課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、防護服・環境資機材事業、機能性建材事業、アパレル資材事業の3本の柱をもって事業展開しております。特に事業の中心となる防護服・環境資機材事業においては、個人防護と環境保全のトータルソリューションサプライヤーとしての取組みを行い、社会貢献してまいります。

また、常に顧客、株主、社員の満足度の向上の実現を目指し、一層の企業体質の強化を図り、10年後の企業の姿を想定した経営目標を立案しその実現に取組んでまいります。

そのために、グループ間でリソースを共有し、効率のよい事業運営を行うとともに、変化する市場環境にスピード感を持って挑戦し、新しいビジネスチャンスを引き寄せてまいります。また、次代につなげる新規事業に投資してまいります。

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年5月より中期経営計画「Next Stage 実行計画2020」(2020年5月~2023年4月をスタートしております。この中期経営計画期間の3年間を「アゼアスの変革期」と位置付け、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、中長期的な見地から事業構造の改革を進めてまいります。

① 中期経営方針骨子

・飛躍的成長の基礎となる変革期と位置付け、積極的な投資を実行する。

・事業ポートフォリオの見直しと事業構造改革により収益力を高める。

・魅力のある企業集団を作り、顧客、社員、株主満足を向上させる経営を行う。

② 第82期(2022年5月~2023年4月)年次経営方針
イ メーカー機能強化

・メーカーへの転換による企業体質変革と収益構造改革の実行

ロ 新規事業創出

・継続的な新規事業創出(M&A、提携を含む)

ハ 脱商社(既存事業の構造改革)

・独自性の低いビジネスやメーカー品を流通させる機能からの転換

ニ 魅力のある企業集団作り

・顧客、従業員、株主満足度向上と社会貢献につながる経営の実践

③ セグメント別の具体的施策
イ 防護服・環境資機材事業

・アゼアスデザインセンター秋田の設備投資により、技術力向上と自動化の促進を図り、防護服の技術・製造開発体制を強化するとともに、一般消費者向けに、マスク、ヘルスケア製品事業を立ち上げ、市場の開拓を進める。

・安全環境設備分野の開拓を進め、医療機関や化学工場等における汚染環境改善など、リスクの高い現場へ新たなソリューションを提案する。

・アゼアス防護服Laboを拠点に、素材加工や新技術に関する研究開発体制の整備を進め、研究・開発の強化を図る。

ロ 機能性建材事業

・機能性建材については、新製品「ReFace®」を中心に、ユーザーの安全、健康を実現する機能性建材に集中し、ユーザー向けに最終製品を販売するビジネスモデルへの転換を進める。

ハ アパレル資材事業

・新素材を採用した安全対策衣料の展開など、ユーザー向けに最終製品を販売するビジネスモデルヘの転換を進める。

④ サステナビリティへの対応

持続的成長を実現する強固な経営基盤の構築に取り組みます。

・サプライチェーンの多様化による調達機能の強化

・「安全・防護・健康・快適」をドメインとする「社会の安全・安心を実現する」事業ポートフォリオへの転換

・経営を支える人材の育成と体制の整備

⑤ 目標指標(連結ベース)

 

2020年4月期(計画策定時)

中期経営目標(2022年6月修正)

売上高

9,941百万円

10,414百万円

経常利益

477百万円

600百万円

ROA(連結)

6.2%

7.0%

ROE(連結)

5.8%

7.0%

 

(注)  2022年6月に、新規事業創出の進捗状況を踏まえ、中期経営計画の業績目標(売上高)を修正しております。有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループでは以下の事項を対処すべき課題として取組みを進めております。

① 中期経営計画の実行

当社グループは、2020年5月から2023年4月までの中期経営計画「Next Stage 実行計画2020」に取り組んでおり、2022年5月からは計画の最終年度に入りました。新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式や働き方の変更、デジタル化の加速による経済・社会構造の変化が進行し、経営環境の変化が進行しているほか、足元では、原材料コストの上昇、為替相場における円安の進行、サプライチェーン停滞、ロシア・ウクライナ情勢をめぐる地政学リスクなど、企業収益に深刻な影響を及ぼす事象が発生しており、経済環境の先行きは、不透明な状況が続くことが予想されています。このようななか、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上には、外部環境の動向の影響を受けにくい、安定して収益を計上できる事業基盤を確立していくことが重要な経営課題と認識しています。当社グループにおいては、「Next Stage 実行計画2020」に沿って、企業体質の変革と収益構造の改革に向けた取り組みを進めております。

