当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要および経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、特に重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ15.5%増の5,486百万円となりました。メディカル製品事業では、コロナ禍の影響による手術数の減少が期初から継続していることなどにより売上は低調に推移しましたが、テクノ製品事業では、国内外の売上が共に順調に推移した結果、国内売上高は前連結会計年度に比べ4.0%増の2,181百万円、海外売上高は24.6%増の3,304百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、営業活動の自粛に伴う経費の削減効果はありましたが、売上増加に伴う労務費の増加などにより前連結会計年度に比べ11.1%増の1,256百万円となり、営業利益は売上の増加により前連結会計年度に比べ166.2%増の706百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加に加え営業外収益として円安による為替差益の増加などがあり、前連結会計年度に比べ119.2%増の727百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ366.7%増の536百万円となりました。
営業利益率は12.9%となり、前年同期比7.3ポイント増加しました。経常利益率は13.3%となり、前年同期比で6.3ポイント増加しました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用による当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(テクノ製品事業)
テクノ製品事業では、筆記具用サインペン先、コスメチック用ペン先などの筆記具分野や化粧用途の部材を製造販売しております。当連結会計年度は、国内外の売上が共に順調に推移したことに加えて、高付加価値製品の販売強化、生産性の向上と原価低減などに努めました結果、売上高は前連結会計年度に比べ22.5%増の4,072百万円、セグメント利益は118.0%増の886百万円となりました。セグメント利益率は21.8%となり、前連結会計年度に比べ9.5ポイント増加しました。
海外売上割合の高いテクノ製品事業では、売上は順調に推移しているものの、新型コロナウイルス感染症の長期化に加えて、ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー価格や原材料費の高騰、サプライチェーンの混乱による物流コストの高騰などによりグローバル市場の今後の環境悪化が懸念されます。このような事業環境を背景として、原材料および生産体制の見直しによる価格競争力の向上や高付加価値商品の開発が当面の課題になると判断しており、生産性向上によるコストダウン、開発力の強化などに注力してまいります。
(メディカル製品事業)
当連結会計年度のメディカル製品事業は、コロナ禍の影響による手術数の減少が期初から継続していることなどにより売上は低調に推移しましたが、リモートによる営業活動及びプロモーション活動に取り組み、販売経費の抑制などに努めました結果、売上高は前連結会計年度に比べ0.7%減の1,411百万円、セグメント利益は3.5%増の146百万円となりました。セグメント利益率は10.4%となり、前連結会計年度に比べ0.4ポイント増加しました。
主力製品のベセルフューザーは、麻酔領域および化学療法領域向けの製品が高い評価を得ております。コロナ禍の影響を受けて手術件数が減少したことなどにより売上は低調に推移しておりますが、3回目のワクチン接種が進み新型コロナウイルス感染症が収束するにつれて回復基調に向かうものと判断しております。引き続き、公開講座や学界におけるプロモーション活動に努めるとともに、医療従事者との連携強化や取引先との協働による製品開発や新診療分野への拡販を推進し、グローバル市場への展開を目指してまいります。もう1つの主力製品であるガイドワイヤーは、積極的な営業活動の継続と増産体制の維持に努めてまいります。引き続き、医療機器の安定供給とコストダウンに向けて、製造委託先の海外移管などを含めた再編を進めてまいります。
メディカル製品事業では、医療機器の販売を通じて患者様の痛みからの解放や健康回復に繋げることが、社会貢献の一環となることと認識しており、今後も継続的な社会貢献を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ797百万円増加し、9,441百万円となりました。これは主に、現金及び預金591百万円、原材料及び貯蔵品72百万円、受取手形及び売掛金52百万円などが増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ225百万円増加し、4,024百万円となりました。これは主に、その他の流動負債190百万円、支払手形及び買掛金84百万円などが増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ571百万円増加し、5,416百万円となりました。これは主に、利益剰余金486百万円などが増加したことによるものであります。
自己資本比率は57.4%となり、前連結会計年度に比べ1.3ポイント増加しました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用による利益剰余金の期首残高への影響は軽微であります。
③ キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ567百万円増加し、2,435百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,000百万円の資金の増加(前年 631百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益725百万円、減価償却費284百万円などがあったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、189百万円の資金の減少(前年 181百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出164百万円などがあったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、265百万円の資金の減少(前年 12百万円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入250百万円はあるものの、長期借入金の返済による支出431百万円などがあったことによるものであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
また、グループ内での資金管理は当社が一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
ロ 受注実績
受注生産は行っておりません。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
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