有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の取引先への依存度について
① 特定の販売先について
当社グループは制御機器、産業機器、計測機器等の販売の他、検査装置、生産支援システムなど自社開発製品の設計、製造等を主な事業としております。当社グループでは、これらの商・製品等の販売において自動車関連産業及びトヨタグループへの依存度が高くなっております。
したがいまして、当社グループの経営成績は自動車関連産業及びトヨタグループの設備投資動向に影響を受ける可能性があります。
こうした中、持続的な成長に向けて、エンジニアリング力の強化や新商材開発に注力することで、自動車関連産業における販売領域の拡大を図るとともに、電気・電子・半導体、工作機械・産業機械関連産業への販売拡大及びグローバルビジネスの拡大に取り組んでおります。
なお、最近5年間の当社の売上高における自動車関連産業並びにトヨタグループに対する売上高及び売上構成比は以下のとおりであります。
(単位:千円) |
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
売上高 |
63,350,321 |
74,885,605 |
72,056,382 |
58,286,812 |
60,701,376 |
自動車関連産業に対する売上高 |
28,503,907 |
36,377,836 |
38,194,057 |
27,695,593 |
30,020,958 |
自動車関連産業に対する売上構成比 |
45.0% |
48.6% |
53.0% |
47.5% |
49.5% |
トヨタグループに対する売上高 |
28,465,259 |
36,717,537 |
36,769,501 |
27,199,469 |
29,160,947 |
トヨタグループに対する売上構成比 |
44.9% |
49.0% |
51.0% |
46.7% |
48.0% |
(注) 上記トヨタグループに対する売上高には、トヨタ自動車株式会社及びトヨタ自動車株式会社が定めるトヨタグループ16社への売上高に加え、トヨタ自動車株式会社及び当該グループ各社が出資している企業への売上高を含んでおります。
② 特定の仕入先への依存度について
当社グループは前述のとおり制御機器、産業機器、計測機器等の販売の他、検査装置、生産支援システムなど自社開発製品の設計、製造等を主な事業とする、エンジニアリング機能を持った商社であります。現在、当社グループの仕入先は多岐にわたっておりますが、主要な仕入先であるオムロン株式会社からの仕入高の割合は比較的高くなっております。
したがいまして、当社グループの経営成績は、オムロン株式会社の経営方針及び販売政策、並びに販売政策変更による契約内容の変更等があった場合に影響を受ける可能性があります。
オムロン株式会社とは友好的かつ継続的な関係を維持する目的等により、代理店基本契約を締結しております。代理店基本契約には、契約商品、代理店表示、価格、返品、支払、商標、機密保持などの重要な項目が規定されております。代理店基本契約は原則1年毎の更新となっておりますが、契約上は当該契約の各条項に著しく違背した場合や、当該契約の円滑な履行が困難となった場合等に、何らの催告を要せず契約を全部又は一部を解除することができることとなっております。
(単位:千円) |
|
仕入品目 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
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金額 |
割合 |
金額 |
割合 |
||
オムロン株式会社 |
制御機器、各種電子部品等 |
11,284,291 |
20.8% |
11,986,470 |
20.5% |
(2) 海外進出に潜在するリスクについて
当社グループの経営成績は、自動車関連産業の動向に影響を受ける傾向にありますが、その自動車関連産業は、グローバル化を積極的に推進しており、その対応が求められております。
当社ではこのような環境を踏まえ、取引先の海外生産の立ち上げや現地でのニーズに迅速に対応するため、米国、英国、中国、タイ王国に、子会社を設立しております。
当社における海外取引のほとんどはこれらの海外子会社への輸出取引であり、為替リスクを最小限にとどめるため原則として為替予約でカバーする努力を行っております。
また当社では取引先の海外進出が増加する中、海外子会社における取引拡大に止まらず、将来的には新たな拠点展開を含めて検討していく所存であります。
海外市場への進出には、為替リスクや国際金融など経済的リスク、戦争、テロ、疫病など政治的、社会的リスクなど、現時点では予測不可能なリスクが内在している可能性があり、これらの事象が発生した場合には経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、現地での動向について、海外拠点における情報網に加え、日本国内からの支援及び必要に応じて外部コンサルタントを活用した情報収集を図り、適切な対応を行うよう努めております。
(3) 物流業務の集約化におけるリスクについて
当社は、トータルロジスティックコスト及び在庫の削減、物流業務の改善に向けたインフラ整備等を目的に1996年から全社物流業務を物流センター(名古屋市)1拠点に集約化しておりますが、物流センター所在地域又は全国配送ネットワークに大規模な地震、風水害等の災害や事故が発生した場合、代替手段を持っていないため、顧客に対する商品供給にリスクが生じ、一時的に当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社グループは主要事業である制御機器、産業機器、計測機器等の販売について、法的規制や行政指導は特にありませんが、産業機器及び計測機器の設置等については、建設業法に基づき、一般建設業許可及び特定建設業許可を受けております。一般建設業許可及び特定建設業許可については、5年毎にその更新を受けることとされており、現時点におきまして、これら免許の取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後何らかの要因により許可が取り消された場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、関係法令の改正情報を常に入手し対策を行うことで、法令遵守を徹底しております。
(5) 業績の変動について
当社グループの事業における大型設備案件は、年度末に完成、納入となる場合が比較的多く、また、主要顧客の多くが3月期決算の会社であり、その設備投資は期初には慎重に推移し、期末にかけて活発になる傾向があることから、当社グループの業績は上半期と比較し下半期の比重が高くなる傾向があります。
こうした傾向に対し当社グループでは、大型設備案件の納期管理を徹底し、計画どおりに完成、納入ができるよう努めております。
なお、最近2連結会計年度における四半期別の売上高及び営業利益の推移は下表のとおりであります。
|
2021年3月期 |
||||
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
売上高(千円) |
14,077,418 |
15,015,540 |
15,249,647 |
19,567,822 |
63,910,429 |
構成比(%) |
22.0 |
23.5 |
23.9 |
30.6 |
100.0 |
営業利益(千円) |
203,456 |
455,001 |
254,527 |
980,488 |
1,893,474 |
|
2022年3月期 |
||||
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
売上高(千円) |
15,321,781 |
16,558,099 |
15,784,458 |
20,084,703 |
67,749,042 |
構成比(%) |
22.6 |
24.4 |
23.3 |
29.7 |
100.0 |
営業利益(千円) |
321,927 |
569,580 |
269,554 |
847,671 |
2,008,734 |
(6) 新型コロナウイルス感染症について
世界的な新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だに見通せない状況にあり、当社グループにおいても事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が続いております。想定されるリスクとして、仕入先からの商品供給の遅れや景気後退による主要顧客の設備投資の減少などが想定されます。これらに対しては、仕入先や主要顧客との情報連携を強化し、その影響を軽減していくよう努力しております。
また、当社グループとして、従業員やお客様、地域の安心・安全を第一に、次のような対策により感染予防に取り組んでおります。
・安全衛生の徹底(マスク着用、手指のアルコール消毒等)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・不要不急の国内、海外出張の禁止
今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
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