(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ウクライナ紛争や急速な円安による日本経済への影響も避けられない状況となり、景気の先行きは不透明感が拡がり、個人消費も厳しい状況となりました。
当社が属するパソコン市場においても、非常に厳しい環境となっております。リモートワーク等拡大及び「GIGAスクール構想」に伴う反動減によりパソコン需要は軟調に推移し、電子情報技術産業協会(JEITA)の発表によると当事業年度累計期間(2021年4月~2022年3月)の出荷台数は前期比40.7%減少、出荷金額は前期比21.3%減少と市場全体では大きく前年を下回っております。
このような状況下、当社は「三位一致」の企業理念のもと、「お客様の感動」「会社の成長」「社員の成長」を目指して取り組んでおります。
パソコン事業においては市場同様に厳しく推移しましたが、顧客ニーズの更なる深耕により、専門店としての積極的施策を進めて参りました。まずeスポーツ市場拡大の中、ゲーミングPCの販売が好調に推移しました。PC本体の売上高全体に占めるゲーミングPCの構成比は前年同期の26.4%から当事業年度は37.2%まで上昇しております。平均単価も89,735円から102,134円と13.8%上昇しました。さらには人気ユーチューバーが監修した当社オリジナルゲーミングPC(AEGISZ)の発売がSNS等で話題となり、コンテンツに合わせたPC性能を選べる品揃えを店舗にて提案しております。またデバイス関連も専門店ならではの幅広い商品展開及び実際に体感できる取り組みにより、大きく販売増加につながりました。
その他、パソコンご購入時に顧客ニーズに合わせたサポート事業(初期設定やデータ移行等)は、販売数量の50%超にご利用戴いております。また、HDDをSSDへ換装する「PC復活再生パック」、ご自宅訪問によるPC環境改善(無線LANを設置・設定等)の出張サポート等、様々なメニューの拡充により収益増加につながりました。このサポート事業が業績に貢献しております。
以上の結果、パソコン事業全体の売上高は5,907,616千円(前期比6.9%減)となりました。
バイク事業においては、コロナ禍における密にならない移動手段や趣味として人気が上昇しております。ヘルメットやジャケットの試着販売、オイルやケミカル用品等の専門店ニーズは一定数ありますが、通信販売へのシフトが進んだ影響で店頭販売は減少しました。
以上の結果、バイク事業全体の売上高は330,405千円(前期比9.6%減)となりました。
インターネット通信販売事業においては、バイク用品の販売が好調に推移しました。ヘルメットやジャケットの主力カテゴリに加えて、取り扱いアイテムを大幅に増加したことにより、通販におけるバイク用品の売上高は前期比82.0%増となりました。引き続き強化・推進に取り組んでまいります。
また、インテリア用品・家具等の雑貨アイテムの取り扱いを新たに開始し、販売も好調に推移しております。
以上の結果、インターネット通信販売事業全体の売上高は3,350,084千円(前期比20.1%増)となりました。
その他、不動産賃貸収入の売上高は26,540千円(前期比55.5%増)となりました。
経費につきましては、インターネット通信販売事業の売上増加に伴い荷造運賃費及び支払手数料が増加しておりますが、それに見合う売上高の増加が図られております。
以上の結果、当事業年度の業績については、売上高9,614,645千円(前期比1.0%増)、経常利益510,774千円(前期比4.2%増)、当期純利益346,213千円(前期比5.3%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する当事業年度における影響は軽微でありますが、今後、感染状況の悪化により臨時休業や営業時間の短縮等が余儀なくされた場合には、売上高が減少して業績に大きな影響が出る可能性があります。その他、サプライチェーンに影響が出た場合、当社の想定通りに商品調達ができなくなることで売上高が減少する可能性もあります。
当社の報告セグメントは、パソコンを中心とした小売業の割合が高く、小売業以外の事業に関しては重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、品目別の業績を示すと次のとおりであります。
(パソコン本体系商品)
パソコン本体におきましては、前期のコロナ特需の反動減により市場全体が落ち込む中、eスポーツ市場の拡大によりゲーミングPCの販売が増加しました。人気ユーチューバーが監修した当社オリジナルのゲーミングPCを投入するなど、SNSを中心に話題となり、ゲーミングPCの販売増加に大きく貢献しました。
しかし、前期好調だったノートPCの販売減少をカバーするには至らず、売上高は前期を超えることができませんでした。
以上の結果、パソコン本体系商品分野の売上高は1,937,746千円(前年同期比5.3%減)となりました。
(周辺機器)
周辺機器におきましては、前期にコロナ禍でニーズが高かったネットワーク機器やHDD・SSD等の記憶装置が反動減で販売減少に転じました。加えて半導体不足によるメーカーからの商品調達が不安定であった影響もあり、売上高を伸ばすことができませんでした。
以上の結果、周辺機器分野の売上高は1,069,133千円(前年同期比8.1%減)となりました。
(DOS/Vパーツ)
DOS/Vパーツにおきましては、ゲーミングPCの人気が高まったことで自作ユーザーが増加して販売は堅調であったものの、マイニングブームの再熱等によりグラフィックボードの販売が好調だった前期の反動減をカバーするには至りませんでした。
以上の結果、DOS/Vパーツ分野の売上高は1,519,333千円(前年同期比8.0%減)となりました。
(ソフト・サプライ)
サプライの分野におきましては、ゲーミングPCの人気に合わせてゲーミングPC向けのキーボードやマウス、チェア等のデバイスが好調に推移しました。半面、リモートワークやSNSの普及により、資料作成やプリント配布の機会が減った影響でインクや用紙等の消耗品の販売が減少しました。
