業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、以下のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態

a.資産

当社グループの当連結会計年度末における総資産は1,031,174百万円となり、前連結会計年度末と比較して151,261百万円増加しました。これは主として、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が合わせて128,976百万円増加したほか、現金及び預金が11,574百万円増加したこと等によるものであります。

 

b.負債

負債は635,472百万円となり、前連結会計年度末と比較して102,703百万円増加しました。これは主として、短期借入金、長期借入金(一年内返済予定の長期借入金を含む)及び社債(一年内償還予定の社債を含む)が合わせて71,783百万円増加したことに加えて営業未払金が10,370百万円、契約負債が8,901百万円増加したこと等によるものであります。

 

c.純資産

純資産は395,702百万円となり、前連結会計年度末と比較して48,558百万円増加しました。これは主として、利益剰余金が42,037百万円、為替換算調整勘定が10,893百万円増加したこと等によるものであります。

 

ロ.経営成績

当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は952,686百万円(前連結会計年度比17.5%増)、営業利益は119,358百万円(同18.1%増)、経常利益は121,166百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は77,884百万円(同11.9%増)となりました。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

 

(戸建関連事業)

戸建関連事業につきましては、売上高は516,554百万円(前連結会計年度比15.6%増)、営業利益は63,014百万円(同1.2%増)となりました。売上高については、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて広まった新しい生活様式のもと、自宅にワークスペース等を求める需要が継続していることにより販売が順調に推移し、2桁の増収となりました。営業利益については、資材価格高騰の影響を受け原価が上昇したこと等により、前連結会計年度と比べて利益率が低下し、売上高と比べて緩やかな増益となりました。

 

イ.仲介(オープンハウス)

2022年7月、神奈川県茅ヶ崎市に茅ヶ崎営業センター、兵庫県神戸市に六甲道営業センターを開設いたしました。これにより、東京都、神奈川県、愛知県、埼玉県、福岡県、千葉県、大阪府、兵庫県及び群馬県の9都府県において計66店舗の営業センターを通じて、販売力の強化に努めてまいりました。

 

ロ.戸建分譲(オープンハウス・ディベロップメント)

首都圏、名古屋圏、福岡圏及び関西圏の都心部において、新築一戸建住宅並びに土地分譲等を展開しております。都心部の戸建住宅に対する旺盛な需要を背景に、当連結会計年度の販売は順調に推移いたしました。

その結果、売上高は336,497百万円(前連結会計年度比14.4%増)となりました。

 

ハ.戸建分譲(ホーク・ワン)

首都圏及び名古屋圏において、新築一戸建住宅の分譲に注力しており、販売は順調に推移いたしました。

その結果、売上高は125,352百万円(前連結会計年度比19.0%増)となりました。

 

ニ.建築請負(オープンハウス・アーキテクト)

建売住宅を分譲する一般法人向け建築請負が順調に推移したことに加え、当社グループ内においても請負棟数を伸ばしてまいりました。

その結果、内部取引を含む売上高は67,495百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。

 

(マンション事業)

マンション事業につきましては、首都圏、名古屋圏、福岡圏の都心部において新築分譲マンションを展開しております。販売は順調に推移しているなか、第4四半期連結会計期間に集中していた物件の引き渡しも計画通り完了し、業績は好調に推移いたしました。

その結果、売上高は62,362百万円(前連結会計年度比33.6%増)、営業利益は10,654百万円(同63.7%増)となりました。

 

(収益不動産事業)

収益不動産事業につきましては、金融機関による投資家及び物件の選別が進むなか、当社グループが顧客とする事業法人、富裕層が投資対象とする賃貸マンション、オフィスビル等に対する需要は高く、販売は好調に推移いたしました。

その結果、売上高は154,104百万円(前連結会計年度比25.6%増)、営業利益は17,669百万円(同43.8%増)となりました。

 

(その他)

その他につきましては、資産分散を目的とするアメリカ不動産に対する投資需要が高く、販売は好調に推移いたしました。

その結果、売上高は74,330百万円(前連結会計年度比65.7%増)、営業利益は8,205百万円(同56.8%増)となりました。

 

(プレサンスコーポレーション)

プレサンスコーポレーションにつきましては、主要販売エリアの近畿圏、東海圏及び首都圏、沖縄圏を含む地方中核都市の中心部において、好立地の投資用及びファミリーマンションの販売に注力いたしました。

その結果、売上高は145,324百万円(当セグメントは、前第2四半期連結会計期間よりプレサンス社の連結子会社化に伴い新たに設けたため前連結会計年度比は記載しておりません。)、営業利益は20,727百万円(同)となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて11,574百万円増加し、346,080百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、16,353百万円(前連結会計年度は50,123百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が120,988百万円、仕入債務の増加額が13,833百万円であった一方、棚卸資産の増加額が116,798百万円、法人税等の支払額が36,969百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、4,367百万円(前連結会計年度は23,541百万円の獲得)となりました。これは主として、貸付金の回収による収入が5,166百万円あった一方、有形固定資産及び投資有価証券の取得による支出があわせて6,343百万円、敷金及び保証金の差入による支出が1,934百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、24,694百万円(前連結会計年度は40,588百万円の獲得)となりました。これは主として、自己株式の取得による支出が30,000百万円、配当金の支払額が15,648百万円あった一方、借入れによる収入、借入金の返済による支出の純収入が71,997百万円あったこと等によるものであります。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 

① 生産実績

当社グループの生産実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、生産実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

