事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の変動要因及び特定の販売先への依存度についてのリスク

 当社グループは半導体、電子部品、EMSを主として販売・提供をしており、経営成績は市場の需給変動の影響を受ける可能性があります。

 当社グループの主要な販売先として、㈱アイシン等がありますが、これらの販売先への依存度が高いため、当社グループの経営成績及び財政状態は、その販売先の業績動向、また購買方針の変化において影響を受ける可能性があります。特に、自動車部品メーカーである㈱アイシンをはじめとする自動車分野向け売上高については、自動車関連市場の動向の影響を受ける可能性があります。

 尚、当社グループの2022年5月期の㈱アイシングループへの売上高はグループ連結売上高の33.0%であります。

 

(2)特定の仕入先への依存度についてのリスク

 当社グループの主要な仕入先として、㈱東芝グループがあります。当社は東芝デバイス&ストレージ㈱と東芝ビジネスパートナー特約店基本契約を締結しており、取引開始以降、長年にわたり緊密な関係を維持しております。ただし、㈱東芝の事業戦略、製品開発動向並びに代理店への政策変更などにより、当社グループの得意先ニーズとの乖離が発生した場合、また当社グループに係る商流に変化が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(3)自然災害によるリスク

 当社の本社及び物流拠点は東海地区に集中しております。そのため同地区での大規模地震や台風などの自然災害により、これらの施設に甚だしい被害が発生した場合は、当社グループの営業活動や物流活動等に支障を与え、事業運営に障害や遅延をきたす可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。
 また当社グループのその他の事業拠点(海外拠点を含む)におきましても、自然災害により甚大な被害が発生した場合には、営業活動や物流活動等に支障を与え、事業運営への障害や遅延、また生産工場などの操業に影響をきたす可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(4)海外活動に潜在するリスク

 当社グループは国内だけでなくアジアを中心とした海外にも事業を展開しております。そのため海外各国における政治的、社会的、経済的な情勢並びに法律や規制などの変化により、当社グループの流通、販売、操業活動に支障をきたす影響が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 尚、当社グループの2022年5月期の海外事業部門の売上高はグループ連結売上高の32.4%であります。

 

(5)経済状況や通商環境についてのリスク

 当社グループの業績において半導体、電子部品、EMSなどの商品とサービスは、当社グループが販売している地域や各国の経済状況や通商関係、市場動向の影響を受ける可能性があります。また、資源、原材料価格の大きな変動、景気の変動に伴う需要の縮小などのネガティブな変化、市場の急激な需要増加や通商構造などの変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)技術・価格競争及び競合についてのリスク

 当社グループが取り扱う半導体、電子部品、EMSなどの商品とサービスの市場は競争が激しく、技術革新や顧客ニーズの変化にあわせ、国内外の多くの商社、製造業者と競合しております。将来当社グループとして市場ニーズに適した商材や技術の提供、また新規参入業者の増加や価格競争に対し対抗ができない場合は、販売規模の縮小並びに売上高と利益の低下を引き起こすリスクがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

 

(7)債権の貸倒れについてのリスク

 当社グループは債権の貸倒れによる損失に備え、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等、特定の債権については個別の回収可能性の検討により、回収不能見込額を設定し貸倒引当金として計上しております。債務者の状況の変化によって、貸倒引当金の積み増しをした場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)為替相場の変動についてのリスク

 当社グループの事業には、海外における商材の販売や生産が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含めた現地通貨建ての項目は、連結財務諸表上日本円に換算されておりますが、米ドル及び各現地通貨の為替相場の変動により日本円換算後の数値に影響を受ける可能性があります。当社グループは為替相場の変動によるリスクを資金調達手段の多様化等により最小限に止める努力をしておりますが、影響をすべて排除することは不可能であり、急激な為替相場の変動により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(9)保有資産の価値下落リスク

 当社グループの保有資産につき実質的価値の低下等が発生した場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)在庫保有によるリスク

 当社グループは、半導体や電子部品メーカーの生産品目の変化などによる生産終了品の顧客への供給や、災害時における事業継続在庫など、販売先、仕入先の協力を得ながら随時適切な在庫保有を図っておりますが、販売先の急激な生産活動の縮小や、受注が需要の予測を大幅に下回った場合などには在庫が増加、また滞留をする可能性があり、滞留在庫となり在庫評価損を計上した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(11)商品の品質等に関するリスク

 当社グループが取り扱う商品について、仕入先などとの連携により、品質や信頼性の維持、向上に努めておりますが、不測の事態により商品の品質に重大な瑕疵や不備が発生し、商品の不具合により、補償、訴訟、法的請求、損害責任、罰金などを求められ、当社グループにおいてこれらの問題解決に対する多額の費用が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(12)契約管理などに関するリスク

 当社グループは、国内外の取引先との間で各種の契約書などの取り交わし行っております。これらにおいて、契約内容の解釈齟齬等により補償等を求められることとなり、当社グループにおいて問題解決に要する費用が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

 

(13)情報システムと情報管理に関するリスク

 当社グループは、基幹事業の業務において、サービスの向上や事業運営の効率化を目的とし、システム化を推進しております。これらのシステムは適宜、改修や変更を行っており、運用管理には万全を期しておりますが、甚大な災害での予期しないトラブルや、サイバー攻撃等においてシステム復旧に時間を要する場合、また不正なアクセス等により情報が漏洩し、当社グループの社会的な信用低下が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(14)人材確保に関するリスク

 当社グループは、事業の継続と発展において、優秀な従業員の雇用確保が重要であると認識しております。経営理念において、従業員を会社の宝であり財産としており、人材の採用および育成を図っておりますが、必要な人材が確保できない場合、想定を超え人材が流出した場合、事業遂行および計画の実施に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(15)コーポレート・ガバナンスに関するリスク

 当社グループは、各種社内規程を設けることとあわせ、従業員に対するコンプライアンスの周知徹底を図っておりますが、不正や機密情報の漏洩などにより、当社グループの信用が低下、棄損した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

(16)新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク

 当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の変異株による再拡大の懸念は継続しております。当社グループは従業員やステークホルダー各位の安全を優先し、衛生管理やテレワークなどによる感染防止の対策を継続で実施しております。しかしながら、今後の感染症の再拡大などにより、各国政府等による外出禁止や操業停止の命令などが発生した場合、当社グループや、取引先にも影響を及ぼすこともあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を受ける可能性があります。

 

 尚、当社のリスク管理の体制は、倫理・コンプライアンス委員会のもとに、リスク管理委員会、情報管理・セキュリティ委員会、SOX委員会を設置、系統化しており、委員会にてリスク管理の基本方針の確立、またリスクの抽出、検討、評価、把握を行い、経営会議及び取締役会での報告を通じ認識の共有化を適宜図るとともに、課題と対応策について検討を行い、適切に管理・統制を行い、リスクの顕在化を可能な限り防止し、影響を最小限にとどめるなど、リスクマネジメント体制の強化に引き続き努めてまいります。

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