以上の結果、ソフト・サプライ分野の売上高は862,870千円(前年同期比14.4%減)となりました。
(バイク関連用品)
バイク関連用品の分野につきましては、コロナ禍により密にならない交通手段としてバイクの利用が増加したこともあり、ヘルメット・ジャケット・グローブ等の基幹となるカテゴリの販売が好調に推移しましたが、お客様の購入方法が店頭購入から通販購入へシフトした影響により、売上高は減少しました。
以上の結果、バイク関連用品分野の売上高は330,405千円(前年同期比9.6%減)となりました。
(通信販売)
通信販売の分野におきましては、バイク用品のニーズの高まりを受けて出品アイテムを増やすことで対応し、売上高が大幅に増加しました。メインカテゴリであるヘルメットやジャケットはもちろん、アウトドア人気の相乗効果もあり大型タンクバック等のキャンピング用品も好調でした。その他、家具・インテリアの取り扱いにも注力し、新規カテゴリの売上が上積みされました。
以上の結果、通信販売の売上高は3,350,084千円(前年同期比20.1%増)となりました。
(サービス&サポート)
サービス&サポートの分野におきましては、パソコンの販売台数が減少したことで依頼件数も減少しておりますが、パソコン本体販売に対するサポート添付率を向上させることで、依頼件数の落ち込みをできる限り軽減するように努めてまいりました。その他、お客様のご自宅までお伺いして設置・設定を行う出張サービスを強化し、収益向上だけでなく、お客様の満足度も高められるサービスの提供に注力してまいりました。
以上の結果、サービス&サポート分野の売上高は455,446千円(前年同期比6.3%減)となりました。
(賃貸収入)
賃貸不動産物件を保有しており、賃貸収入を得ております。売上高は26,540千円(前年同期比55.5%増)となりました。
(その他)
その他には、法人向けにコピー機の販売等を実施しております。売上高は63,086千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ454,939千円減少し、1,173,620千円(前年同期比27.9%減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、65,345千円の支出超過(前年同期は928,341千円の収入超過)となりました。その主たる要因は、税引前当期純利益506,815千円を計上し、売上債権が187,172千円、棚卸資産が343,630千円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、111,943千円の支出超過(前年同期は1,832千円の支出超過)となりました。その主たる要因は、投資有価証券取得による支出49,954千円、有形固定資産の取得による支出43,928千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、277,705千円の支出超過(前年同期は246,653千円の支出超過)となりました。これは、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出612,274千円、配当金の支払額65,431千円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、情報機器店頭小売販売事業を営んでいるため、生産状況及び受注状況は記載しておりません。
また、当社の報告セグメントは、パソコンを中心とした小売業の割合が高く、小売業以外の事業に関しては重要性が乏しいため、セグメント別の記載は行っておりません。参考情報として、品目別商品仕入実績、品目別販売実績及び地域別販売実績を記載しております。
a.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績を「品目別」に示すと、次のとおりであります。
品目別 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
パソコン本体系商品 |
1,885,108 |
86.5 |
周辺機器 |
1,252,430 |
85.1 |
DOS/Vパーツ |
2,017,666 |
126.4 |
ソフト・サプライ |
793,009 |
97.2 |
バイク関連商品 |
1,526,511 |
171.4 |
サービス&サポート |
65,188 |
89.0 |
合計 |
7,539,915 |
107.3 |
(注)1.金額は、仕入価額によるものです。
2.記載金額は、千円未満を切り捨てて表示しております。
b.販売実績
① 当事業年度の販売実績を「品目別」に示すと、次のとおりであります。
品目別 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
パソコン本体系商品 |
1,937,746 |
94.7 |
周辺機器 |
1,069,133 |
91.9 |
DOS/Vパーツ |
1,519,333 |
92.0 |
ソフト・サプライ |
862,870 |
85.6 |
バイク関連商品 |
330,405 |
90.4 |
通信販売 |
3,350,084 |
120.1 |
サービス&サポート |
455,446 |
93.7 |
賃貸収入 |
26,540 |
155.5 |
その他 |
63,086 |
- |
合計 |
9,614,645 |
101.0 |
(注)記載金額は、千円未満を切り捨てて表示しております。
② 当事業年度の販売実績を「地域別」に示すと、次のとおりであります。
地域別 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
店舗数 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
東北 |
1 |
267,887 |
83.8 |
関東 |
3 |
1,057,069 |
111.8 |
東海東部 |
3 |
775,155 |
84.2 |
東海中部 |
6 |
1,382,193 |
