当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした緊急事態宣言の再発出、新型のオミクロン株の発生に伴うまん延防止等重点措置の実施等がありつつも、ワクチン接種の進展等により、経済社会活動は徐々に正常化に向かっております。しかしながら、日米金融政策等の影響による急激な為替変動、資源価格上昇やサプライチェーンの混乱等が内外経済に与える影響については、引き続き注視する必要があります。
家具・インテリア業界におきましては、原材料価格及び物流コストの上昇並びに業態を超えた販売競争の激化等により引き続き厳しい経営環境が続いております。一方、当社の属する雑貨、家具、インテリアのBtoC-EC市場規模は2020年に2兆1,322億円となり、対前期比で22.4%増と大幅に拡大しました(出典:令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)_令和3年7月経済産業省)。引き続き、新型コロナウイルス感染症に端を発する生活様態の変化に伴うEC利用率増加により、更なる市場拡大が見込まれております。
このような事業環境の下、当社の家具Eコマース事業におきましては、LOWYA(ロウヤ)旗艦店を中心に集客を強化し、SEO・Web広告からの新規アクセス流入、SNS強化による認知度向上及びモバイルアプリのダウンロードを通じた会員化の促進に取り組みました。これらの取り組みの結果、当事業年度において全体のGMV(流通総額)に占めるLOWYA旗艦店の割合は52.5%となりました。
品揃えの面では、従前より取り組んでいる自社プライベートブランドにおけるヒット商品の開発、高利益率商品の開発を継続するとともに、LOWYA旗艦店のプラットフォーム化に向けたテストとして取り組んでいる他社ブランド商品の取り扱いにつきましても、順調に品数を増やし、アクセス及び受注を獲得しております。
利益面では、海上コンテナ輸送運賃及び原材料価格の上昇並びに円安進行の影響を受け、原価率が上昇いたしました。他方、物流の取り組みとして、配送費の上昇に対応するため、保管効率の向上、在庫量の適正化、在庫の適正配置、商品構成の見直し等の物流コスト削減施策に継続的に取り組んでおりますが、当事業年度においても引き続きコスト削減に努めたことで、配送費率はより一層改善されております。
新規事業として取り組んでおります、越境ECプラットフォーム事業DOKODEMO(ドコデモ)におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による渡航制限により、インバウンド消費の代替としての越境ECに対する需要が高まる中で、広告費の増額を行った結果、アクセス数、会員数がともに順調に推移し、流通総額は前期比83.3%増と大幅に伸長し、過去最高額を更新しております。直近実績では、台湾を始めアジア向け配送の割合が一層高まりつつも、北米、欧州、オセアニア等の多岐に亘る地域のユーザー様にご利用いただいております。
以上の取り組みの結果、当社における当事業年度の業績は、売上高は16,832百万円、営業利益は596百万円(前年同期比67.3%減)、経常利益は621百万円(同66.5%減)、当期純利益は382百万円(同67.0%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度における経営成績に関しては、売上高について前事業年度と比較した前年同期比(%)を記載せず説明しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
当事業年度末における財政状態は以下のとおりであります。
当事業年度末における総資産は、8,020百万円(前事業年度末8,223百万円)となり、202百万円減少いたしました。流動資産は6,676百万円(前事業年度末6,892百万円)となり、215百万円減少いたしました。これは主に、商品が1,469百万円増加し、現金及び預金が1,958百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は1,344百万円(前事業年度末1,331百万円)となり、13百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が151百万円増加し、長期前払費用が97百万円減少したことによるものであります。
負債は、2,751百万円(前事業年度末3,084百万円)となり、333百万円減少いたしました。流動負債は2,701百万円(前事業年度末3,023百万円)となり、321百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金が500百万円増加し、未払法人税等が713百万円、未払消費税等が252百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は50百万円(前事業年度末61百万円)となり、11百万円減少いたしました。
純資産は、5,269百万円(前事業年度末5,138百万円)となり、130百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上382百万円による増加の一方で、配当金105百万円及び株式給付信託の追加拠出により自己株式が114百万円減少したことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動により1,915百万円の支出、投資活動により229百万円の支出、財務活動により258百万円の収入となった結果、前事業年度に比べ1,886百万円減少し、当事業年度末には1,234百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果として減少した資金は、1,915百万円(前事業年度は2,369百万円の資金増加)となりました。
これは主に、税引前当期純利益を621百万円計上し、棚卸資産の増加1,469百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果として減少した資金は、229百万円(前事業年度は300百万円の資金減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出78百万円及び投資有価証券の取得による支出133百万円により資金が減少したことによるものであります。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は2,145百万円のマイナス(前事業年度は2,068百万円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果として増加した資金は、258百万円(前事業年度は269百万円の資金減少)となりました。
これは主に、短期借入金の増加500百万円により資金が増加いたしました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社の取引形態は、一般的な製造等における「生産」活動は行っておらず、また、当社は見込み生産を行っているため、記載しておりません。
当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社の主な販売先は不特定多数の一般消費者であり、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
2.Eコマース事業の「リビング・ダイニング家具」にはソファ・チェア・デスク等、「ベッド・寝具」にはベット・寝具・マットレス等、「その他」には、その他の家具・インテリア売上等が含まれております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しているため、上記の販売実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期比は記載しておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(売上高)
当事業年度における売上高は16,832百万円となりました。
当事業年度は、LOWYA(ロウヤ)旗艦店を中心に集客を強化し、SEO・Web広告からの新規アクセス流入、SNS強化による認知度向上及びモバイルアプリのダウンロードを通じた会員化の促進に取り組みました。これらの取り組みの結果、当事業年度において全体のGMV(流通総額)に占めるLOWYA旗艦店の割合は52.5%となりました。
今後も引き続き、LOWYA旗艦店強化及びブランド作りに注力し、売上高の更なる成長と利益獲得に努めてまいります。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は596百万円(前年同期比67.3%減)となりました。
当事業年度は、海上コンテナ輸送運賃及び原材料価格の上昇並びに円安進行の影響を受け、原価率が上昇いたしました。他方、物流の取り組みとして、配送費の上昇に対応するため、保管効率の向上、在庫量の適正化、在庫の適正配置、商品構成の見直し等の物流コスト削減施策に継続的に取り組んでおりますが、当事業年度においても引き続きコスト削減に努めたことで、配送費率はより一層改善されております。
引き続き、商品構成の見直しや高利益率商品の開発による利益改善に取り組みながら、旗艦店強化のための広告宣伝費投下や、システム投資による物流の効率化を実現し、物流コストの抑制を図ってまいります。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は621百万円(前年同期比66.5%減)となりました。
当事業年度の主な要因は、営業利益と同様であります。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は382百万円(前年同期比67.0%減)となりました。
当事業年度の主な要因は、営業利益と同様であります。
財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この財務諸表の作成に当たっては、合理的判断に基づき一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映しております。また、これらの見積りについては将来事象の結果に特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
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