業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における経営成績、キャッシュ・フロー及び財政状態の概要は、次のとおりであります。

 

①経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、感染状況により個人消費活動や企業経済活動は停滞と再開を繰り返す不安定な状況が続きました。ワクチン接種の浸透に伴い経済活動の活発化に期待が高まるものの、変異ウイルスの感染拡大、原油や原材料の高騰が消費活動に与える影響が懸念され、先行き不透明な状況となっております。

 当社グループが属する住宅・マンション業界におきましては、木材価格の高騰等により建築コストが急激な増加傾向にあります。さらに、同業他社との競争も激化しており、予断を許さない事業環境にあります。

 このような環境下、当社グループは前連結会計年度に急激に落ち込んだ建売住宅の販売状況の改善に努めるとともに、積極的な投資用不動産の販売に取り組みました。建売住宅は、当初予想より長く感染拡大が続いたことによる上半期の遅れが影響したものの、大分本社の牽引により86戸(前期は79戸)を販売いたしました。また、投資用不動産2棟を販売いたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は2,807,971千円(前年同期比58.7%増)、営業利益は265,844千円(同92.8%増)、経常利益は275,080千円(同95.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は182,660千円(同116.8%増)となり、売上高は過去最高となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(不動産販売事業)

 不動産販売事業におきましては、建売住宅の販売状況の改善及び投資用不動産の販売により、売上高及びセグメント利益は増加いたしました。この結果、売上高は2,697,540千円(前年同期比62.2%増)、セグメント利益は324,027千円(前年同期比63.9%増)となりました。

 

(不動産賃貸管理事業)

 不動産賃貸管理事業におきましては、管理物件の収益構造の改善及び改装・営繕工事の増加により、売上高及びセグメント利益は増加いたしました。この結果、売上高は112,646千円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益は18,845千円(前年同期比12.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上による増加、たな卸資産の減少による増加、長期借入金の返済による減少等により、前連結会計年度末と比較して127,577千円減少し、期末残高は703,113千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は845,689千円(前年同期は55,581千円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上による増加275,080千円、たな卸資産の減少による増加508,427千円、法人税等の支払による支出78,568千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は29,915千円(前年同期は23,280千円の使用)となりました。これは主に預り敷金及び保証金の返還による支出25,126千円、無形固定資産の取得による支出2,855千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は943,351千円(前年同期は177,803千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出827,632千円、配当金の支払いによる支出50,884千円、自己株式の取得による支出61,593千円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社は、不動産販売事業及び不動産賃貸管理事業を行っておりますが、不動産賃貸管理事業は生産、受注及び販売を定義することが困難であるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。

 

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における建築請負事業の受注実績は、次のとおりであります。

事業部門別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建築請負事業

9,139

43.7

800

56.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門別の名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

建売住宅販売事業(千円)

1,803,242

120.9

投資用不動産販売事業(千円)

735,000

建築請負事業(千円)

9,767

50.1

不動産賃貸管理事業(千円)

110,430

103.3

その他(千円)

149,530

99.0

合計(千円)

2,807,971

158.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社 GHI

560,000

19.9

2.損益計算書の不動産売上高の事業部門別内訳は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

不動産売上高(千円)

1,492,064

2,538,242

 

建売住宅販売事業(千円)

1,492,064

1,803,242

 

投資用不動産販売事業(千円)

735,000

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

②財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は3,689,371千円となり、前連結会計年度末に比べ699,683千円減少いたしました。これは主に販売用不動産が726,735千円減少、現金及び預金が127,577千円減少、仕掛販売用不動産が169,190千円増加したこと等によるものであります。固定資産は86,535千円となり、前連結会計年度末に比べ15,753千円減少いたしました。

 この結果、総資産は3,775,907千円となり、前連結会計年度末に比べ715,436千円減少いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は390,645千円となり、前連結会計年度末に比べ18,478千円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が103,204千円減少、不動産事業未払金が40,320千円増加、未払法人税等が9,788千円増加したこと等によるものであります。固定負債は1,469,252千円となり、前連結会計年度末に比べ767,474千円減少いたしました。これは主に長期借入金が724,428千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は1,859,897千円となり、前連結会計年度末に比べ785,953千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,916,009千円となり、前連結会計年度末に比べ70,516千円増加いたしました。

 この結果、自己資本比率は50.7%(前連結会計年度末41.1%)となりました。

 

③経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、建売住宅販売及び投資用不動産販売の増加により2,807,971千円(前連結会計年度は1,769,603千円)となりました。

 

(売上原価・売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、建売住宅販売及び投資用不動産販売の増加により2,185,497千円(前連結会計年度は1,295,278千円)となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は622,474千円(前連結会計年度は474,325千円)となりました。

(販売費及び一般管理費・営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は356,630千円(前連結会計年度は336,462千円)となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は265,844千円(前連結会計年度は137,862千円)となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は預り保証金精算益の計上により26,041千円(前連結会計年度は21,102千円)となりました。また、営業外費用は16,805千円(前連結会計年度は18,005千円)となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は275,080千円(前連結会計年度は140,959千円)となりました。

 

(特別損益・親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別損益の計上はありません。その結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は275,080千円(前連結会計年度は126,009千円)となりました。これに法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は182,660千円(前連結会計年度は84,242千円)となりました。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

 「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」をご覧下さい。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業は、景気変動、金利動向及び住宅税制やその他の税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利の上昇、税制変更等が発生した場合には、開発用地の価格が著しく変動したり、消費者の購買意欲の低下につながったりして、当社グループの経営成績等に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要の主なものは、投資用不動産の開発資金であります。資金調達については、物件ごとに借入条件を勘案し、金融機関から借入を行っております。

 今後も手許資金、自己資本比率、有利子負債依存度のバランスを考慮し、安定した財務体質の維持に努めてまいります。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針

 当社グループの事業は景気変動等に左右されやすく、業績の振幅が大きくなる傾向があります。それだけに中長期的な成長を確保していくためには利益重視・リスク軽減の姿勢の下に、経営基盤の強靭化、とりわけ厚みのある収益基盤の構築、多様な調達手段の確保、それらを支える人材の育成が不可欠と認識しております。そのため中期経営計画では、経営指標の目標を経常利益と売上高経常利益率に置き、ビジネスモデルの骨太化と商圏の拡大に努めるとともに、行動規範(フィロソフィ)の周知徹底を図ることで中核人材の育成に長期的に取り組むこととしています。

 

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