文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは、「創造と貢献」という経営理念のもと、新しい価値を創造して、社会に貢献し、世界中のみなさまの「心の豊かさ」と「幸せ」に寄与貢献する「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」となることを目指します。その実現には以下の経営方針をもってあたります。
経営基本方針
① 最高のコンテンツの創発
素晴らしいコンテンツを通じて、お客様に最高の感動を提供する
② 成長性と収益性の実現
経営基盤を安定化させ、更なる発展を目指す
③ 社員の福祉の向上
業績と福祉の向上により、活力に満ちた魅力ある企業となる
④ 新分野への挑戦
社会にとって役に立つ新しさの実現にチャレンジし続ける
2023年3月期経営方針
「グローバルIPの創造と展開」
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、成長性と収益性の実現により企業価値を高めてまいりますが、重要な経営指標としては、売上高営業利益率30%以上を目標としています。
なお、売上高営業利益率の推移は下表のとおりです。
|
売上高営業利益率 |
平成30年3月期 |
30.1% |
平成31年3月期 |
31.0% |
令和2年3月期 |
33.1% |
令和3年3月期 |
40.4% |
令和4年3月期 |
47.5% |
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① コンテンツ・クリエイション戦略
様々な分野に独創性溢れるエンタテインメント・コンテンツを提供し、幅広い年齢層にコーエーテクモファンを広げる
② コンテンツ・エキスパンション戦略
IPを多方面に展開して、総合的なIPの商品力を高め、新しいファンを獲得する
③ グローバル・ロジスティックス戦略
開発・販売のグローバル化を推進し、コストダウンによる収益力を強化するとともに、海外で新たなファンを開拓する
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、更なる成長性と収益性の実現を、当社の対処すべき重要な課題であると認識しています。
① 成長性の実現
培った有力IPと高度な開発力をベースにナンバリングタイトルの伸長を図るとともに、コラボレーションビジネスや新規IPの創出などを通じて「グローバルIPの創造と展開」を推進し、ブランド価値の最大化を目指してまいります。また、スマートフォンゲームやダウンロード販売等のデジタル分野も大きなビジネスチャンスととらえ、一層の強化を図ります。
② 収益性の実現
海外開発会社の有効活用やプロジェクト損益のきめ細やかな管理を通じて目標とする売上高営業利益率の達成を目指します。また、開発プロセスの改善に取り組み、品質向上、納期遵守、予算の徹底に努め、高い収益性を実現してまいります。
(5)次期の見通し
今後の景気見通しについては、ウクライナ情勢による物価上昇や資源・エネルギー価格の高騰など、不確実性が高まりつつあります。
グローバルのゲーム市場では、ハードウェアの普及やスマートフォンゲーム分野の成長が見込まれます。また、クラウドゲーミングや有料会員制サービスといったビジネスの多様化や、メタバースの発展により、ゲーム市場はさらなる成長が期待されます。
このような経営環境下において、当社グループは、グループビジョン「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」のもと、成長性と収益性の実現に向け挑戦を続けるとともに、「クオリティ&サティスファクション」を商品コンセプトに、高い品質によって大きな満足を提供し、世界中のお客様の心の豊かさや幸せに寄与貢献してまいります。
2022年3月期に始まった3ヶ年の中期経営計画の最終年度の利益目標を初年度で達成したため、2023年3月期より新たな3ヶ年の中期経営計画を開始します。2025年3月期に売上高1,000億円、営業利益400億円、経常利益500億円を計画しております。重点目標として、パッケージゲームでは500万本級タイトルの実現と毎期200万本級タイトルの発売、スマートフォンゲームでは月商20億円タイトルへのチャレンジと複数の月商10億円タイトルの創出に取り組みます。
2023年3月期は、12期連続の増益を牽引したグループ経営方針「グローバルIPの創造と展開」を引き続き掲げています。グローバルIPを創造し、プラットフォーム、ジャンル、コラボレーション、ライセンス、タイアップと多方面に展開することで、更なる成長性と収益性を実現します。
エンタテインメント事業では、パッケージゲームの大型タイトルや複数の新作を発売し、スマートフォンゲームの新規タイトルを配信することを計画しています。コーエーテクモゲームスにIP事業部を新設し、IP許諾やコラボレーション展開を推進します。上海に新会社の設立を予定し、中長期的に中国ビジネスの拡大を図ります。また、3月にオープンした「KOEI TECMO SPOT」を活用し、さらなる商品展開を進めます。
アミューズメント事業では、既存店の収益性の向上に取り組むとともに、新規出店を計画しています。スロット・パチンコでは、受託開発業務や版権許諾を推進します。
不動産事業では、ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaにおいて、引き続き感染症対策を徹底しながら、収益性の改善に取り組みます。その他の運用不動産についても物件管理の向上を進めてまいります。
2023年3月期は3ヶ年の中期経営計画の初年度にあたり、年度を跨いだ大型タイトルの開発を予定していること、またIP許諾収益について保守的に見ていることから、単年度としては減益の計画としておりますが、最終年度である2025年3月期の利益目標(売上高1,000億円、営業利益400億円、経常利益500億円)に向けて成長を図ってまいります。
これらにより、2023年3月期の業績は売上高770億円(前年同期比5.8%増)、営業利益325億円(同5.9%減)、経常利益425億円(同12.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益315億円(同10.9%減)を見込んでおります。
(注)上記の業績予想数値は、いずれも業界の動向、国内及び海外の経済状況、為替相場、新型コロナウイルス感染症の影響などの要因について、現時点で入手可能な情報をもとに行った見通しであります。そのため、上記数値はこれらの要因の変動により異なる可能性があります。
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