中期経営計画では、「飛躍的成長の基礎となる変革期と位置付け、積極的な投資を実行する」「事業ポートフォリオの見直しと事業構造改革により収益力を高める」「魅力のある企業集団を作り、顧客、社員、株主満足を向上させる経営を行う」の以上3点を基本方針としていますが、最終年度は、さらにその取り組みを加速させるため、特に「メーカー機能の強化」「新規事業創出」「脱商社(既存事業の構造改革)」「魅力のある企業集団作り」以上4つの重要施策の実行に注力してまいります。

② 防護服市場開拓と国内外サプライチェーン網の再構築

日本における防護服の普及率は欧米に比べ低く、今後更なる事業開発の余地があります。より安全な作業環境の実現に向けた防護服の普及には、研究開発機能を強化し、発がん性のある化学物質対策や医療機関の感染症対策向け防護服、難燃・アークフラッシュ、高視認性防護服等の開発を進めるとともに、機能性の高い製品を提供できる体制整備が不可欠です。秋田県大仙市のアゼアスデザインセンター秋田では、防護服増産に向けた設備投資を実施し、技術力の向上と自動化の促進を進めることで、機能性の高い防護服の生産を目指していきます。2022年4月に開設した研究開発拠点「アゼアス防護服Labo」では、知的資源と最先端設備を活用した技術と開発の強化に注力します。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により防護服を中心とした感染対策用資材の需要が一時的に急拡大し、資材の需給はタイトな状況が続きましたが、今後は、アゼアスデザインセンター秋田を戦略的中核拠点として国内サプライチェーン網を再構築し、国内供給能力を大幅に増強することで、防護服の需要に対する社会的な要請に応えてまいります。

③ 新事業開発

今後企業として尚一層の発展を遂げていくには、防護服・環境資機材事業に次ぐ新たな成長事業が不可欠と考えます。機能性の高いヘルスケア製品により、健康と安全へ貢献することをビジョンとして、ヘルスケア製品営業部を独立させ、事業領域拡大とヘルスケア市場の開拓に注力いたします。従来の「安全・防護」のドメインに加え、「健康・快適」といったドメインも含め、ビジネスチャンスの拡大に努め、「社会の安全・安心を実現する」事業ポートフォリオへ転換してまいります。

④ 人材の育成と確保

当社グループが今後も継続的発展を遂げていくためには、人材の確保と育成は重要課題として位置付けております。第80期(2021年4月期)より新人事制度を導入し優秀な人材の確保と次世代経営層の中核となる人材の育成、若手社員の早期戦力化を図っております。また、働き方については、在宅勤務の整備、女性活躍支援、中堅社員の活性化、高齢者雇用等に取り組み、男性社員の育児関連休暇の取得促進など、健康経営を意識し、人材活性化を進めてまいります。

⑤ 内部統制の強化と業務の効率化

中国の子会社を含め、連結ベースでの内部統制強化に引き続き取り組んでおります。業務の効率化については、防護服・環境資機材事業におけるWEB-EDI等の受注システムの効率的な運用、タブレット端末などのICT活用を進め、顧客サービスの向上、営業の機動力の強化とともに、社内業務プロセスの改革を進めております。これらの業務の効率化とあわせてチェック機能をより強化する体制の構築に取り組みます。

⑥ サステナビリティへの対応

中長期的な会社の経営戦略のとおり、持続的成長を実現する強固な経営基盤を構築することで、サステナビリティ経営を推進します。あわせて、持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals / SDGs」への対応として、防護服・環境資機材事業においては、安全・防護システムで人と環境を守るミッションを果たすとともに、環境に配慮した健康・快適な生活の実現、取り扱う商材や経営資源を活かした自発的な社会貢献活動への取り組み、アゼアス健康経営宣言と子育てサポート企業の実践に注力します。

 

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