課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社経営の基本方針

当社グループは、「世界と自分をワクワクさせろ」をミッションとして掲げ、エンタテインメントコンテンツで世界のユーザーを一つにつなげるべく、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発、運営を行っております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループでは、既存タイトルの長期的な安定運用をベースに新規ゲームタイトルを上積みすることで収益を拡大させること及びそのための機動的な投資戦略を実現させる安定した財務基盤の構築が、経営の最重要課題だと認識しております。こうした観点から、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益の経営指標を重視しております。

 

(3) 経営環境

当社グループが事業を展開するオンラインゲーム市場においては、近年、世界的な通信網の整備やスマートフォンの普及に加え、商圏のボーダーレス化により、市場のすそ野はグローバルに拡大してまいりました。これに伴い、競合企業は国内のみならず、全世界のディベロッパーへと広まっております。さらに、市場競争力のあるゲームに求められる品質も年々高まっており、開発の高度化や多様化などに伴い1タイトルあたりの開発コストが高止まりするなど、事業環境は厳しさをいっそう増しております。

一部の先進国においては成長が鈍化し、成熟期を迎えておりますが、アジア圏はじめ新興市場は今後も大きな成長が見込まれ、当社グループが一段と飛躍していくための機会は十分あると認識していることから、当社グループは、引き続き、良質なグローバルでのモバイルオンラインゲームコンテンツの提供を中心に、事業を拡大させてまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、多くのファンを有する人気のIPを活用してモバイルオンラインゲームを開発し、それをグローバルで展開することを事業の主軸としております。また、これらをより長期で安定的に運用することで、持続的な事業成長を果たしてまいりました。上述のように、経営環境は激化しておりますが、当社が今後も中長期で持続的に事業成長を果たしていくために、以下の3つの基本戦略に基づき、収益基盤の強化と新たな成長ドライバーとなるタイトルの創出の実現に注力してまいります。

 

<基本戦略>

① 既存タイトルの安定運用で利益を積み上げる

・ 運営努力による減衰の抑制、配信エリアの拡大やマネタイズ手法の追加等によりトップラインの維持に努める

・ 開発・運営の効率化によりコストを圧縮、利益を確保

 

② 新規タイトルのヒットで売上・利益を積み上げる

・ 高い人気と熱量を有しているIPを獲得し、グローバルで配信

・ 得意ジャンルに絞り、当社の強みを活かしたゲームを開発

・ 実績のある外部開発会社との取り組みを増やすことで、パイプラインを増やす

 

③ 従来のゲーム開発・運営以外の収益源を確保する

・ カジュアルゲームや支援モデルで従来のゲーム以外でも収益を獲得

・ ゲーム事業とシナジーのある周辺事業を模索

 

④ ブロックチェーン関連事業への参入

・ オリジナルIPの活用やIPホルダー企業との協業などを通じて、NFTやメタバース関連のプロジェクトを推進

・ これまでのモバイルオンラインゲーム事業にて培った知見を活かし、ブロックチェーンゲームを開発

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが現時点で認識している課題は、以下のとおりです。

 

① ヒット率の向上

当社グループの企業価値向上のためには、モバイルオンラインゲームのヒット率を上げ収益を拡大させることが重要であると認識しています。

早い段階からのゲームレビューを繰り返し、ヒットの可能性が低いと判断したゲームは開発を中止し、ヒットの可能性が高いタイトルへ開発リソースを集中させることにより、ヒット率の向上を目指します。

また、人気IPを獲得し、人気IPを用いたゲーム開発を主軸としていきます。自社IPについても、アニメーション、漫画、ライトノベル、音楽などに関連する業界各社と連携し、育成していきます。

 

② 1タイトル当たりの収益の最大化

新作タイトルの開発期間が長期化しているため、企業が継続して成長していくためには、既存タイトルの減衰を小幅に留め、長期的な運用を実現することが不可欠となります。ユーザーが継続して長きに渡って楽しんで頂くために、ゲームのアップデートなど新しい価値を提供し、減衰率の低減を目指してまいります。

