課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、「他人(ひと)のしあわせが、自分のしあわせ」を経営理念に、以下の事項を徹底して参ります。

・「挨拶」明るく元気な挨拶で顧客をお迎え、見送りをする。

・「掃除」清潔感を維持し、顧客に不快を感じさせない。

・「名刺の配布」商人として、自分の名前を売る。

・「御礼ハガキ」感謝を伝え、顧客とのつながりを大切にする。

・「徹底」結果が出るまで、何度でもできるまでやり通す。

(2)経営戦略等

① 当社は、地域密着型のメガフランチャイジー企業として、カー用品販売やメディアレンタル等を起点に、効率的な集客をはかる出店戦略を採用しており、事業間の横断的なシナジー効果が享受できるよう、様々なルートから、常にM&A情報及び立地情報等の収集を行っております。

A.M&A戦略(他社運営のフランチャイズ店舗譲受を含む)

イ.理由

・当社運営による具体的効果が見込め、確実な再生の道筋を示しやすいため。

・人材・資金・運営ノウハウの供給及び吸収。

ロ.メリット

・当社の運営となることにより、シナジー効果を実現し、お客様満足度を向上させることができる。

ハ.リスク

・譲受後に、譲受前には識別不能であった問題が見つかり、店舗運営に支障をきたす可能性がある。

B.イエローハット店舗を中心とした複合出店戦略

イ.理由

・大規模集客を見込めるショッピングモールまたはそれに準ずる立地であること及び当社他業態店舗の同時出店が可能であること。

・消費者の生活態様の変化により、従来のロードサイドへの出店よりも、集客規模が大きくなり、利益拡大に資するため。

・他企業との複合の場合は、経営の観点からは、同一敷地内にある他企業との情報交換が促進され、市場の情報を適時にキャッチアップできるため。

ロ.メリット

・マイカーを預けている間に他店舗で買い物や喫茶をする等のルーティンが浸透し、お客様の待ち時間解消のための選択肢が増加することによるリピート効果を享受することができる。

・これまでお付き合いのなかった企業との交流が発生し、情報が共有されることにより、新たな店舗展開のヒントを得ることができる。

ハ.リスク

・出店規模が既存店舗に比べ、大きくなりがちなため、投資額が嵩み、収益性が落ち込んだ局面では、減損の兆候が発生する可能性がある。

C.ドミナント出店戦略

イ.理由

・当社が出店しない場合、競合他社が出店する可能性があること。

・競合他社による出店を阻止することにより、価格競争等の消耗戦を回避する必要があるため。

ロ.メリット

・近隣に既存店舗がある場合、相互の店舗で欠品在庫を融通し合うことができ、機会損失を回避することができる。

ハ.リスク

・近隣に既存店舗がある場合、自社競合となることにより、お客様を奪い合う可能性がある。

・一方または両方の店舗の収益性が低下することにより、減損の兆候が発生する可能性がある。

 

② イエローハット事業では、降雪による季節タイヤ販売への依存から脱却し、安定的に高粗利を獲得するため、車検獲得を主軸に、ポリマー、鈑金等のカーメンテナンス等工賃収入のサービス提供を強化して参ります。さらに車検整備を通してタイヤ、バッテリー等の物販につなげるよう努めて参ります。車検等サービスの動向としては以下の通りであります。

・車検の動向

 車検は自動車が最低限安全に使用できるよう定期的に実施しなければいけないものであり、今後も車検という仕組みはなくならないものです。また、車検を任せていただけるということは、当社を信頼していただいたことでもあり、そのシェアを伸ばしていくことが、当社の存続繁栄につながると考えております。

・車検等サービス収益が粗利にもたらす効果

 車検等サービス収益は概ね純利益となるため、その構成比が高くなればなるほど、全社粗利の底上げに貢献する結果となります。また、車検整備を通して、タイヤやバッテリー等の消耗品販売へつなげていき、お客様満足度の向上を目指して参ります。

 

③ TSUTAYA事業は、書籍等の品揃え及び販売の強化を実施し、顧客の利便性向上をはかって参ります。

 なお、TSUTAYA事業の売上高は、流行やメディア等々の外部環境により大きく左右されることから、そうした変動の少ない書籍に注力しております。

 

④ アップガレージ事業は、中古カー用品でも新鮮味がある売場を演出すために、常に流動性を持たせた在庫管理を維持致します。そのプロセスとして中古カー用品の買取強化を実施し、販売機会の増加をはかって参ります。

