3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。この結果、前連結会計年度と会計処理が異なるため、経営成績に関する説明において売上高に関する増減額および前期比(%)を記載していない。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期の業績は、売上高は45億2百万円(前期は46億17百万円)となり、営業利益は2億47百万円(前期比2.4%減)に留まったが、支払利息などを加味した経常利益は86百万円(前期比292.5%増)と増益になった。これに、法人税等の負担および保守的な観点から今後の新型コロナウイルス感染症下での業績下振れリスク等を勘案し繰延税金資産40百万円を取崩すこと等を考慮した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は42百万円(前期比56.1%減)となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
(商業施設事業)
商業施設事業については、静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」において、新型コロナウイルス感染症第5波に加え、2022年初めから期末にかけての第6波の影響を大きく受けることになり、前期の大ヒット映画「鬼滅の刃」の反動減や、営業時間短縮が長期にわたった結果、特に飲食・アミューズメントなどの業態において厳しい運営を余儀なくされた。ただし、3月下旬にまん延防止等重点措置が解除されて以後は回復の兆しが見え始めた。
この結果、商業施設事業の売上高は21億39百万円(前期は23億74百万円)、営業利益は7億73百万円(前期比1.5%減)となった。
(ヘルスケア事業)
健康ビジネス部門については、大阪営業部は一部北京オリンピック商材を含む新規取引先向けの受注を取るなど引き合いが増えたものの、東京営業部では対面販売チャネルの販売が芳しくなく売上高は減少した。一般寝装品部門については、羽毛関連の受注が伸びて売上高が増加した。
この結果、ヘルスケア事業の売上高は12億47百万円(前期は12億52百万円)とほぼ前期並みに留まったものの、採算改善効果があり、営業損失10百万円(前期は営業損失26百万円)と損失幅は縮小した。
(繊維・アパレル事業)
衣料部門については、国内市場は新型コロナウイルス感染症の影響から脱しきれず減収となったものの、新型コロナウイルス感染症が落ち着いていた中国市場での子会社における販売が増加した。ユニフォーム部門については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくく採算性が相応にある官需ユニフォームの分野が底堅く推移していたものの、大口の期末入札案件が前期比落ち込んだことが響き減収となった。
この結果、繊維・アパレル事業の売上高は11億15百万円(前期は9億90百万円)と増収となったものの、官需ユニフォーム部門の期末の落ち込みが響き、営業損失8百万円(前期は営業損失4百万円)と損失幅が拡大した。
(財政状態の状況)
当期末における総資産の残高は211億13百万円(前期末は219億9百万円)となり、前期末に比べ7億95百万円減少(前期比3.6%減)した。主な要因は、現金預金の減少2億42百万円、減価償却などによる建物及び構築物の減少3億95百万円である。
負債の残高は164億66百万円(前期末は172億93百万円)となり、前期末に比べ8億27百万円減少(前期比4.8%減)した。主な要因は、約定弁済による長期借入金の減少6億7百万円、約定返還による長期預り保証金の減少81百万円である。
純資産の残高は46億46百万円(前期末は46億15百万円)となり、前期末に比べ31百万円増加(前期比0.7%増)した。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加42百万円、金利スワップの時価変動による繰延ヘッジ損益の減少21百万円である。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、5億16百万円のプラス(前期比42.5%減)となった。主な要因は、減価償却費5億87百万円、売上債権の減少1億50百万円、棚卸資産の増加80百万円、仕入債務の減少1億円である。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億27百万円のマイナス(前期は64百万円のマイナス)となった。主な要因は、設備投資に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出1億27百万円である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億32百万円のマイナス(前期は6億68百万円のマイナス)となった。主な要因は、約定に伴う長期借入金の返済による支出6億7百万円、約定に伴うリース債務の返済による支出21百万円である。
これらの各活動の結果、現金及び現金同等物の残高は12億42百万円(前期比16.3%減)となり、前期末に比べ2億42百万円減少した。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていない。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
(経営成績の分析)
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載している。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ヘルスケア事業及び繊維・アパレル事業における棚卸資産の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、商業施設事業における設備投資等によるものである。当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、財務の健全性を確保することを基本としている。運転資金及び設備資金については、自己資金及び銀行借入により調達している。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は109億45百万円となっている。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の会計上の見積りを必要とする。
当社は、会計上の見積りについて、過去の実績、現在の状況等を勘案し合理的かつ慎重に判断している。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら会計上の見積りと異なる場合がある。
また、新型コロナウイルス感染症が経済、企業活動に広範な影響を与えており、今後の動向を予想することは困難である。そのため、当社としては外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、固定資産の減損の兆候判定、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っている。
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