業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は「インターネットで可能性をつなげる、ひろげる」というミッションのもと、主に個人の表現活動を支援するための様々なウェブサービス及びスマートフォンアプリを提供しています。

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要が一服した影響を受け「SUZURI」、「minne」のようなフロー型サービスにおいて、流通額が目標を下回ったものの、「ロリポップ!」、「カラーミーショップ」などのストック型サービスが堅調に推移したことから、売上高は過去最高を記録いたしました。一方で、巣ごもり需要の拡大に伴い、前年下期以降にEC関連サービスの体制強化を行ったことにより人件費等の営業費用が増加いたしました。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高11,879,940千円(前期比7.9%増)、営業利益888,710千円(前期比4.2%減)、経常利益968,287千円(前期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益715,415千円(前期比13.8%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ホスティング事業)

 ホスティング事業には、個人からビジネスまで幅広い用途にご利用頂けるレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」及びドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」等が属しております。

 「ロリポップ!」におきましては、2021年10月にレンタルサーバーの調査においてWordPress利用者満足度など3項目でNo.1を獲得しました。契約件数は「ムームードメイン」との連携強化や、アフィリエイト経由での新規契約獲得により425,982件(前期末比2.1%増)となりました。また、上位プランやオプション機能への誘導強化の結果、顧客単価は398円(前期比6.1%増)となりました。

 「ムームードメイン」におきましては、ドメイン更新料の上昇により顧客単価は増加したものの、新規の契約者数が減少し登録ドメイン数は1,171,750件(前期末比2.5%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は4,807,266千円(前期比5.2%増)、 セグメント利益は1,474,617千円(前期比8.3%増)となりました。

 

 

 

 

(EC支援事業)

 EC支援事業には、月額制ネットショップ作成サービス国内店舗数No.1の「カラーミーショップ」及びオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」等が属しております。

 「カラーミーショップ」におきましては、初期費用無料・月額利用料無料でネットショップを開設できるフリープランの導入を開始したほか、地方銀行や全国商工会連合会との連携を通じ地方創生やDX化促進の取り組みを強化したことから契約件数が46,369件(前期末比12.9%増)となりました。また、販促支援アプリの提供やオプション利用の増加に伴い、顧客単価は3,281円(前期比4.8%増)となりました。なお、当期第2四半期連結累計期間より「カラーミーショップ」の契約件数、顧客単価はフリープランを含めて算出を行っております。

 「SUZURI」におきましては、マスクやボアフリースを始めとした新アイテムの追加や夏季のTシャツセール期間の拡充などを実施した結果、会員数は106万人(前期末比51.1%増)となり、当連結会計年度における流通金額は32億円(前期比31.2%増)と順調に成長いたしましたが、プロモーション等の営業費用も増加いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は4,874,103千円(前期比19.8%増)、セグメント利益は1,117,794千円(前期比7.8%減)となりました。

 

(ハンドメイド事業)

 ハンドメイド事業には、国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」が属しております。2021年11月には、手芸販売専門店「クラフトハートトーカイ」を主力に、手芸用品や衣料品・服飾品、その他生活関連雑貨などを販売する藤久株式会社と業務提携するなど新たな取り組みをはじめました。

 「minne」におきましては、作品を探しやすくするためのカテゴリー追加や作品の特徴を登録できる新機能の追加など、機能面の改善や期間限定クーポンの配付などの販促活動を行った結果、当連結会計年度における流通金額は151億円(前期比1.6%増)となりましたが、コンビニ決済やキャリア決済の比率が低下したことで、決済手数料売上が減少しました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は1,952,812千円(前期比1.9%減)、セグメント利益は225,412千円(前期比0.6%減)となりました。

 

(金融支援事業)

金融支援事業には、連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」が属しております。

「FREENANCE」におきましては、「カラーミーショップ」、「SUZURI」、「minne」などの当社サービスとの連携やフリーランスと関係の強い企業との提携や連携を強化したことにより、請求書買取額は28億円(前期比71.4%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は212,784千円(前期比66.5%増)、セグメント損失は139,813千円(前期におけるセグメント損失は299,382千円)となりました。

 

 

(その他)

その他には、連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するWebコンテンツ制作事業やブログサービス「JUGEM」が属しておりましたが、2021年1月にWebコンテンツ制作事業、2021年4月にブログサービス「JUGEM」をそれぞれ事業譲渡いたしました。

以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は32,972千円(前期比87.2%減)、セグメント損失は12,717千円(前期におけるセグメント利益は47,025千円)となりました。

 

 

 

 

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は6,943,798千円(前連結会計年度末比295,134千円増)となりました。これは、主に現金及び預金が101,794千円減少した一方で、未収入金が217,789千円、売掛金が129,015千円及び関係会社預け金が100,000千円増加したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は1,926,423千円(同363,429千円増)となりました。これは、主に投資有価証券が186,838千円及びリース資産が155,407千円増加したことによるものであります

