業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進む等、感染防止策の効果により、年末にかけて徐々に経済活動への影響は緩和されたものの、年明け以降、新たな変異株による感染が再拡大し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの対策が講じられましたが、いまもなお、先行きが不透明な状況が続いております。

このような事業環境の中、当社グループは、お客様と従業員の安全・安心を第一優先とし、各支店及び各現場においても感染防止対策を徹底し、従業員が定期的に共用部の消毒を行うなど、全社一丸となって事業活動を続けてまいりました。さらに、経済産業省による「健康経営優良法人2022(中小規模法人)」に認定申請を行い、認定されましたことにより、従業員の健康と安全を経営的な視点で捉え、職場環境の保全を維持し、よりよい環境づくりを目指してまいります。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高は13,910百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,192百万円(前年同期比3.5%増)、経常利益は1,175百万円(前年同期比7.4%増)、売上高経常利益率は8.4%(前年同期7.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は755百万円(前年同期比0.6%減)となりました。

 

セグメントごとの販売状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

内容

不動産・建設事業

9,470,658

90.3

分譲土地販売、分譲住宅販売、売建分譲販売、

注文建築、リフォーム及び公共工事、不動産仲介、

保険代理業

(土地分譲334区画、分譲住宅販売163棟、売建分譲

 住宅45棟、注文住宅32棟、中古住宅販売44棟)

不動産賃貸事業

2,784,977

105.3

不動産賃貸経営、賃貸管理及び賃貸仲介

(自社物件1,917戸、管理物件14,481戸)

土地有効活用事業

1,219,025

143.2

資産運用提案型賃貸住宅販売及び建売賃貸住宅販売

(賃貸住宅販売23棟、賃貸中古住宅販売3棟)

ホテル事業

556,322

121.5

ビジネスホテル及び飲食店の運営

その他(注3)

62,758

93.6

連結子会社(興國不動産株式会社)等の事業活動

合計(注1)

14,093,743

97.1

セグメント間取引

△183,188

連結財務諸表の売上高

13,910,554

97.4

 

(注)1.セグメント間取引については含めて記載しております。

2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

3.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、連結子会社(興國不動産株式会社)等の事業活動を含んでおります。

 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

セグメント間取引については含めて記載しております。

(不動産・建設事業)

不動産・建設事業は、土地分譲334件、建物240件、中古住宅44件の販売を行いました。その結果、売上高は9,470百万円(前年同期比90.3%)、セグメント利益は413百万円(前年同期比75.4%)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業は、自社物件1,917戸、管理物件14,481戸を保有し、賃貸経営、賃貸管理及び賃貸仲介を行いました。その結果、売上高は2,784百万円(前年同期比105.3%)、セグメント利益は958百万円(前年同期比116.7%)となりました。

 

(土地有効活用事業)

土地有効活用事業は、賃貸住宅23件、賃貸中古住宅3件の販売を行いました。その結果、売上高は1,219百万円(前年同期比143.2%)、セグメント利益は136百万円(前年同期比138.1%)となりました。

 

(ホテル事業)

ホテル事業は、3箇所のビジネスホテル、3箇所の飲食店舗を運営しました。その結果、売上高は556百万円(前年同期比121.5%)、セグメント損失は8百万円(前年同期損失49百万円)となりました。

 

(その他)

その他事業は、連結子会社(興國不動産株式会社)において不動産仲介及び賃貸管理を行いました。その結果、売上高は62百万円(前年同期比93.6%)、セグメント利益は9百万円(前年同期比65.5%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、当連結会計年度末には3,916百万円となりました。

また、当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、1,602百万円の収入(前連結会計年度は2,363百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,164百万円、非資金取引である減価償却費419百万円、棚卸資産の減少額371百万円及び支払利息171百万円であります。主な減少要因は、法人税等の支払額351百万円、利息の支払額169百万円、前払金の増加額145百万円及び前受金の減少額102百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、446百万円の支出(前連結会計年度は877百万円の支出)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入420百万円であります。主な減少要因は、有形固定資産(主として賃貸用不動産)の取得による支出758百万円、定期預金の預入による支出101百万円及びその他の支出7百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、869百万円の支出(前連結会計年度は338百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入2,206百万円であります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2,138百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出470百万円、配当金の支払額280百万円及び社債の償還による支出100百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループが営む事業では、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における不動産・建設事業、土地有効活用事業セグメントの受注高及び受注残高は次のとおりであります。不動産賃貸事業及びホテル事業においては受注が存在していないため、記載しておりません。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

