有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおり、自動車販売市場の経営環境の変化により、自動車販売市場が縮小傾向が続いており、販売会社の業界再編が激化する可能性があります。また、燃料価格の上昇や、景気の後退、金利の上昇等の景気動向の変化により、消費者の自動車購入意欲の低下に繋がり、自動車販売市場全体の落ち込み等の影響が考えられます。
さらに、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言いたしました。自動車販売業界においては、EV化へのシフトが加速することにより従来の販売方法のほか、顧客の自動車保有方法やメンテナンス関連(車検・点検整備等)の考え方など、自動車販売市場の大変革が到来すると考えられます。
これらの懸念事項への取り組みとして、当社グループの強みである、これまで長年培ってきたお客さまとの関係や地域密着の営業活動による高い競争力を活かし、新たな需要の掘り起こしを行うとともに、グループ戦略企画機能を発揮し、効率的な組織運営を展開することにより、市場の変化への柔軟な対応、強い経営基盤の構築を推進しております。
当社の連結子会社で新車販売事業を営む㈱ホンダ四輪販売三重北は、本田技研工業㈱の販売系列に属しております。新車を長期安定的に仕入れ、当社グループの主力商品として販売しておりますが、新車の発売、モデルチェンジなどはメーカーの政策により決定されます。当社グループは、輸入車販売・中古車販売とリサイクル事業を強化することにより、新車販売動向に左右されない企業体制を構築しておりますが、メーカーの政策及び新車の販売動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。同社からはその他部品・用品等の仕入もあり、仕入高の総額は2022年3月期において連結ベースの総仕入高の49.1%を占めております。
このように当社グループは、商品の仕入に関して本田技研工業㈱からの仕入の比率が高いため、天災等により同社の生産体制に重大な支障が発生し、同社からの新車の仕入が滞った場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
同社からの仕入実績は、以下のとおりであります。
当社グループは、㈱ホンダ四輪販売三重北と本田技研工業㈱との間でHonda販売店取引基本契約及びU-select店基本契約、㈱オートモールとフォルクスワーゲン グループ ジャパン㈱との間でフォルクスワーゲン販売店取引基本契約及びアウディ製品取引基本契約を締結しております。
㈱ホンダ四輪販売三重北におけるHonda販売店取引基本契約において、「主たる担当エリア(以下「担当エリア」)」を定めており、担当エリアは三重県北勢中勢地区であります。また、㈱オートモールにおけるフォルクスワーゲン販売店取引基本契約においても、「主たる責任地域(以下「責任地域」)」を定めており、三重県北勢中勢地区が中心と定めており、アウディ製品取引基本契約においては、責任地域は三重県であります。
これらの自動車メーカーとの取引関係は良好であり、安定的に推移しておりますが、販売エリアが三重県内に限定されており、契約内容に重要な変更があった場合や、取引関係の継続が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各自動車メーカー系ディーラーや中古車の販売・買取業者と、それぞれのエリアにおいて競合しております。当社グループは、地域に根づいた店舗の開発を行い、アフターサービスなどを通じて、付加価値の高いサービスを提供するとともに、従業員教育によるサービスの維持向上と均一化を図り、集客力の向上と収益高・収益率の向上に努めております。
しかしながら、自動車販売市場の縮小や同業他社の増加など同業他社との競合が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中古車を販売する際に細心の注意を払っておりますが、販売車両に対して故障や不具合などクレームが発生する場合があります。また、国内オークションを経由した販売車両につきましては、クレームは当該オークション規約に基づき、出品者が虚偽の報告を行った場合を除き、落札者が責任を負うこととされております。
しかしながら、出品者が出品車両の記載を誤った場合には、落札者から販売車両に係るクレームについて損害賠償責任を追及される可能性があり、当該リスクが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは店舗用の不動産・設備等の有形固定資産を多数保有しております。こうした資産から予定通りのキャッシュ・フローを生み出せなくなった等、収益性の低下により投資額の回収が見込まれなくなった場合には、減損損失を計上することになり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っておりますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。
当社グループは、販売業として多数のお客さまの個人情報をはじめとした重要な情報を保有・管理しております。これらの情報の保護・管理につきましては、CSR(社会的責任)の観点や「個人情報保護法」への対応などから、これまでも規程類の整備や従業員への教育、本社等建物の入室方法の改善をはじめとしたセキュリティ対策などの社内管理体制を整備し、情報保護の徹底を図っております。しかし、万一不測の事態が発生し、重要な情報が外部に流出・漏えいした場合は、損害賠償によるコストの発生、社会的信用の低下による営業活動への悪影響など、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
上記に掲げる①から⑥のリスクに対する対応策としては、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に対処する事で、当社グループの業績及び財政状況に与える影響を軽減できると考えております。
当社グループは、店舗開発のための土地購入資金や建設資金、グループファイナンス資金等を、主として金融機関からの借入金により調達しております。当社グループとしては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み改善を図った結果、総資産に対する有利子負債依存度は減少傾向ではありますが、金利の上昇や当社グループの信用力の低下などにより高い金利での調達を余儀なくされたり、必要な資金が確保できなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、最近の当社グループの有利子負債の状況は次のとおりであります。
自動車販売に関連する法規制等としては、自動車公正競争規約をはじめとして、自動車リサイクル法、道路運送車両法など、販売・整備に関する各種規制があります。また、自動車販売以外におきましても、保険事業、建築業など、特定の事業に関連する各種規制の適用があり、その他にも事業の遂行に関連して、租税、労働、環境など、様々な法的規制や当局の監督を受けております。従って、事業に重大な影響を及ぼすような法的規制等の制定や改廃が行われた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
自動車リサイクル事業に関連する法的規制としては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物保管基準に則った保管を行い、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しています。廃棄物処理法における(不適切な産業廃棄物の保管、委託処理に関わる契約書の未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、当社グループの業績及び財政状況に影響及ぼす可能性があります。
そのために、『ICDAホールディングスグループの行動規範』に基づき、法律遵守、社内規則の遵守、社会規範の遵守を徹底しております。また、法的規制等コンプライアンスリスクに対して、当社グループの取り組み水準の引き上げを図るべく、当社にコンプライアンス委員会を設置し、あわせて環境に関するリスクも含めた対応の強化を推進しております。
自然災害等により、自動車メーカーから新車の供給が遅れた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要事業が販売業であり、地震・洪水・台風等の大規模な自然災害により店舗等が被災した場合には、営業継続が困難になることが想定されます。特に、当社グループの営業拠点は三重県に集中しており、今後、その規模が大きいとされている東海・東南海及び南海地震が連動して発生するなどの場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの地震等の災害に対しては、発生した場合の迅速な初期対応や、業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画の策定などを、今後さらに進めてまいります。
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