(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末(2022年5月31日現在)における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株拡大により一時的に停滞がみられたものの、行動制限の緩和などにより緩やかな回復基調で推移しました。しかし国内外において、半導体・部品供給不足や原油高による原材料価格の高騰の影響を大きく受けるとともに、ウクライナ情勢の緊迫化や中国でのロックダウンによるサプライチェーンの混乱などに加え、円安も急速に進行していることから、先行きの不透明感が高まりました。
当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前期比9.8%増、非住宅分野では着工床面積が同5.0%増となりました。また、自動車業界において、国内市場の生産台数は前期比14.5%減となりました。海外市場は生産・販売が増加し、前年同期を上回りました。
このような状況のもと当連結会計年度における連結業績は、以下のとおりとなりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ27億86百万円減少し、79億70百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費を計上した一方で、棚卸資産の増加や法人税等の支払等により、3億75百万円の収入(前期41億67百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入があったものの有形固定資産の取得による支出等により、11億91百万円の支出(前期7億54百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、20億74百万円の支出(前期31億74百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
当社グループは販売形態が多岐にわたっており、受注の把握が困難でありますので記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年5月31日現在)において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ11億32百万円増加し、848億1百万円となりました。
負債につきましては、電子記録債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ6億39百万円増加し、513億52百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億92百万円増加し、334億48百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は33.4%となりました。
b 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株拡大により一時的に停滞がみられたものの、行動制限の緩和などにより緩やかな回復基調で推移しました。しかし国内外において、半導体・部品供給不足や原油高による原材料価格の高騰の影響を大きく受けるとともに、ウクライナ情勢の緊迫化や中国でのロックダウンによるサプライチェーンの混乱などに加え、円安も急速に進行していることから、先行きの不透明感が高まりました。
当連結会計年度の売上高は、自動車・車両内装事業において減収となりましたが、インテリア事業および機能資材事業において増収となったため、前連結会計年度に比べ20億11百万円増加し、817億13百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ16億67百万円増加し、645億43百万円となりました。その結果、売上総利益は171億70百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ12億82百万円増加し、170億59百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ9億38百万円減少し、1億10百万円となりました。
経常利益は、米国において「給与保護プログラム(Paycheck Protection Program、通称PPP)」に基づく融資の返済免除確定による補助金収入があったものの、営業利益が大きく減少したこと等により、前連結会計年度に比べ2億61百万円減少し9億50百万円となりました。
また、投資有価証券売却益3億80百万円を計上したものの、8億3百万円の税金費用を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1億28百万円減少し2億81百万円となりました。
その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は1.0%となり、中長期的な目標には及びませんでした。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、先行きを見通すことが難しい状況ですが、資本効率を高め、ROE向上に向けて尽力してまいります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用したことに伴い、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は1億14百万円減少し、売上原価は1億37百万円減少し、営業利益は23百万円増加し、経常利益は47百万円増加し、税金等調整前当期純利益は33百万円増加しております。
c セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析
当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b 資本の財源および資金の流動性
当社グループは「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+ A(アメニティ:快適さ)」を開発の基本理念とし、よい製品を生産し、販売することで社会の向上に貢献すべく、多角的な事業活動を行っております。
当社グループは、事業活動に必要な資金の安定的な確保について、重要な経営課題のひとつと認識しており、営業活動による現金収入、内部資金の活用のほか、取引先金融機関と良好な関係を維持しながら借入および社債の発行等によって資金を調達しております。
事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と投資資金需要です。
運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料および商品仕入れ、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、製品の品質改善、製造現場の安全性確保、生産効率性の向上、環境負荷の改善等のために必要な設備投資、また海外展開を強化するために必要な投資、その他事業戦略遂行に必要な投資があります。
今後も経費支出の削減や適正在庫の維持に取り組むとともに、DEレシオを改善し0.5倍程度に保ちつつ、金利動向等の調達環境を鑑みながら取引先金融機関からの機動的な資金調達を実施します。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計基準の選択および適用、資産および負債ならびに収益および費用の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと差異が生じる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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