92.9 |
東海西部 |
5 |
1,516,903 |
89.7 |
北陸 |
3 |
1,030,032 |
92.4 |
西日本 |
1 |
235,320 |
94.5 |
通信販売 |
- |
3,350,084 |
120.1 |
合計 |
22 |
9,614,645 |
101.0 |
(注)記載金額は、千円未満を切り捨てて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日現在における資産・負債並びに会計期間における収益・費用に影響を与える事象に対し、当社の確かな見込み及び合理的な一定の前提による判断によって見積り及び仮定を行っている部分があります。これらの見積り及び仮定については、継続して評価を行っており、また必要に応じて見直しを行っておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお,新型コロナウイルス感染症は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の感染推移や収束時期等を予想することは極めて困難なことではありますが、政府の発表やそれに伴う報道等の様々な情報源に基づき、2023年3月期の一定期間にかけて経済活動が正常化していくとの仮定に基づき、棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当社への業績影響は軽微であり、今後の影響も限定的と考えております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ258,384千円増加し、5,373,798千円となりました。
その主たる要因は、売掛金が176,910千円、商品が343,430千円それぞれ増加し、現金及び預金が454,939千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
負債については、前事業年度末に比べ66,357千円増加し、2,944,280千円となりました。
その主たる要因は、買掛金が149,447千円、契約負債が265,717千円それぞれ増加し、未払法人税等が56,086千円、長期借入金が212,274千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産については、前事業年度末に比べ192,026千円増加して2,429,517千円となりました。自己資本比率は、前事業年度末43.7%から当事業年度末45.2%となりました。
なお、1株当たり純資産額は1,670円91銭となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は9,614,645千円となり、前年同期比1.0%増となりました。
その主たる要因は、通信販売の売上増加によるものです。
(売上総利益)
売上総利益は2,418,161千円となり、前年同期比8.0%増となりました。
その主たる要因は、売上高の増加と売上総利益率の向上によるものです。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は1,912,829千円となり、前年同期比9.1%増となりました。なお、対売上高比率は19.9%(前事業年度18.4%)となりました。
(営業利益)
営業利益は505,331千円となり、前年同期比4.1%増となりました。また、営業利益率は5.3%(前事業年度5.1%)となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
営業外収益は9,330千円となり、前年同期比2.3%減となりました。
営業外費用は3,887千円となり、前年同期比19.3%減となりました。
(経常利益)
経常利益は510,774千円となり、前年同期比4.2%増となりました。また、経常利益率は5.3%(前事業年度5.1%)となりました。
(当期純利益)
当期純利益は346,213千円となり、前年同期比5.3%増となりました。なお、特別利益として固定資産売却益を341千円、特別損失として減損損失4,300千円をそれぞれ計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、65,345千円の支出超過(前年同期は928,341千円の収入超過)となりました。その主たる要因は、税引前当期純利益506,815千円を計上し、売上債権が187,172千円、棚卸資産が343,630千円それぞれ増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、111,943千円の支出超過(前年同期は1,832千円の支出超過)となりました。その主たる要因は、投資有価証券取得による支出49,954千円、有形固定資産の取得による支出43,928千円があったこと等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、277,705千円の支出超過(前年同期は246,653千円の支出超過)となりました。これは、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出612,274千円、配当金の支払額65,431千円があったこと等によるものであります。
以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ454,939千円減少し、1,173,620千円(前年同期比27.9%減)となりました。
4)資本の財源及び資本の流動性
当社の運転資金は内部資金の活用を基本としておりますが、設備資金を中心とする事業の維持拡大のための資金として金融機関からの借入による調達も行っております。また、事業環境等の不測の変化に備え、流動性の確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
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