループに迎え入れ、新たな経営基盤の構築を図りました。その他、当社グループの住宅請負事業を担うジューテックホーム株式会社のメインブランド「ウェルダンノーブルハウス」が、「業界トップクラス」の居住性能を評価され、省エネルギー性能の優れた住宅に対して表彰される「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」を8年連続で受賞いたしました。
以上の結果、当連結会計年度末における財政状態については、総資産は前連結会計年度末に比べ9,438百万円増加の75,832百万円、負債は前連結会計年度末に比べ7,468百万円増加の57,666百万円、純資産は前連結会計年度末に比べ1,969百万円増加の18,165百万円となりました。また、経営成績については、以下のとおりとなりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
売上高は172,627百万円(前連結会計年度は148,649百万円)、営業利益が2,901百万円(前連結会計年度は1,224百万円)、経常利益が3,788百万円(前連結会計年度は2,036百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,293百万円(前連結会計年度は1,394百万円)となりました。なお、「収益認識会計基準」等の適用により、当連結会計年度における売上高は915百万円減少しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から13百万円増加の10,771百万円となりました。
営業活動の結果、資金は2,644百万円の増加(前連結会計年度は521百万円の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が3,588百万円あったほか、仕入債務の増加額が5,949百万円あった一方で、売上債権の増加額が4,815百万円あったことによるものであります。
投資活動の結果、資金は1,010百万円の減少(前連結会計年度は107百万円の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が1,334百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が172百万円あったことによるものであります。
財務活動の結果、資金は1,590百万円の減少(前連結会計年度は247百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入れによる収入が968百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,389百万円及び配当金の支払額が318百万円あったことによるものであります。
当社グループは、住宅資材販売を主たる事業としておりますので、生産実績に代えて仕入実績を記載しております。なお、当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当社グループにおいて、受注実績に重要性はありませんので、受注実績は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に占める販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社は、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、次の経営成績等の状況に関する説明において増減額は参考として記載しております。
当連結会計年度の売上高は、経営方針のもと、エネルギー関連商材の拡販や非住宅木構造分野への取組みを強化するほか、中古マンションリノベーション業者への販売強化やプライベート商品の拡販等に努めてまいりました。また、新設住宅着工戸数は前連結会計年度比6.6%増、当社グループに影響が大きい持家住宅着工戸数も前連結会計年度比6.9%増と堅調に推移したことに加えて、木材や原材料費の高騰による商品の値上がりもあり、前連結会計年度に比べ23,977百万円増加の172,627百万円となりました。
利益面は、売上総利益については、売上総利益率の改善及び増収により4,093百万円増加の20,216百万円となりました。営業利益については、人件費が1,237百万円、貸倒引当金繰入額が260百万円、減価償却費が171百万円、修繕費が164百万円増加したことを主な要因として、販売費及び一般管理費が2,416百万円増加となったことから、1,676百万円増加の2,901百万円となりました。経常利益については、営業外収益が926百万円あった一方で、営業外費用が38百万円あったことにより、営業外収支が887百万円プラスとなり、前連結会計年度に比べ1,752百万円増加の3,788百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、固定資産売却益8百万円を特別利益として計上した一方で、本社移転関連費用148百万円等を特別損失として計上したことから、前連結会計年度に比べ898百万円増加の2,293百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比して9,438百万円増加の75,832百万円となりました。これは主として、売上債権が5,155百万円、棚卸資産が2,217百万円増加したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比して7,468百万円増加の57,666百万円となりました。これは主として、仕入債務が6,503百万円増加したことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比して1,969百万円増加の18,165百万円となりました。これは主として、利益剰余金が1,974百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.4ポイント減少の24.0%となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、収益力の強化により営業活動によるキャッシュ・フローの増加を図るとともに、投資効率を重視した設備投資や有利子負債の削減を目指してまいります。
資本政策につきましては、財務の健全性に留意する一方で、会社の成長に資するための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮し、実施していくこととしております。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、既存事業の持続的成長や新たな事業ポートフォリオの充実を図るためのM&Aやシステム投資のほか、設備の更新等に要する設備資金や事業運営に係る運転資金であります。
当社グループは、必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しておりますが、安定的な財源の確保のため、複数の金融機関から借入による資金調達を行っており、今後も継続する方針であります。借入については、短期借入をベースとしており、金利変動等のリスクに備えるため、一部長期借入を行っております。現時点において、十分な当座貸越枠を設定しており、多様な資金需要に応じることができる体制となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
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