課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 わが国経済の今後の見通しにつきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況であることや、地政学的リスクの懸念等もあり、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 当社グループを取り巻く小売・アパレル業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う商業施設の臨時休業や営業時間短縮、長期間に渡る外出自粛等に伴う働き方や生活様式の変化などの影響を受け、引き続き厳しい経営環境が続いております。

 このような厳しい経営環境のもと、当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けた構造改革を引き続き推進するとともに、足元の業績悪化を食い止めるため、「売上高の回復」、「株式会社レナウンインクスとのシナジー創出」、「国内基幹工場のアツギ東北株式会社の収支改善」の3つを喫緊の課題に据えて、2021年度における黒字転換を目指してきました。このうち、株式会社レナウンインクスとのシナジー創出については、当社による完全子会社化から1年半が経過し、物流や間接業務の統合、当社の販売ルートへのレナウンインクス商品の展開拡大など、一部効果も見え始めております。他方で売上高の回復については、当社の主力商品であるストッキング・タイツの市況回復の遅れなどもあり、想定を下回る結果となりました。また、アツギ東北株式会社については、希望退職者募集等による固定費削減、高機能インナーウエアの生産設備導入や生産アイテム見直しによる単価アップ、ロス削減施策等、収支改善に向けた各種取り組みを断行してまいりましたが、採算悪化が継続し、黒字化の目途が見通せないことから、2022年5月末をもって同社による生産業務を終了し中国工場に移管することを決定いたしました。

 これらの結果、黒字転換を目指して臨んだ2021年度でしたが、4期連続の最終損失という大変厳しい結果となりました。

 この結果を受けて、当社グループは経営体制の刷新を図るとともに、2023年3月期から2025年3月期までを実行期間とする新中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』を公表いたしました。『ATSUGI VISION 2024』では、このような厳しい経営環境において、顧客ニーズの変化と多様性に的確に対応したうえで、「事業ポートフォリオの強化」、「生産体制の再編による収益基盤の強化」、「資本の効率化」の3つの重点課題に取り組むことにより収益性を高めることに注力し、将来の持続的成長のための安定した財務基盤の確立を目指してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

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