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は5,694,155千円(同53,991千円増)となりました。これは、主に未払法人税等が120,353千円及び賞与引当金が58,803千円減少した一方で、前受金が226,669千円増加したことによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は222,828千円(同195,738千円増)となりました。これは、主にリース債務が134,323千円及び繰延税金負債が61,777千円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は2,953,237千円(同408,832千円増)となりました。これは、主に配当金の支払いにより利益剰余金が427,470千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴い利益剰余金が715,415千円、その他有価証券評価差額金が66,566千円及び自己株式が60,981千円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,794千円減少し、3,620,663千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は669,077千円となりました。

これは、主に未収入金の増加額218,429千円及び売上債権の増加額129,015千円による減少の一方で、税金等調整前当期純利益1,065,248千円による増加の結果であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は278,351千円となりました。

これは、主に事業譲渡による収入100,813千円及び投資事業組合からの分配による収入59,517千円による増加の一方で、無形固定資産の取得による支出216,072千円、投資有価証券の取得による支出149,000千円及び有形固定資産の取得による支出114,167千円による減少の結果であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は392,520千円となりました。

これは、主にストックオプションの行使による収入54,404千円による増加の一方で、配当金の支払額426,737千円による減少の結果であります。

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループは、インターネットを利用したホスティング事業、EC支援事業、ハンドメイド事業、金融支援事業に加えて、その他の事業の提供を行っており、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

b. 受注実績

当社グループでは、概ね受注から役務提供開始までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

    至 2021年12月31日

販売高(千円)

前期比(%)

ホスティング事業

4,807,266

+5.2

EC支援事業

4,874,103

+19.8

ハンドメイド事業

1,952,812

△1.9

金融支援事業

212,784

+66.5

その他

32,972

△87.2

合計

11,879,940

+7.9

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り                            

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財務状態の分析

当連結会計年度末の財政状態は、流動資産6,943,798千円、固定資産1,926,423千円、流動負債5,694,155千円、固定負債222,828千円、純資産2,953,237千円となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。

b. 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要が一服した影響を受け「SUZURI」、「minne」のようなフロー型サービスにおいて、流通額が目標を下回ったものの、「ロリポップ!」、「カラーミーショップ」などのストック型サービスが堅調に推移したことから、11,879,940千円となりました。

売上原価は、ムームードメインのドメイン登録手数料等の支払手数料が2,312,794千円になったこと、SUZURIの流通金額拡大に伴い外注加工費が1,575,711千円になったこと、従業員の増加や待遇改善に伴う人件費(賃金・法定福利費・退職給付費用)が675,242千円となったこと等により、5,147,306千円となりました。

販売費及び一般管理費については、従業員の増加や待遇改善に伴う人件費(給料手当・賞与・賞与引当金繰入額・法定福利費・退職給付費用)が1,908,209千円、サービス利用料金回収代行業者への支払手数料等が1,473,261千円、好調のEC関連サービスを中心としたプロモーションコスト(広告宣伝費、販売促進費及びポイント引当金繰入額)が1,109,970千円になったこと等により、5,843,923千円となりました。

また、営業外収益は、投資事業組合運用益が45,414千円であったこと等により、93,688千円となりました。営業外費用は、投資事業組合運用損が3,000千円であったこと等により、14,111千円となりました。

そして、特別利益は、事業譲渡益が96,960千円となりました。

これに法人税、住民税及び事業税311,693千円及び法人税等調整額38,139千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は715,415千円となりました。

c. キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,620,663千円となりました。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」において記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、既存サービスのブランド力、顧客基盤や運営ノウハウとのシナジーが見込める業務提携、M&A等を積極的に取り組んでいく方針であります。
 そのため、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びM&Aになります。また、当社グループの資金の源泉は、主として、営業活動によるキャッシュ・フローによるものです。なお、新規サービスの急拡大やM&Aなどにより、資金が必要となった場合には銀行借入に加え、親会社GMOインターネット株式会社のCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)からの調達など、資金調達の多様化を図っております。

 

d. 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めております。

当社グループの経営環境をとりまく諸要素に鑑みますと、ホスティング、EC支援及びハンドメイドの事業領域における市場環境はいまだ活況であり、今後も新規参入及び価格競争激化の可能性がございます。当社グループといたしましては、高付加価値のサービスを提供し続ける企業として、市場での確固たるポジションを確立するために、経営効率の向上と適切な経営判断に努めてまいります。

e. 事業等のリスクに記載した重要事項等の分析及び検討内容並びに対応策

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性がありますが、当社グループは、当該状況を解消及び改善すべく、以下のとおり対応してまいります。

創業時より当社はホスティング事業への依存度が高くなっておりますが、近年は、EC支援事業及びハンドメイド事業領域において、集客力の強化と流通額の拡大に注力しております。巣ごもり需要やEC利用の拡大もあり、EC支援事業及びハンドメイド事業の全事業に対する売上高の構成比が前々年度は46.1%、前年度は55.1%、当連結会計年度では57.4%と過半数を超える水準まで増加しました。

技術革新の分野においては、WEBアプリケーションのみならず、モバイルアプリケーション分野の技術力を向上させるための活動への支援や、開発体制の強化による継続的な運用が可能な体制づくりを行っております。また、システムトラブルへの対策については、サーバー再構築や恒常的な構成改善によってシステムトラブル発生の軽減に努めており、引き続きサービスの安定的な提供のための対策を進めてまいります。

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