業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行による社会経済活動の制限が続いておりましたが、新規感染者数の減少等により規制緩和の動きが活発化し、経済活動の持ち直しが期待されております。一方で、不安定な世界情勢に加えて燃料や原材料費の高騰が広がっており、先行きは不透明な状況が続いております。

 当社が属する中古住宅流通市場におきましては、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、首都圏の中古マンションの2022年3月度の成約件数は3,405件(前年同月比19.5%減少)となり、3ヶ月連続で前年同月を下回りました。価格面については、2022年3月度の成約㎡単価は前年同月比10.8%上昇となり23ヶ月連続、成約価格は前年同月比8.4%上昇となり22ヶ月連続で前年同月を上回りました。また、市場に流通する在庫件数は徐々に回復しているものの、いまだ品薄感がある状況が続いております。

 このような市場環境の下、当社の仕入活動につきましては、当事業年度における仕入件数が前事業年度の803件から995件(前事業年度比23.9%増)に増加しております。

 販売活動につきましては、第4四半期において、給湯器を始めとする建設資材の供給不足により商品化の遅れが一部で見られたものの、当事業年度における販売件数は、前事業年度の862件から925件(前事業年度比7.3%増)となりました。また、居住用物件のほか収益用一棟マンション7棟等を販売いたしました。

 利益面につきましては、物件価格の上昇に伴い利益率が向上し、売上総利益率は前事業年度の17.3%から20.9%となりました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は23,352百万円(前事業年度比15.2%増)、営業利益は2,568百万円(同74.4%増)、経常利益は2,346百万円(同75.7%増)、当期純利益は1,619百万円(同73.3%増)となりました。

 事業別の状況は次のとおりであります。

<中古住宅再生事業>

 中古住宅再生事業におきましては、居住用物件の販売による売上が20,773百万円、収益用一棟マンションを含む収益用物件の販売による売上が2,088百万円となり、物件販売による売上高は22,861百万円となりました。また、収益用物件の保有期間中の賃貸収入が198百万円となりました。その結果、当事業年度における中古住宅再生事業の売上高は23,121百万円(前事業年度比15.2%増)となりました。

<その他不動産事業>

 その他不動産事業におきましては、賃貸用不動産の取得が進んだことにより賃貸収入が増加した結果、当事業年度におけるその他不動産事業の売上高は231百万円(前事業年度比12.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べて44百万円減少し、5,020百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の営業活動の結果、使用した資金は1,284百万円(前年同期は2,749百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が2,344百万円、支払利息が149百万円であった一方で、棚卸資産が3,233百万円増加し、利息を152百万円、法人税等を413百万円支出したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の投資活動の結果、使用した資金は434百万円(前年同期は1,746百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により270百万円、関係会社株式の取得により87百万円を支出したことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の財務活動の結果、獲得した資金は1,674百万円(前年同期は905百万円の獲得)となりました。これは主に、新規の短期借入17,003百万円、長期借入3,982百万円を実行した一方で、短期借入金15,952百万円、長期借入金1,796百万円を返済し、社債の償還により1,020百万円を支出したことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 当事業年度の仕入実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比

(%)

仕入件数

仕入高

(千円)

中古住宅再生事業

居住用物件

995

8,984,755

△14.6

収益用物件

8

2,559,869

74.9

小計

1,003

11,544,625

△3.7

その他不動産事業

合計

1,003

11,544,625

△3.7

(注)販売用不動産の仕入実態を明確にするため、上記仕入高には販売用不動産本体価格を記載し、リフォーム資材を含む仕入に係る付随費用等は除いております。

 

c.受注実績

 当社は受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当事業年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比

(%)

販売件数

売上高

(千円)

中古住宅再生事業

居住用物件

925

20,773,081

17.7

収益用物件

15

2,088,887

△4.0

その他収入

259,140

21.0

小計

940

23,121,109

15.2

その他不動産事業

231,337

12.1

合計

940

23,352,446

15.2

(注)1.販売実績を明確に表示するため、中古住宅再生事業の売上高は、居住用物件、収益用物件及びその他収入を区分して表示しております。なお、その他収入は短期賃料収入、固定資産税及び都市計画税精算金による売上であります。

2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

 当事業年度末における総資産は、24,435百万円となり、前事業年度末の20,558百万円から3,876百万円の増加となりました。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、21,653百万円となり、前事業年度末の17,561百万円から4,092百万円の増加となりました。これは主に、販売用不動産が1,581百万円、仕掛販売用不動産が2,209百万円増加したことによります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は、2,781百万円となり、前事業年度末の2,997百万円から215百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産が356百万円減少したことによります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、8,847百万円となり、前事業年度末の8,288百万円から558百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金が1,050百万円、未払法人税等が368百万円増加した一方で、1年内償還予定の社債が1,020百万円減少したことによります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、6,361百万円となり、前事業年度末の4,167百万円から2,193百万円の増加となりました。これは主に、長期借入金が2,173百万円増加したことによります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、9,226百万円となり、前事業年度末の8,101百万円から1,125百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が1,277百万円増加したことによります。

 

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、23,352百万円となり、前事業年度の20,269百万円から3,083百万円の増加(前事業年度比15.2%増)となりました。その主な要因は、居住用物件の販売による売上が3,124百万円増加したことによります。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、18,477百万円となり、前事業年度の16,764百万円から1,712百万円の増加(前事業年度比10.2%増)となりました。その主な要因は、売上高の増加に伴うものであります。

 以上の結果により、当事業年度の売上総利益は、4,875百万円(前事業年度比39.1%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,307百万円となり、前事業年度の2,031百万円から275百万円の増加(前事業年度比13.6%増)となりました。その主な要因は、売上高の増加に伴う仲介手数料の増加や賞与の計上により人件費が増加したことによります。

 以上の結果により、当事業年度の営業利益は、2,568百万円(前事業年度比74.4%増)となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は、受取配当金及び契約収入等の計上により、21百万円となりました。また、当事業年度の営業外費用は、支払利息等の計上により、243百万円となりました。

 以上の結果により、当事業年度の経常利益は、2,346百万円(前事業年度比75.7%増)となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、1,619百万円となり、前事業年度の934百万円から685百万円の増加(前事業年度比73.3%増)となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金需要)

 当社の資金需要は、主として販売用不動産の仕入のための仕入資金があります。また、設備資金としては賃貸用不動産の設備投資があります。

(財務政策)

 販売用不動産の仕入資金は、主に物件毎に短期借入金で調達しておりますが、機動的かつ効率的に調達するため、各金融機関と当座貸越やコミットメントラインによる極度額の設定を進めております。

 設備資金につきましては、融資条件等を慎重に比較検討のうえ、案件毎に借入先金融機関を決定しております。賃貸用不動産購入資金は、原則として長期借入金または社債(私募債)で調達しております。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗情報

 当社は財務健全性と資本効率性を重視し、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)等の指標の維持・向上を図っております。当事業年度におきましては、自己資本比率は前事業年度の39.2%から37.6%、ROEは前事業年度の12.1%から18.8%と前事業年度の水準を維持しております。

 また、2021年5月10日に発表した新中期経営計画では、2022年3月期から2024年3月期までの3か年における自己資本比率を30%以上、ROEを12%以上とすることを目標にしております。翌事業年度も引き続き自己資本比率及びROEの向上に努めてまいります。

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