課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

当社は、「『すべてはお客さまのために』を原点にベストローカルを実現し、九州におけるスーパーマーケット事業のリーディングカンパニーになる」という経営ビジョン実現に向けて2013年からの10年間を「飛躍の10年」と位置付けております。

2020年度におきましては、新型コロナウイルスの影響により、全世界が混乱している状況にあり、日本国内においても蔓延の恐れが高い状況となっております。当社としても感染拡大を防止する重大局面となっており、従業員全員の情報共有及び感染防止に向けた対策・対応に取り組んでまいります。現在の状況を踏まえれば、短期的な収束は考えにくく、長期的な対策や対応が必要であると考えられます。

また、経済環境におきましても、気候変動や新型コロナウイルス等により、消費マインドの低下や家計収入の伸び悩み等により、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えられます。加えて、消費者の低価格志向の強まりや、少子高齢化と人口減、都市部への人口回帰によるマーケットの縮小、異業態の食品市場への参入拡大、少子高齢化の進行に伴う人手不足と労働単価の上昇等により、厳しい競争環境はさらに激化するものと考えられます。

このような環境のなか、当社は「『すべてはお客さまのために』を原点にベストローカルを実現し、九州におけるスーパーマーケット事業のリーディングカンパニーになる」というビジョン実現に向けて、従来の業務体制や事業の仕組みを変革していくことが求められており、次の施策に取り組んでまいります。

①熾烈な競争に打ち勝つ事業モデルの変革

昨今、小商圏を対象とし業態を超えて専門特化した競合店舗が高速出店し、競争が激化しています。新たな競合環境に適合し、熾烈な競争に打ち勝つため、2016年3月より「店舗フォーマットの分化と確立」への取り組みを継続して実施するとともに、ローコスト経営が可能なフォーマットや外部環境変化に動じないフォーマットの確立に取り組んでまいります。

目指す方向性は3つの店舗フォーマットと定義し、1)小商圏かつコンビニエンス性を重視した都市型エクスプレスフォーマット、2)圧倒的地域一番店を目指すライフスタイル提案型フォーマット、3)低価格で広域商圏から集客し、生鮮食品を中心とし、より価格競争力を強化した新しい「ザ・ビッグ」フォーマットとし、地域のお客さまニーズの変化に対応し、地域シェアを高めるため新規出店並びに既存店の活性化を積極的に取り組んでまいります。

また、お客さまにとって一番魅力のある店舗として選んで頂ける「品揃え」・「商品」・「売場」・「サービス」を実現するため、九州オリジナル商品をはじめとした価値ある商品の開発や調達の強化、並びに物流コストの低減を図り、品質レベルを向上しつつ、リーズナブルな価格やサービスをお客さまにご提供できる体制づくりに取り組んでまいります。

さらに、社会環境の変化に呼応して、オーガニック、ナチュラル、ウエルネス商品の品揃え拡充を図ってまいります。

②持続的成長を実現するコスト構造の変革

依然として、慢性的な人材確保難や賃金上昇による労務費用の増額が継続し、店舗オペレーションコストは年々上昇傾向となっております。そのような厳しい環境のなか、持続的成長を実現するため、生産性向上を図るとともに、ローコストオペレーション確立に向けて取り組んでまいります。

営業面では、商品の廃棄ロス額撲滅に向け、発注・製造計画の見直しや従来の品揃えを見直し、売筋商品・死筋商品の拡縮をスピーディーに行ってまいります。

商品面では、九州オリジナル商品の開発を積極的に取り組むとともに、センターパック商品の品質レベルの向上やサプライチェーンの確立による物流コスト低減を図ることで、原価低減に取り組んでまいります。

また、福岡都市部の店舗を中心に主に商品供給を展開している「旬鮮工房」の店舗・商品・エリアの拡大を図るとともに、システム関連についても人時不足に対応したセルフレジ導入の拡大や商品発注システムの活用拡大により効率化向上に取り組んでまいります。

また、長崎・宮崎・鹿児島地区で実施しているチーム運営の意識・行動・レベルの向上を図り、兼業・副業の拡大に取り組んでまいります。部門の壁を越えたチームワークにより人件費の有効活用や節約及び一人ひとりのスキルアップを図ることにより効率化、収益性向上の実現に取り組んでまいります。

 

③食品事業の統合と成長に向けた企業構造の変革

エリアに根差した営業力強化のため、フラットな組織を志向し意思決定の早い柔軟な対応ができる組織への変革に取り組んでまいります。また、当社の成長を支える人材の採用・育成を推進するとともに、誰もが働きやすく、活躍できる会社を実現するために教育やダイバーシティ視点での働き方改革を積極的に推進してまいります。

エリア戦略の強化として事業部を県単位に再編し、新たに「佐賀・筑後事業部」を新設いたします。また、株式会社レッドキャベツから13店舗を譲受し、レッドキャベツ事業部を新設いたします。本社組織についても、人事・総務・管理を中心に再編を行います。

また、新卒者の採用・教育を引き続き継続するとともに、優れた専門的能力を持つ人材の中途採用も積極的に行います。地域を知り尽くした従業員を育成して戦力化するため、職務別教育、キャリア開発教育、国内研修等を実施してまいります。

また、ダイバーシティ活動チームを中心に、職場環境の改善や対策を提案し、多様化する従業員が生き生きと能力を最大限発揮できる職場環境や公正な評価ができる人事制度の構築に取り組んでまいります。

④環境保全・社会貢献活動に対する取り組み

当社は、環境保全や社会貢献を事業活動の一環として取り組むことが、地域に根ざした小売業の使命であると認識しております。

当事業年度は、次の活動を進めてまいりました。

ⅰ)ISO14001の基準に基づく環境保全活動の実施

ⅱ)植樹活動の実施

当事業年度は新店やイオン環境財団との共催により、地域のお客さまとともに植樹しました。

*マックスバリュ帯山店      1,217本(2019年10月20日)

*宮崎県綾町 イオンの森づくり  3,000本(2019年10月19日)

ⅲ)トレー、牛乳パック及び空き缶のリサイクル運動、買物袋持参運動並びにマイバスケット運動の実施

ⅳ)レジ袋の有料化(大分県及び熊本県内、北九州市の44店舗)

レジ袋の代金としてお客さまからお預かりした569千円(2018年度分収益金)については、大分県に166千円並びに熊本市に265千円、北九州市に138千円寄付いたしました。2019年9月1日より全店でレジ袋の無料配布を中止致しました。

ⅴ)「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」活動の実施

福祉の増進、環境保全、環境学習、文化・芸術の振興などの分野で活躍する団体への助成を14,729千円実施いたしました。

ⅵ)「被災地を支援する黄色いレシートキャンペーン」の実施

「被災地を支援する黄色いレシートキャンペーン」では、ご投函いただいたお買い上げレシート合計額の1%を寄付いたしました。

*「東北・熊本応援 黄色いレシートキャンペーン」(2019年3月9日から3月11日まで)

「東日本大震災ふくしまこども寄付金」  1,401千円

「ふるさとくまもとづくり応援」     3,269千円

ⅶ)エコキャップ活動の実施

ペットボトルキャップの回収を59店舗で実施し、その収益金405千円を認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」へ寄付いたしました。

ⅷ)各種募金活動の実施

当事業年度も募金活動を積極的に実施し、お客さまから総額で31,286千円の募金をお預かりし、募金振込先の指定口座へ全額を振込いたしました。

 

今後も、企業の社会的責任を果たすため、環境保全・社会貢献活動に継続的に取り組んでまいります。

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