業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の分析・検討は次のとおりであります。

 

  ① 財政状態及び経営成績の状況

   (経営成績の状況) 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で度重なる緊急事態宣言の発令やまん延防止法等の重点措置が実施され、社会経済活動の回復の勢いは鈍く厳しい状況で推移しました。ワクチン接種が進んだことで、緩やかながらも改善の動きが見られたものの、年明け以降には感染症が再拡大したうえ、米国の金融引き締めやロシアによるウクライナへの侵攻等による資源価格や原料価格の上昇等により、依然として先行き不透明感は続いています。

このような状況のもと、当社グループの売上高及び受注の状況は、依然として厳しい状況が続いております。当社の主要顧客であるデジタルカメラ、時計、事務機器等の精密電子機器メーカーならびに自動車関連部品メーカー等の研究開発及び生産の状況は、前年比では市場の需要ならびに開発意欲等に回復傾向が見られるものの、世界的な資源・部材不足やサプライチェーンの混乱により、生産活動が計画通り進まない状況や、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に慎重な一面も依然として残っており、新規開発試作品製造、金型製造及び量産品製造の受注・生産状況は、引き続き厳しい結果となりました。ロボット・装置関連製品については、サポート・サービスロボット分野のスタートアップ企業への包括事業化連携を掲げた取り組みにより、受託開発や受託製造の引き合いは引き続き拡大傾向にあります。しかしながら、世界的な電子部品・電池などの部材調達が難航していること、株式市場の悪化によるスタートアップ分野への資金流入が直近で若干停滞していること等を背景に、各社開発・製品化への取り組み速度が鈍化傾向になっております。また、注力している当社グループ製品ならびに連携スタートアップの製品販売が弱含みとなっており、ロボット・装置関連製品の売上高は、計画を下回りました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,045百万円(前年同期比13.0%増)となり、売上総利益は672百万円(同27.4%増)、営業損失が596百万円(前年同期は816百万円の営業損失)となりました。受取配当金ならびに助成金収入等の営業外収益124百万円を計上し、持分法による投資損失等の営業外費用380百万円を計上した結果、経常損失が852百万円(前年同期は904百万円の経常損失)となりました。

さらに、投資有価証券売却益、固定資産売却益等の特別利益329百万円を計上いたしました。また、投資有価証券評価損等の特別損失199百万円を計上いたしました。これに、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額△27百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は669百万円(前年同期は934百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

なお、当社グループの事業は、「金属製品加工事業」の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。

 

 

    (財政状態の状況)

当連結会計年度末における総資産は、9,774百万円となり、前連結会計年度末と比べ988百万円(前期末比9.2%)の減少となりました。主な増加要因は、流動資産における現金及び預金103百万円(同6.4%)の増加です。一方、主な減少の内訳は、投資その他の資産における投資有価証券781百万円(同15.7%)の減少です。

 負債は、3,903百万円となり、前連結会計年度末と比べ281百万円(前期末比7.8%)の増加となりました。主な増加の内訳は、流動負債における短期借入金459百万円(同64.9%)の増加です。一方、主な減少要因は、固定負債における繰延税金負債261百万円(同31.6%)の減少です。

純資産は、5,871百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,270百万円(前期末比17.8%)の減少となりました。主な減少の内訳は、利益剰余金790百万円(同25.5%)、その他の包括利益累計額453百万円(同26.4%)の減少です。

 

    ② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ103百万円増加し、1,463百万円(前期末比7.6%増)となりました。

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、281百万円の支出超過(前年同期は5百万円の収入超過)となりました。主な収入要因は、持分法による投資損失308百万円、減価償却費185百万円、投資有価証券評価損196百万円、主な支出要因は、税金等調整前当期純損失722百万円、投資有価証券売却益153百万円、有形固定資産売却益131百万円です。

    (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは56百万円の収入超過(前年同期は884百万円の支出超過)となりました。主な収入要因は、有形固定資産の売却による収入247百万円、主な支出要因は、生産設備への投資による有形固定資産の取得による支出152百万円です。

     (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、294百万円の収入超過(前年同期は9百万円の支出超過)となりました。主な収入要因は、短期借入金の純増加額409百万円、主な支出要因は、配当金の支払額121百万円です。

 

 

 

    ③ 生産、受注及び販売の状況

    a. 生産実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

4,852,755

7.4

 

(注)  金額は販売価格によっております。

 

    b. 受注実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

4,984,361

9.9

466,189

△11.5

 

 

    c. 販売実績

当社グループは「金属製品加工事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

金属製品加工事業

5,045,021

13.0

 

 

 (注)1.主要顧客ごとの情報

    前連結会計年度及び当連結会計年度においては、総販売実績の10%を超えている該当先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a.経営成績の分析
 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、売上高においては、新型コロナウイルス感染症の影響も残りましたが、前年度に比べ需要が一部で回復し、試作・金型製品は前年同期比25.7%増加の2,466百万円、量産製品は同15.5%増加の1,475百万円、ロボット・装置等は同9.8%減少の1,070百万円、その他・ガンマカメラ関連等は同16.9%減少の32百万円となり全体では、同13.0%増加の5,045百万円となりました。

   売上原価については売上高の増加により、前年同期比11.0%の増加となり、4,372百万円となりました。

   その結果、売上総利益は、内製化を強化するとともに、原価低減の重要性を再認識し、外注加工費を中心に原価削減に努めましたが、受注競争の激化の影響もあり、売上総利益率は前年同期比で1.5%の回復にとどまり13.3%となり、売上総利益は前年同期比27.4%増加の672百万円となりました。

   販売費及び一般管理費は、研究開発費等で増加はありましたが、人件費、貸倒引当金繰入額等が減少したことにより、前年同期比5.6%減少の1,268百万円となりました。

   営業損益は試作・金型製品の売上において緩やかな回復を見せたことにより、前年同期比219百万円の改善となり、596百万円の営業損失(前年同期は816百万円の営業損失)となりました。
 営業外収益は、助成金収入の減少により、前年同期比122百万円減少の124百万円となりました。

営業外費用は、持分法による投資損失等の増加により、前年同期比45百万円増加の380百万円となりました。

経常損益は、営業損益の改善により、852百万円の経常損失(前年同期は904百万円の経常損失)となりました。

特別利益は、 投資有価証券売却益、固定資産売却益等が増加、一方で補助金収入の減少により、前年同期比16百万円増加の329百万円となりました。

   特別損失は、投資有価証券評価損が増加、一方で減損損失、固定資産圧縮損の減少により、前年同期比129百万円減少の199百万円となりました。

   法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前年同期比60百万円減少し△27百万円となりました。
 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、669百万円(前年同期は934百万円の当期純損失)となりました。

 

   b. 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

   c. 財政状態及び経営成績の状況

当社グループの財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析の状況 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政業態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

  ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

   当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要は主に設備投資資金であります。

現在、設備投資資金につきましては、内部資金、銀行借入金及び新株の発行等により資金調達することとしております。
 2022年4月30日現在、借入金の残高は1,477百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計1,600百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、このうち借入未実行残高は600百万円であります。 

 

  ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得