 

⑤ その他事業は、流行を敏感に察知し、流行に合致した品揃え等の充実により、販売機会の増加等をはかって参ります。

 

(3)経営環境

当社を取り巻く経営環境として、主たる事業であるイエローハット事業では、第3四半期会計期間(10月から12月)に販売がピークになるスタッドレスタイヤ等季節用品の販売による売上高は、他の四半期に比べ著しく高く、通期業績には、第3四半期会計期間の季節用品の販売動向が大きく影響致します。

これら季節用品は、暖冬か厳冬か、降雪があるか、積雪が程よくあるか等々の天候により販売数が増減致します。今後の天候を先読みするのは困難ですが、地球温暖化による暖冬の頻度は上昇するものと捉えております。

このような環境の中、これらの解決をはかるため、当社は、粗利の確保をはかることを経営戦略として掲げ、安定した営業利益の確保をはかって参ります。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、来店客数半減等の大きなマイナス影響を受けた、アミューズメント施設及びインターネットカフェは2021年3月末までに退店し、同影響の少ない「ダイソー」へ業態変更を実施しております。

世界的な半導体不足の影響により、日本国内の新車販売台数が低迷し、スタッドレスタイヤを中心とした季節用品の買い替え需要の減少や、変異した新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の低迷等により、今後の経営環境は大きく変わる可能性があるものと捉えております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

 当社は、カー用品販売を行うイエローハットを中心に店舗展開をする小売が主となる企業であります。開発投資等がないことから、事業上の課題は財務上の課題とリンクしております。

 前項「(3)経営環境」で記載した通り、今後の生活環境及び経営環境の動向は予測が困難となっております。

 そのような環境の中、当社は新型コロナウイルスの終息までの間、社員の生活を守ることを最優先に、利益額の確保策を、全社をあげて実施して参ります。

 具体的には、イエローハット事業では、中長期的に各店舗月間車検獲得50台以上を目指すと共に、自動車整備士の増員をはかって参ります。その他の事業においても、高粗利商品販売の取組を実施し、労働分配率の引き下げを目指し、商品在庫構成を流行や需要に合わせアップデートしつつ、スタッフの精鋭化を実施して参ります。

 小売を通じてお客様のお役に立ち、その対価として適正な利益額を確保することが、安定した資金の確保になります。第49期は「熱意は力なり」をスローガンに、本目標を実践して参ります。

 

企業価値を高めるため、以下の課題は継続的に実施して参ります。

① 当社の経営理念「他人(ひと)のしあわせが 自分のしあわせ」を実現するために、商売の基本を徹底して参ります。主なものとしては、整理・整頓・清掃・清潔・躾・先手の挨拶を総称した「6S」の徹底を行い、「気付き」を養うことで、接客対応の向上を目指して参ります。

 そうした取り組みにより、安定した顧客作りや内部体制の強化をはかって参ります。

② 当社は、人材確保及び人材育成に関しても、重要な課題と捉えております。少子高齢化と地方における自家用車の保有台数のギャップ(若年層は減少、保有台数はあまり変動していない)がますます大きくなると予想しており、人材確保は社を挙げて注力しております。

 また、女性の戦力化にも取り組んで参る所存です。当社における女性幹部社員の状況は、課長職2名、店長職2名、副店長職5名となっております。

 中長期的な取り組みとして、女性社員の教育に注力し、幹部社員としての活躍の場を広げて参ります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、第43期の売上総利益率42.6%より3%向上の同率45.6%を中期目標として計画して参りました。

 本来、第48期末においては45.6%に達している必要がありましたが、実績としては44.2%の着地となり1.4%の未達となりました。

 この要因としては、主たる事業であるイエローハット事業において、第43期の44.2%から第48期は46.6%と2.4%上昇したものの、高粗利率のアミューズメント施設及びインターネットカフェの退店を補完するまでには至らなかったこともあり、全社的に未達となりました。

 「(3)経営環境」で記載した通り、今後の生活環境及び経営環境の動向は予測が困難であるものの、「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」等の経済活動を維持する動きもあることから、第49期は第48期より約1%増加の45.1%を目標とし、長期的には50%を目標に、イエローハット事業においては引き続き車検獲得を主軸に、ポリマー、鈑金等のカーメンテナンス等工賃収入のサービス提供に注力して参ります。

 

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