課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

当社グループは、「長年にわたって培われた染色加工及びその周辺技術をベースにして、さらなる技術の発展と、より優れた商品の提供によって社会に貢献する」を経営理念として、各種繊維製品の染色加工、繊維製品の製造販売を主な事業内容とし、さらに各事業に関連する物流、包装梱包及び各種産業機器の製造販売の事業活動を展開しております。

また中長期的な経営戦略として「自主性ある高付加価値企業を目指そう」を基本理念に、以下3項目を基本的な行動指針と定めて、開発・製造・販売の各部門が連携のうえ、さらなる進化に努めております。

①品質管理、TPM(注)、省エネルギーの徹底による売上原価低減化を実現し、経営体質の強化を行う

②複合加工を徹底追求し、得意な素材、加工の拡大化を行う

③生機からの一貫加工商品の提案を強力に実施し、自主性を高める

(注)「Total Productive Maintenance」の略。持続的に利益を確保できる体質づくりをねらいとして、人材育成や作業改善、設備改善を持続的に実施していく体制と仕組みを作るための製造業におけるマネジメント手法。

 

(2)事業環境

当社の事業環境については、以下のとおりと認識しております。

S(強み)

・長年培ってきた独自の染色加工技術

・独自のラミネート加工(注)技術保有(薄膜、高透湿に対応可能)

・多様な素材に対応できる生産設備の保有

・難燃、抗菌など特殊機能加工技術の保有

・丸井織物株式会社との連携強化による織染一貫での総合提案力

W(弱み)

・高コスト体質によるコスト競争力の欠如

・納期対応力(不良、再加工率高く、生産キャパシティ小さい)

・衣料分野向けの比率高く(約8割)、安定受注に課題あり

O(機会)

・スポーツレジャー人口増加に伴う軽量、薄膜アウトドア素材の需要の高まり

・消費者志向の変化(サスティナブル志向、健康志向)

・新型コロナ問題によるEコマース市場のさらなる拡大

T(脅威)

・染色加工業界における厳しい事業環境の継続

(衣料品市場の縮小、環境規制による原材料価格の高騰、人材不足に伴う製造コスト増加)

・新型コロナ問題による衣料品市場の縮小

(注)ラミネート(加工)とは、生地に別素材の膜(フィルム)を接着剤あるいは熱を加えることなどの方法で接着する加工のこと。

 

 

(3)事業戦略

当社グループ事業セグメントは、繊維事業セグメントと機械製造販売セグメントの2つであり、このうち当社グループの業績の黒字化達成には核である繊維事業セグメントの業績を早期に黒字化することにほかなりません。

繊維事業セグメントにおいては、下記の4つの項目を柱に、これまで課題であった工場の生産性向上、組織的な営業体制の構築を確実に実行し、また、これまで実行してきたことについても一層積極的に取り組んでまいります。

①収益の安定化(既存事業)

・既存衣料事業の安定維持及び商品構造の改編に取り組みます。

・当社の持つ高い技術力、競争力ある商材分野の強化や高付加価値商品の充実を図るとともに、リードタイム短縮の実現といったかねてからの課題に積極的に取り組みます。

②収益源の確立(新製品・サービス、新市場・顧客)

・積極的に新たな取組みに挑むことにより、収益源を確立します。

 (プリントを加工メニューに追加、新規資材分野の取組、倉庫・保管業務の新顧客)

③生産性の向上(コスト削減)

・工場の構造改革を進め、高コスト体質からの脱却に取り組みます。

・電気代や燃料費などエネルギーコストの削減、原材料のムダや不良品発生といったロスの削減、工場整流化、オペレータ多能工化、システム投資により一人当たり生産性の向上を図ります。

④組織営業体制の整備(営業力強化)

・自社製品の販売ビジネス拡大による利益率向上に取り組みます。

・グループである丸井織物サプライチェーンマネジメント事業部との連携強化を図ります。

 

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