不動産・建設事業

9,026,324

98.4

3,436,968

80.6

土地有効活用事業

1,034,296

120.2

277,106

34.5

合計

10,060,621

100.3

3,714,075

73.3

 

(注)1.セグメント間取引については、含めて記載しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.アズマハウス株式会社に関連する受注高及び受注残高を記載しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の主要な相手先がいないため記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、13,910百万円(前年同期比2.6%減)となりました。

不動産・建設事業においての売上高は、9,470百万円(前年同期比9.7%減)となりました。経済社会への不透明感による消費マインドの低下や、価格競争の激化により前年を下回る売上となりました。

不動産賃貸事業においての売上高は、2,784百万円(前年同期比5.3%増)となりました。これは主に、当社グループが所有する自社物件の安定的な賃貸収入の増加によるものであります。

土地有効活用事業においての売上高は、1,219百万円(前年同期比43.2%増)となりました。これは主に、プラン、建築から入居者募集、賃貸管理までワンストップでご提供できる事業間・グループ間シナジー効果を活用したことによるものであります。

ホテル事業においての売上高は、556百万円(前年同期比21.5%増)となりました。感染症流行前の水準への回復には至りませんでしたが、これは主に、商品やサービスの見直し、品質向上、原価管理によるものであります。

その他においての売上高は、62百万円(前年同期比6.4%減)となりました。これは主に、不動産仲介手数料収入の減少によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は9,399百万円(前年同期比4.5%減)、売上総利益は4,511百万円(前年同期比1.5%増)となりました。売上高に対する売上総利益率は32.4%(前年同期は31.1%)となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費3,318百万円(前年同期比0.8%増)を受け、1,192百万円(前年同期比3.5%増)となり、前連結会計年度に比べ40百万円増加しました。売上高に対する営業利益率は8.6%(前年同期は8.1%)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、営業外収益163百万円(前年同期比20.1%増)と営業外費用180百万円(前年同期比7.0%減)を受け、1,175百万円(前年同期比7.4%増)となり、前連結会計年度に比べ81百万円増加しました。売上高に対する経常利益率は8.4%(前年同期は7.7%)であります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前当期純利益の減少に伴い399百万円(前年同期比14.0%増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は755百万円(前年同期比0.6%減)となり、前連結会計年度に比べ4百万円減少しました。

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ47百万円増加し、31,326百万円となりました。

流動資産については、前連結会計年度末に比べ432百万円減少し、10,519百万円となりました。これは主として、販売用不動産の減少359百万円、未成工事支出金の減少130百万円及びその他流動資産の増加81百万円を反映したものであります。

固定資産については、前連結会計年度末に比べ480百万円増加し、20,807百万円となりました。これは主として、土地の増加558百万円、建物及び構築物(純額)の増加77百万円、投資有価証券の増加46百万円及び建設仮勘定の減少141百万円を反映したものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ14百万円増加し、15,525百万円となりました。

流動負債については、前連結会計年度末に比べ101百万円増加し、5,011百万円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金の増加171百万円、1年内償還予定の社債の減少100百万円、短期借入金の減少74百万円、工事未払金の増加71百万円、未払法人税等の増加41百万円及びその他流動負債の減少19百万円を反映したものであります。

固定負債については、前連結会計年度末に比べ86百万円減少し、10,514百万円となりました。これは主として、長期借入金の減少123百万円及びその他固定負債の増加37百万円を反映したものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ32百万円増加し、15,800百万円となりました。これは主として利益剰余金の増加461百万円、非支配株主持分の減少467百万円及びその他有価証券評価差額金の増加32百万円を反映したものであります。自己資本比率は50.4%(前連結会計年度末は48.9%)となりました。

 

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因 

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度中におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の仕入のほか、工事費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、賃貸用不動産等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、投資資金や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 

 

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、業績予想に比べて経常利益は上回りましたが、売上高、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は若干下回る結果となりました。

なお、経営指標としております、売上高経常利益率については、目標としております8%以上に対して8.4%、自己資本比率については、目標40%以上に対して50.4%とともに上回る結果となりました。

当連結会計年度の業績予想及び実績は以下のとおりであります。

 

指標

2022年3月

(予想)

2022年3月

(実績)

2022年3月

(増減比)

売上高

14,300,000

千円

13,910,554

千円

389,445

千円減

(2.7%減)

営業利益

1,210,000

千円

1,192,264

千円

17,735

千円減

(1.5%減)

経常利益

1,130,000

千円

1,175,380

千円

45,380

千円増

(4.0%増)

親会社株主に帰属する

当期純利益

778,000

千円

755,918

千円

22,081

千円減

(2.8%減)

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容や変動により経営成績に生じる影響など、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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