② 受注実績

当連結会計年度における建築請負の受注状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前連結会計年度比

増減率(%)

受注残高

(百万円)

前連結会計年度比

増減率(%)

戸建関連事業

78,533

4.0

58,575

10.8

プレサンスコーポレーション

142,146

90,503

5.9

 

(注) 1.上記以外のセグメントについては、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

販売実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメント別の業績にて示しております。

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、急激な円安の進行並びに世界的な物価の高騰を背景として、企業物価及び消費者物価ともに上昇するなか、個人消費、設備投資並びに雇用情勢においては持ち直す動きがみられております。また、ウッドショックにより建設コストが上昇するなかでも、住宅に対する需要は高水準で推移し、住宅建設は底堅い動きを見せております。加えて、企業収益は中小企業においては弱さがみられるものの、総じてみれば改善を示すなど、景気は緩やかに持ち直しております。

当社グループが属する不動産業界につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響等により弱含んでいた経済活動の正常化に伴う住宅並びに店舗等に対する需要の回復を受け、2022年の地価調査における基準地価の全国平均は住宅地、商業地ともに上昇に転じております。住宅地においては、都市中心部及び生活利便性に優れた地域の住宅需要が堅調であったほか、商業地においても個人消費の持ち直しの動きから、店舗並びにオフィス需要が堅調であったこと等によるものであります。

このような事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画「行こうぜ1兆!2023」(2021年9月期~2023年9月期)に掲げる経営目標の達成に向け、業務に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、主力事業である戸建関連事業及びマンション事業等の実需の不動産に加え、収益不動産事業及びアメリカ不動産事業等の投資用不動産も好調に推移したことにより業績は大幅に伸長いたしました。

 

ロ.経営成績の分析

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して142,146百万円増加の952,686百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。これは、戸建関連事業の売上高が69,594百万円増加して516,554百万円(同15.6%増)となったことに加えて、収益不動産事業が32,900百万円増加して155,961百万円(同26.7%増)となったこと等によるものであります。

 

b.売上原価、売上総利益

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して112,892百万円増加の768,117百万円(前連結会計年度比17.2%増)となり、売上総利益は29,253百万円増加の184,568百万円(同18.8%増)となりました。売上総利益率は、0.2ポイント上昇して19.4%(前連結会計年度は19.2%)となりました。これは、主としてマンション事業において販売が好調に推移したことにより、売上総利益率が、2.7ポイント上昇して26.3%(前連結会計年度は23.6%)となったこと等によるものであります。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して、10,998百万円増加して65,210百万円(前連結会計年度比20.3%増)となり、売上高販売費及び一般管理費率は0.1ポイント上昇の6.8%(前連結会計年度は6.7%)となりました。これは主として、事業拡大に伴う人員増加により人件費が4,170百万円増加して21,157百万円(前連結会計年度は16,987百万円)になったこと等により販売費及び一般管理費は増加しましたが、前連結会計年度と同程度の生産性を維持できたことにより、売上高販売費及び一般管理費率は概ね横ばいに推移したものであります。

営業利益は18,254百万円増加して119,358百万円(同18.1%増)となりました。なお、売上高営業利益率は、前連結会計年度と変わらず12.5%となりました。

 

 

d.営業外損益、経常利益

営業外収益は、前連結会計年度と比較して5,817百万円増加の8,291百万円(前連結会計年度比235.2%増)、営業外費用は、496百万円増加して6,482百万円(同8.3%増)となりました。これは、主として、円安の影響を受け、為替差益が4,631百万円増加の5,069百万円計上されたことによるものであります。

この結果、経常利益は、23,576百万円増加して121,166百万円(前連結会計年度比24.2%増)となりました。なお、売上高経常利益率は、0.7ポイント増加して12.7%(前連結会計年度は12.0%)となりました。

 

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、8,302百万円増加して77,884百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は、0.4ポイント低下して8.2%(前連結会計年度は8.6%)となりました。これは主として、前連結会計年度において、プレサンス社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益15,475百万円及び段階取得に係る差損11,095百万円を特別損益に計上しており、4,380百万円の利益が発生したことによるものであります。

 

② 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2020年11月中期経営計画「行こうぜ1兆!2023」(2020年10月~2023年9月)を策定いたしました。策定時に掲げた経営目標は、最終年度となる2023年9月期の売上高を8,000億円といたしましたが、当連結会計年度の好調な事業進捗を受け、3度の上方修正を経て3,000億円引き上げ、新たな経営目標として1兆1,000億円を設定しております。また、資本政策としては、当初よりROE20.0%、自己資本比率30.0%、配当性向20.0%以上を設定いたしました。なお、本中期経営計画の2年度目となる当連結会計年度の業績及び目標に対する達成状況は以下のとおりであります。

売上高は952,686百万円(当初目標710,000百万円、達成率134.2%)、営業利益は119,358百万円(同78,000百万円、153.0%)、ROEは24.7%(4.7ポイント超過)、自己資本比率は32.7%(2.7ポイント超過)、配当性向は20.6%(0.6ポイント超過)となり、全ての指標で超過達成いたしました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの主な資金需要は、各セグメントにおける事業用地、物件取得、建設資金、事業拡大のための投資資金並びに運転資金であります。それらの財源については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、自己資本、金融機関からの借入金並びに社債の発行による有利子負債等を充当することに加え、資金使途に応じた幅広い資金調達手段の確保に努めております。

 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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