(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、全国的なワクチン接種の進展により新型コロナウイルス感染症が収束する傾向が見られ、各種政策の効果もあって景気は一時持ち直しの動きが見られました。しかしながら、2021年12月以降はオミクロン株の感染拡大により再度まん延防止等重点措置が多くの都道府県に発出されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いておりました。このような経営環境の中、当社グループは経営理念である「しあわせ社会学の確立と実践」のもと、主力事業である定期便事業の構造強化と次代を担う新たな事業の育成に取り組んでまいりました。
主力事業である定期便事業におきましては、継続購入型の商品開発を進めたことや定期的に商品を購入いただけるよう媒体配布の適正化を図ったことなどが奏功し、年間を通じたのべ顧客数は前期に比べて大きく増加いたしました。また、平均購入単価についても前期と同様高い水準で推移いたしました。カテゴリー別の売上げにつきましては、ラインナップの拡充とメディア露出を強化したフラットブラやヨガ気分ブラなどのシリーズが好評のインナーブランド「flufeel(フラフィール)」の売上げが、前期に比べて大きく躍進いたしました。また、ファッション事業の売上げも年間を通じて好調に推移し、既存ブランドの成長とともに新しいブランドの育成が進み、「MEDE19F(メデ・ジュウキュウ)」や「avecmoi(アヴェクモワ)」といった次代を担うファッションブランドが伸長いたしました。さらに、独創的な商品開発が魅力の雑貨につきましても、引き続き様々なメディアで取り上げられ話題となった「YOU+MORE !(ユーモア)」や、積極的にプロモーション展開した「日常に、新しいもの、美しいもの、楽しいもの」を提案する「SeeMONO(シーモノ)」、前期から立ち上げた雑貨とファッションの新しいブランド「el:ment (エル:メント)」などの売上げが、前期に比べて大きく増加いたしました。
新規事業分野におきましては、当社の定期便プラットフォームに取引先事業者が出品・出稿できる「FELISSIMO PARTNERS(フェリシモパートナーズ)」事業において、「産地直送マルシェ」の受注が好調に推移したことにより、売上げが大きく伸長いたしました。また、全農との共同事業「純農」ブランドも、前期に比べて売上げが伸長いたしました。
これらの活動の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は33,729百万円(前期比 1.4%増)となり、前期を上回る実績となりました。また、返品調整引当金戻入額及び繰入額調整後の売上総利益は18,212百万円(前期比 0.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、売上高の増加に伴う商品送料等の増加や、顧客数拡大のために積極的にテレビCMなどを投下したことにより広告費が増加いたしました。また、新社屋の建設に伴い減価償却費が増加したことにより、販売費及び一般管理費については16,902百万円(前期比 2.1%増)となりました。これらの結果、営業利益は1,310百万円(前期比 12.9%減)となりました。
営業外損益では、為替差益の増加等による営業外収益を284百万円、営業外費用を4百万円計上したことにより、経常利益は1,590百万円(前期比 5.3%増)となりました。税金等調整前当期純利益は1,605百万円(前期比 7.0%増)となり、法人税、住民税及び事業税を計上した一方で、当連結会計年度において税効果会計上の繰延税金資産の回収可能性を見直したことにより法人税等調整額を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,654百万円(前期比 28.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は31,925百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,798百万円減少(10.6%減)いたしました。また、負債合計は12,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,288百万円減少(29.9%減)いたしました。これら資産合計及び負債合計の減少の主な要因は、返済期日到来による1年内返済予定の長期借入金3,000百万円及び前連結会計年度の本社新社屋建設等に係る未払金について、現金及び預金によりそれぞれ一括返済または支払いを行ったことによるものであります。
純資産合計は19,551百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,490百万円増加(8.3%増)いたしました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,654百万円計上したこと等により利益剰余金の増加が1,555百万円となったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10,704百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,616百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は1,845百万円(前期比 27.5%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上1,605百万円及び減価償却費の計上572百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は3,414百万円(前期は676百万円の増加)となりました。これは主に、前連結会計年度の本社新社屋建設等による有形固定資産の取得による支出2,751百万円及び次世代のWebシステム構築等による無形固定資産の取得による支出446百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は3,107百万円(前期比 590.9%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出3,000百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、カタログ等による一般消費者向けの通信販売を主な事業としておりますので、生産及び受注の状況に替えて商品仕入実績を記載しております。
なお、当社グループは、単一セグメント・単一事業部門であるため品目ごとに商品仕入実績及び販売実績を記載しております。
イ.商品仕入実績
事業区分 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
通信販売事業 |
服飾・服飾雑貨(百万円) |
10,558 |
102.2 |
生活関連(百万円) |
4,230 |
96.2 |
|
その他(百万円) |
880 |
115.7 |
|
合計(百万円) |
15,669 |
101.2 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.販売実績
事業区分 |
品目 |
当連結会計年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
通信販売事業 |
服飾・服飾雑貨(百万円) |
22,782 |
103.3 |
生活関連(百万円) |
9,438 |
96.9 |
|
その他(百万円) |
1,508 |
102.2 |
|
合計(百万円) |
33,729 |
101.4 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告数値及び収益、費用の報告数値に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。当社グループは連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じて、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの業績に重要な影響を与える要因として、既存の定期便顧客の継続化や新規顧客の獲得が計画どおりに進まないことが挙げられます。当連結会計年度においては、継続購入型商品の開発を進めたことや各種マーケティング施策が奏功したことで、のべ顧客数は前期を大きく上回って推移いたしましたが、2023年2月期もブランドの育成と定期便の強化を図ることにより、更なる顧客数の増加及び売上高の拡大を目指してまいります。
費用面については、当連結会計年度においては顧客数拡大を図るため積極的に広告費を投下いたしましたが、2023年2月期においても中長期的な成長と更なる顧客数の拡大を図るため、販売費や広告費の増加を見込んでおります。また、既存システムの老朽化に伴うアップグレードやリプレイスを進めておりますが、2023年2月期においてもこれらに加えて次世代Webシステムの基盤整備を計画していることから、設備費の増加を見込んでおります。
なお、原材料価格の上昇やウクライナ情勢による資源価格の高騰が見込まれ、商品製造コストや配送コストの増加が懸念されることから、原価率の改善や固定費の圧縮等の更なるコストダウンに努めてまいります。また、必要に応じて商品価格の改定も検討してまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金は自己資金をもって充当することを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は27百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,704百万円となっております。
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