業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の新型コロナウイルス感染症拡大防止策の一環となるワクチン接種が進み、行動制限が緩和され、景気持ち直しの動きが見られる一方、雇用・所得情勢や設備投資等が弱含みで推移していることに加え、変異株による感染拡大の懸念もあり、依然として、先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが関連する建設市場におきましては、インフラ整備を中心とした一定水準の需要に支えられ、徐々に安定化傾向が見られるものの、感染症拡大防止策に伴う経済活動の停滞長期化、設備投資抑制の影響に加え、鋼材価格の上昇が続いており、動向に注視が必要な状況となっております。

このような状況のなか、当社グループにおきましては、今年度よりスタートした「S.T.G Vision2023」“私たちは、独自の技術とサービスに磨きをかけ、安全・安心の価値を追究して、社会に役立つ集団となります”(最終年度2024年3月期)のもと、「人財育成」、「全体最適化」、「新事業創出」をはじめとした経営課題への取組みを通じて、企業価値の向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は18,735百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益1,716百万円(同16.3%増)、経常利益1,697百万円(同14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,071百万円(同4.4%増)となりました。

各セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。

 

 ・ ファスニング事業

当社の主力製品であるあと施工アンカーの販売は、インフラ土木向けの製品が好調であったほか、一部製品の販売価格の改定が進んだことにより順調に推移いたしました。また、ドリル製品やファスナー製品の販売も増加いたしました。一方で、完成工事高は減少いたしましたが、総じて堅調な推移となりました。

この結果、当セグメントの売上高は14,201百万円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益は2,022百万円(同14.8%増)となりました。

 ・ 機能材事業

電動油圧工具関連の販売は、国内においては減少いたしましたが、海外販売が回復したことで前年とほぼ同水準で推移いたしました。また、電子基板関連、FRPシート関連及びアルコール検知器関連の販売が増加した一方、包装・物流機器関連の販売は前年並みに推移いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は4,533百万円(同4.2%増)、セグメント利益は547百万円(同3.9%増)となりました。

 

b. 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,561百万円(8.8%)増加し、19,283百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末と比較して668百万円(16.3%)増加の4,773百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、14,510百万円となり、前連結会計年度末と比較して892百万円(6.6%)の増加となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して20百万円(0.9%)減少し、当連結会計年度末には2,335百万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,317百万円の増加(前連結会計年度は924百万円の増加)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1,566百万円に加え、減価償却費が299百万円、仕入債務の増加額が373百万円、固定資産売却損益が119百万円となった一方、売上債権の増加額が651百万円、棚卸資産の増加額が243百万円、法人税等の支払額が442百万円となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、833百万円の減少(前連結会計年度は172百万円の減少)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出が1,182百万円となった一方、有形固定資産の売却による収入が151百万円、投資不動産の売却による収入が207百万円となったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、523百万円の減少(前連結会計年度は644百万円の減少)となりました。これは主として短期借入金の減少額が130百万円、長期借入金の返済による支出が428百万円、配当金の支払額が204百万円となった一方、長期借入れによる収入が250百万円となったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

生産金額
(千円)

前期比
(%)

ファスニング事業

3,351,790

123.7

機能材事業

1,526,707

100.4

合計

4,878,498

115.3

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

b. 受注状況

当社グループは、主に需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

販売金額
(千円)

前期比
(%)

ファスニング事業

14,201,521

104.5

機能材事業

4,533,968

104.2

合計

18,735,490

104.4

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。当社グループの連結財務諸表作成に当たっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を使用することが必要となります。当社グループは、過去の実績値・状況等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら、これらの見積り、予測は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して794百万円(4.4%)増加し18,735百万円となりました。これは主として、完成工事高が減少した一方、あと施工アンカーの販売が増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度と比較して407百万円(7.6%)増加し5,768百万円となりました。これは、あと施工アンカーの販売が増加したこと等によるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、給料及び手当、賞与等人件費の増加により、前連結会計年度と比較して166百万円(4.3%)増加の4,052百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比較して240百万円(16.3%)増加し1,716百万円となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度と比較して45百万円(31.9%)減少し97百万円となりました。当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度と比較して20百万円(15.0%)減少し116百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比較して215百万円(14.6%)増加し1,697百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益により、前連結会計年度と比較して31百万円(79.7%)減少し7百万円となりました。当連結会計年度の特別損失は、固定資産売却損等により、前連結会計年度と比較して133百万円増加の138百万円となりました。(前連結会計年度は5百万円)

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して44百万円 (4.4%)増加し1,071百万円となりました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度(以下、「当期」という)末の総資産は、前連結会計年度(以下、「前期」という)末比1,561百万円(8.8%)増加し、19,283百万円となりました。

流動資産は同852百万円(7.8%)増加の11,805百万円、固定資産は同709百万円(10.5%)増加の7,478百万円となりました。増加の主な要因は、受取手形の増加が108百万円、契約資産の増加が559百万円、原材料及び貯蔵品の増加が222百万円、土地の増加が439百万円、建設仮勘定の増加が367百万円となった一方、投資不動産の減少が204百万円となったことによるものであります。

当期末の負債の合計は、前期末比668百万円(16.3%)増加の4,773百万円となりました。流動負債は同557百万円(22.5%)増加の3,035百万円、固定負債は同111百万円(6.8%)増加の1,737百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の増加が476百万円となったことによるものであります。

当期末の純資産は14,510百万円となり、前期末に比較して892百万円(6.6%)の増加となりました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加が860百万円となったことによるものであります。

 

c.キャッシュ・フローの分析

「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、出資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資、出資等の長期的な資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、698百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,335百万円となっております。

 

f.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

中期経営計画1年目となる当期の達成・進捗状況は、以下のとおりであります。売上高は計画比385百万円(2.1%)増加の18,735百万円となりました。これは主に、あと施工アンカーの販売が堅調に推移したことに加え、アルコール検知器関連等が計画を上回ったことによるものであります。

一方で、営業費用は概ね計画とおりに推移したことにより、経常利益は計画比177百万円(11.7%)増加の1,697百万円となりました。

 (単位:百万円)

指標

当期計画

 当期実績

計画比

売上高

18,350

18,735

385 増 (2.1%増)

経常利益

1,520

1,697

177 増(11.7%増)

経常利益率

8.3%

9.1%

0.8ポイント増

 

 

 

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