課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループでは、表面処理・プレス加工のノウハウを活かし社会貢献するという創業から受け継いだ精神をより明確にし、更には会社の持続的な成長と価値創造の土台を築くため、以下の通り、会社の存在意義である(パーパス)、将来のありたい姿である(ビジョン)、果たすべき使命である(ミッション)、大切にする価値観である(バリュー)を定めております。

 これらの実現のため、ステークホルダーの皆様とともに行動してまいります。

 

パーパス

「私たちの働きで、社会のインフラを支え人々の暮らしの安全、便利な社会の実現に貢献する」

ビジョン

「100年継続企業、すべての点で常に業界のトップを目指す」

ミッション

「絶えざるチャレンジによって『できないをできる』に変え新たな価値を創造し、社会の発展に貢献する」

バリュー

「会社の発展と働く者の発展を一致させ、会社、働く者が所属する地域社会の発展に貢献する」

 

具体的には、以下の施策を強力に推し進めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、受注拡大、収益力強化、人材教育・育成、環境への取組みなどを重点課題に掲げ、前連結会計年度に引続き、東北事業部への新ライン建設等の設備増強を着実に実行していくことで、収益体質の改善に取り組み、売上高9,700百万円、営業利益300百万円、経常利益330百万円を目指してまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループにおける新型コロナウイルス感染症対応としては、国内は緊急事態宣言等の状況に応じてテレワークや時差出勤、車通勤の推奨などの対応を実施したほか、勤務中のマスク着用の義務化、本社工場間の出張制限なども行いました。

 当社グループが属する電子工業界におきましては、収束の見通せない新型コロナウイルスの影響から、部品調達の遅れなどが見られたものの、5G向けを中心に通信分野での部品需要は旺盛で、産業機器向け分野、自動車向け分野においても堅調な受注が見られるなど、総じて好調な市場環境にありました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 受注拡大

 足元では、自動車関連向け分野における半導体不足やサプライチェーン寸断による減産のほか、通信向け分野における中国市場での生産調整、また、地政学リスクの高まりによる資源価格高騰や大幅な円安の進行のほか、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないなど世界経済の悪化リスクはあるものの、産業機器向け分野での国内外の設備投資回復を背景とした部品需要の拡大、デジタル化の進展を背景とした5G通信向け分野での部品需要の拡大に加え、調整していた自動車関連分野や中国通信市場の回復も期待されるなど、引き続き中長期的には市場の成長、部品需要の拡大は継続するものと考えております。

 このような状況のもと、拡大している部品需要の受注獲得に向け、徹底したマーケティング活動と東北事業部への新ラインの建設など積極的な設備投資を実施し、お客さまが求める高度な要求に迅速に対応する加工体制の整備をすすめてまいります。

 また、製造工程の自動化、効率化による生産性向上とともに、新たな微細部分めっき技術や品質面でのより一層の高度化の追求など、他社が追随できない技術的差別化をすすめてまいります。

 

② 収益力強化

 グループ最大の生産拠点である東北事業部への量産機能の集約はほぼ完了したことから、今後は拡大する受注の効率的な生産体制確立に向けた新設備建設に加え、めっき、プレスの既存設備においても加工の自動化、デジタル化をすすめることで、より一層の生産性の向上、収益力の強化を図ってまいります。

 

③ 人材教育・育成

 会社の発展と働く者の発展を一致させるとの「バリュー」の考え方のもと、社員ひとりひとりが持つ成長意欲とキャリアビジョンを実現すべく、すでに導入した外部の教育システムによる階層別、分野別研修や、クラウドを活用した人事評価システムの運用強化を図ってまいります。

 

 

④ 環境への取組み

 当社グループは、自然環境などが長期にわたって機能を失わず、良好な状態を維持する持続可能な社会の実現に貢献すべく、地球環境の保全に配慮して行動します。

 地球温暖化防止、資源保護、環境汚染防止などへの取り組み強化の一環として、東北事業部に太陽光発電をベースとする再生可能エネルギー設備を導入してまいります。

 

⑤ 新規事業推進

 水素透過膜および銀めっきアクリル粒子をはじめとする当社新規開発品については、事業化に向けた動きを加速してまいります。

 開発中の水素透過膜は当社の貴金属めっき技術を応用したもので、既存技術で製造された水素透過膜と比較し、低コストかつ水素の透過量を増大させることができるため、水素精製装置の一層の小型化要求に応えられる技術と考えております。

 水素透過膜の開発については、国立大学法人 東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所、および国立開発研究法人 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所とそれぞれ共同研究契約を締結し共同研究をすすめているほか、福島県からも再生可能エネルギー事業化実証研究支援事業として支援を頂いており、当社の水素透過膜開発が水素の普及に寄与し、2050年のカーボンニュートラル達成のための必須の技術となるよう、事業化に向けた開発を推進してまいります。

 

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