事業等のリスク

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<直営店舗事業について>

①新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業リスクについて

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、国や都道府県から緊急事態宣言の発令及び休業要請が出されるなどを受け、当社グループの直営店舗において稼働率が大きく下がった場合には、売上高やロイヤリティの減少などが想定されます。今後、同感染症の収束時期によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②競争の激化について

 複合カフェ業界は業態の発展と認知度向上に伴い、新規参入企業の出店が増え市場規模が拡大してきましたが、一部地域では店舗の撤退・業態転換等によって店舗数が減少しております。当社グループは、今後も出店を推進して参りますが、地域によっては競合店との競争の激化による業績の低下や低迷により、店舗の撤退や移転を選択する場合があります。このような場合、それに伴い発生する費用や減収は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③人材の確保及び育成について

 当社グループの運営する複合カフェは、24時間年中無休にて営業しております。このためアルバイトスタッフを中心として運営する時間帯があり、昨今の労働人口の減少もあいまって、従業員の確保に従前よりコストが生じております。定期的・計画的に従業員の募集を行っておりますが、店舗によっては、優秀な人材の確保ができない場合、充分な接客サービスに影響を与える可能性があります。従業員のサービスレベルの向上に向けた教育体制を構築し、レベルの確保に努める一方、システム開発を行い、セルフ化システムによる効率的な運営ができる設備を導入しております。

④著作権について

 当事業の店舗において、顧客サービスの一部として設置・提供しているコンピュータにインストールされたソフトウェア等については、著作権法でその権利が保護されております。このため、当社グループが使用しているこれらのソフトウェアは、著作権者から業務用としての利用の許諾を受けたものだけを使用しております。

 また、同じく店舗にて提供しております、漫画や雑誌等につきましても、著作権法上の著作物に該当いたしますが、当事業におけるこれらの提供は、同一店内での利用に限られており、現時点では貸与行為にあたらないと解釈されております。しかしながら、今後の法改正や著作権者側との何れかの取り決めが行われますと、業務利用が出来なくなる他、許諾料等の支払いが必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑤インターネットを利用した犯罪等について

 当社グループの店舗において、顧客サービスの一部として提供しているインターネットは、情報収集やコミュニケーションのツールとして非常に優れた側面がある一方で、匿名性が高いことを利用しての、詐欺行為、個人・社会に対する誹謗中傷、迷惑メール等の行為が犯罪や不法行為として社会問題となることが見受けられます。当社グループでは、インターネットサービスを提供する店舗を利用する顧客全員について身分を確認のうえ会員登録を行うこととしており、会員のみインターネットの利用が出来るようにしております。また、業界団体である日本複合カフェ協会を通じて、都道府県警察等との情報交換を行い、これらの犯罪抑制に努めております。

⑥会員の個人情報の管理について

 当社グループは運営する店舗において、顧客に対して会員登録を行っており、会員の個人情報を保有しております。また、これらの個人情報と会員番号が連動したデータベースを構築し、当社の本社サーバーにて管理しておりますが、関連する部署の社員は、随時これらの情報を閲覧することが可能となっております。このため、当社は、情報管理に関する規程を設け、最低限の社員のみが個人情報にアクセス可能な体制とセキュリティシステムを導入し、関連する部署の社員に対して情報の秘密保持を義務付けるなど、保有する個人情報が外部に漏洩しないよう管理体制の整備に努めております。しかしながら、不測の事態により当社が保有する個人情報が外部に漏洩した場合は、信用低下による売上減少や損害賠償費用等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑦店舗物件の契約に関し、敷金等が返却されないリスクについて

 当社グループの直営店舗の出店は、店舗用物件の賃借により行うことを基本としており、賃貸借契約の締結時に賃貸人に対して敷金を差し入れております。当該敷金は、基本的には契約の終了をもって当社に返還されることになっておりますが、貸主の経済的破綻等によりその一部または全額について回収が出来なくなる可能性があります。また借主である当社側の理由によって契約の中途解約をする場合は、契約内容に従って敷金返還請求権の放棄や違約金の支払いが必要となる場合があります。

 一方で、更地に建物の建築を依頼し賃借を行う場合、建築費の一部を貸主に対し建設協力金として貸し付け、契約期間内に賃料との相殺で当社に返済される契約を締結する場合があります。当該建設協力金も敷金と同様に回収が困難となる場合、もしくは返還請求権の放棄が必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

<法的規制について>

 当社グループは各事業において下記の各法令による規制を受けており、それぞれ許可を得て営業しております。それぞれの法令を遵守するための体制を構築し、業務に従事する社員全員に周知徹底を図り、コンプライアンスの観点から精度の向上に努めておりますが、これらの法改正等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

①食品衛生法

②風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

③各都道府県の条例等

④個人情報保護法

⑤児童福祉法

⑥旅館業法

 

<継続企業の前提に関する重要事象等について>

 当社グループは、主力事業である複合カフェ「自遊空間」店舗運営事業における効率的な運営体制の強化と収益力の向上を図るとともに、購買外販及びシステム外販事業の販路拡大や新規事業の企画・開発、また、子会社が運営する福祉事業の健全な運営等に積極的に取り組んで参りました。

 新型コロナウイルス感染症による影響が拡大する中、店舗来店客数が減少したことを主な要因として当社業績は売上高、営業利益ともに大きく減少し、3期連続で営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。直近においても、変異株による感染再拡大やライフスタイルの変化など、厳しい経営環境が続いております。当連結会計年度においては、営業損失634百万円、経常損失588百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失682百万円となっておりますが、第三者割当増資等により、債務超過は解消されております。

 以上により、当社グループの事業運営は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループでは、当該状況を解消すべく、以下の対応策を実行して参ります。

 ①資金の確保

 株式会社AOKIホールディングス(以下、「AOKIホールディングス」といいます。)との資本業務提携及び第三者割当増資により、当面の運転資金は確保されておりますが、主要取引金融機関の交渉、不動産売却、その他資産売却による資金の確保を継続的に行っていくほか、政府による緊急経済対策に基づく制度の利用、各種助成金の利用等についても引き続き協議して参ります。

 ②収益増

 店舗運営事業においては、コロナ禍以前の売上規模に比べて8割程度の売上高に持ち直すことで収益が見込めるよう収益構造の適正化を図るとともに、AOKIホールディングスのグループ会社である株式会社快活フロンティアが運営する店舗とのノウハウの共有、店舗備品の共同仕入れ等により運営コストの見直しを引き続き図って参ります。

 外販事業においては、AOKIホールディングスのグループ会社の運営する店舗へのセルフ化システム等の導入を進めるほか、テレワークやサテライトオフィス環境の提供及び当社の複合カフェブースの開発、運用のノウハウを活かしたセルフ化システム各種を、今後リアルロケーション店舗運営の大きな課題と想定される人材不足に対応するシステムとして、同業他社だけでなく、店舗運営をする様々な業態へ提案、販売強化を進めて参ります。

 別途、新規事業として、バーチャルタレントの支援プラットフォーム「FanPicks」の登録者数及び利用者数の拡大等に注力して参ります。

 ③コスト削減

 直営店舗の家賃減額、変動費の見直し等を実施し、全社的にかかるコストを再度見直し、販管費の削減を行って参ります。また、運営体制の効率化によるコスト圧縮を引き続き行います。

 これらの施策の実施により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在するものの、重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

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