また、1タイトル当たりの売上をより一層拡大させていくためには、海外での収益獲得も重要な課題の一つであると認識しています。主要な欧米や中華圏に加え、中東や成長著しい東南アジア及び中南米へ積極的に事業展開していきます。その他、PCなどの他プラットフォームや別デバイスへのゲーム提供、コストコントロール並びに生産性向上にも取り組んでまいります。

 

③ 開発のマネジメント

業界全体の傾向として、年々高まるゲームの品質に合わせ、開発期間の長期化並びに開発体制の大規模化が大きな課題となっております。あわせて、近年はパイプラインの増強を図るべく、パートナー企業との共同事業も増加していることから、新規開発の管理はより一層難しさを増しております。

計画通りにリリースするために、開発マイルストーンの緻密化や、横断組織などの第三者が課題や問題を検知するなど、随時開発プロセスの改善を図ってまいります。

一方で、計画を優先するために品質が低い状態でリリースすることは、ヒット率を著しく下げてしまう要因となります。当社グループの基本方針としては、計画通りリリースできるよう最大限の努力を払いつつも、市場競争力のある品質が担保できていない場合は、リリース計画を変更し、品質向上を優先いたします。

 

④ コストコントロール

開発期間の長期化及び開発体制の大規模化に伴い、総開発コストが高騰傾向にあるなか、売上のボラティリティが高いゲーム事業を運営しながらも安定的に利益を創出するためには、コストコントロールが重要と考えております。内部開発におきましては、外部発注や業務委託を多用し外製比率を高めることでコストを変動費化し、売上のボラティリティへの対応力を高めるほか、費用の大きな割合を占める広告宣伝費におきましても、精密にKPI分析と広告の効果測定を行うことで費用対効果の高いマーケティングを展開していきます。

さらに、開発タイトルの一部をパートナー企業様と共同事業とすることで、開発費用を分担しリスク分散を図っていきます。

 

⑤ 新技術の活用

当社グループが属するモバイルオンラインゲーム業界は、技術革新が絶え間なく行われています。

当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、こうした様々な新技術をゲーム開発に活かすべく、研究開発していく必要があると認識しています。そのため、ゲームタイトル毎に編成されるプロジェクトチームとは別に、研究開発および共通基盤開発の各部署を設けて、研究開発を進めています。

 

⑥ 新規事業への挑戦

当社グループの主力事業であるモバイルオンラインゲームは、1タイトル当たりの開発費の高騰や競争激化により、事業リスクは年々増加傾向にあります。このような事業環境の中、当社グループの強みやノウハウを活かし、新規事業へ挑戦していくことは、企業の持続的な成長及び安定的な収益基盤確立のためには重要であると認識していることから、中長期を見据え積極的に取り組んでいきます。

 

⑦ サービスの健全性向上と消費者の安全性確保

業界全体が一体となり利用者が安全かつ安心して利用できる環境を提供し続けていくことが、業界に対する信頼性の向上ひいては業界全体の発展に寄与するものと認識しています。

関係機関や同業他社等と適時適切に連携し、ユーザーが安心して当社グループのサービスを利用できるよう努めていきます。

 

⑧ 優秀な人材の確保及び育成

当社グループは今後より一層の事業拡大のために、人材の確保及び育成を重要な課題と認識しております。優秀な人材を採用することはもちろん、当社グループのミッション、ビジョンを体現し、将来的に企業を牽引していく人材を育成すべく、採用活動、教育研修、人事制度改革などに継続して取り組んでまいります。

 

⑨ コーポレートガバナンスの強化

当社グループが持続的な成長を維持し、長期にわたって事業継続していくためには、ステークホルダーとの信頼と期待に応えるべく、経営の健全性・透明性のある体制を確保することが重要な課題であると認識しております。その実現のため、内部管理体制及びコーポレートガバナンスの更なる強化・充実に努めていきます。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得