事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、当社グループとして、必ずしも事業上のリスクとは考えられない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末(2022年6月30日)現在において判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び影響の内容は変化することが想定され、不確実性が高いことから、合理的に測定することが困難であるため、記載しておりません。

 

(1)特定の取引先への依存について

当社グループは、自動車部品に係る車体部品のうち、シート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の機能部品(カスタムファスナー)の製造・販売を主な事業としております。当社グループにおける自動車用部品に係る売上高の割合は当連結会計年度で82.8%となっており、販売先は自動車部品一次メーカーが中心であります。したがって、当社グループの経営成績は、国内外の自動車生産台数、自動車のモデルチェンジ等に伴う当社グループ製品の装着率及び各自動車部品一次メーカーへの納入価格等により影響を受ける傾向にあります。

中でも、自動車部品一次メーカーである株式会社アイシンの完全子会社でありますシロキ工業株式会社(ドアフレーム、ウインドウレギュレーター、ロック部品、シート部品、モールディング等の製造・販売)に対する依存度が高く、同社に対する売上高の割合は当連結会計年度で15.7%となっております。同社は、当連結会計年度末において、当社株式の7.9%を保有する株主であり、同社との取引関係は永年に亘り安定的に継続されておりますが、当社グループの経営成績は、同社の業績及び購買政策、同社の最大の販売先であるトヨタグループの生産動向等の影響を受ける可能性があります。

なお、当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度における自動車用部品に係る売上高、シロキ工業株式会社に対する売上高並びに各売上構成比は、以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

  至 2021年6月30日

当連結会計年度
(自 2021年7月1日
  至 2022年6月30日

売上高

13,783,400

12,448,330

自動車用部品に係る売上高

12,224,073

10,307,421

自動車用部品に係る売上構成比

88.7%

82.8%

シロキ工業株式会社に対する
売上高

3,125,634

1,954,089

シロキ工業株式会社に対する
売上構成比

22.7%

15.7%

 

(注)「収益認識会計基準」を当連結会計年度の期首から適用しております。

 

(2)海外市場展開に潜在するリスクについて

当社グループの主要販売先である自動車部品メーカーは、日系自動車メーカーの積極的な生産のグローバル化に伴う自動車部品の世界的規模での調達に対応するため、事業の海外展開を進めております。

このような情勢の中、当社グループでは、現在、タイ国にてThai Mitchi Corporation Ltd.が、米国にてMitsuchi Corporation of Americaが、中国にて三之知通用零部件(蘇州)有限公司が、それぞれカスタムファスナーの製造・販売を行っており、当連結会計年度における海外売上高の比率は30.4%となっております。

このため、当社グループの経営成績は、アジア地域及び北米地域における自動車業界及び自動車部品業界の動向、海外各市場の為替相場の変動、景気動向等の影響を受ける可能性があり、さらに、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化、人材の採用確保の難しさ、税制の変更、テロ及び戦争その他要因による社会的混乱など、現時点では予測不可能なリスクが内在しております。

 

 

(3)価格競争への対応について

自動車部品業界は、価格競争が厳しい業界であると同時に、近年、完成車メーカーからの価格引下げ要請が特に強まってきており、当社グループにおいても自動車部品一次メーカーからの厳しい価格引下げ要請がなされております。

このような情勢の中、当社グループにおいては、これらの価格競争や価格引下げ要請に対して、①受注から量産開始に至るまでの設計、試作の段階で工程削減等のコスト低減策を得意先へ提案し、量産開始後における継続的な仕入コスト削減につなげる、②切削レスによる工程変更等を得意先へ提案し、生産全般における作業効率の改善につなげる等の恒久的な原価低減策を得意先に対して展開している他、高付加価値製品を提供し他社との差別化を図ることにより、採算の確保に努めております。

ただし、量産開始後においても得意先からの継続的な価格の引下げ要請があることに加えて、当社グループが想定したとおりに原価低減が進む保証はありません。

このため、価格面での更なる引下げ要請または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料価格の変動について

当社グループの主要製品であるカスタムファスナーの主な原材料である鋼材の価格は、世界規模での需給バランスや各生産地域における経済情勢等により価格が変動しております。

当社グループでは、永年の継続的でかつ安定的な原材料メーカーの絞り込みによるスケールメリットの追求、販売価格への転嫁等により、仕入コスト上昇の回避に極力努めておりますが、使用している鋼材の価格が高騰し、販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の欠陥

当社グループは、経営理念において「顧客第一」(価格と品質で充分なる市場競争力を有する製品を提供し、顧客ニーズに応える。)を掲げ、総力をあげて品質向上に取り組んでおります。当社及び株式会社三ツ知製作所はISO9001、株式会社三ツ知本社工場、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America及び三之知通用零部件(蘇州)有限公司では、自動車産業における世界共通の品質管理・保証規格であるIATF16949に基づく品質管理基準に従い対応しております。

しかしながら、当社グループの全ての製品が将来において、欠陥がなく、製造物責任賠償等に伴う費用が発生しないという保証はありません。

当社グループでは製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。また、万一、当社の予測を超えた重大な品質上の問題が発生した場合に、製品の欠陥・リコール等に伴う費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)為替レートの変動

当社グループにおける海外子会社であるThai Mitchi Corporation Ltd.及びMitsuchi Corporation of America並びに三之知通用零部件(蘇州)有限公司について、原則、当社とThai Mitchi Corporation Ltd.及び三之知通用零部件(蘇州)有限公司との間の販売及び仕入は円建て決済、当社からMitsuchi Corporation of Americaへの販売及びThai Mitchi Corporation Ltd.からMitsuchi Corporation of Americaへの販売並びにMitsuchi Corporation of Americaから三之知通用零部件(蘇州)有限公司への販売はドル建て決済にて行っております。

また、Thai Mitchi Corporation Ltd.及びMitsuchi Corporation of America並びに三之知通用零部件(蘇州)有限公司における売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値に影響を受ける可能性があります。

このため、為替レートの変動によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)減損会計について

「固定資産の減損に関する会計基準」の適用に伴い、当社グループが所有する固定資産について減損の兆候があるものが存在した場合、減損の認識の要否の判定を実施しております。

今後についても、将来の固定資産の時価の動向、将来キャッシュ・フローの状況等によっては、減損損失の認識の必要性が生じる可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自然災害のリスクについて

主たる製造拠点が所在する地域において、地震、落雷、水害等の災害が発生した場合、生産不能になる事態が予測され、その場合当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、地域ごとの情報収集及び状況に応じた体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。

なお、主な製造拠点については、次のとおりであります。

・株式会社三ツ知本社工場(愛知県春日井市)

・株式会社三ツ知製作所本社工場(三重県松阪市)

・株式会社三ツ知部品工業作手第1工場(愛知県新城市)

・株式会社三ツ知部品工業作手第2工場(愛知県新城市)

・株式会社創世エンジニアリング本社工場(福岡県久留米市)

・株式会社創世エンジニアリング鹿児島工場(鹿児島県鹿児島市)

・Thai Mitchi Corporation Ltd.本社工場(タイ国パトムタニ県)

・Mitsuchi Corporation of America本社工場(米国テネシー州)

・三之知通用零部件(蘇州)有限公司本社工場(中国江蘇省)

 

(9)感染症等のリスクについて

新型コロナウイルス感染症においては、国内外で拡大し、今後の収束時期は見通しにくい状況ですが、事態が長期化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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