業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における世界経済は、感染症、ウクライナ情勢、各国の財政・金融政策等で大きな影響がありました。感染症では、現在は影響が緩和されておりますが、期初にはオミクロン変異株の影響で急速な感染再拡大となったことから混乱がありました。2022年2月からのウクライナ情勢の緊迫化は、それまでの世界同時的な景気回復等による物価上昇を一段と進行させ、更には中国の都市封鎖に端を発したサプライチェーンの不確実性が、世界経済の先行きを不透明なものとしました。また各国での金融引締めの進展等を背景に世界経済減速リスクが高まったことで金融市場を始めとした多くのマーケットで混乱を見せております。

国内においては、感染症拡大がありながら3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークを迎えるなど社会経済活動の正常化に向けた動きが進み個人消費や雇用情勢に回復の兆しが見られました。一方で、ウクライナ情勢は直接的な影響は限定されたものの、世界的な商品市況や消費者物価が高騰したこと、また欧米での金利上昇等の影響による急速な円安などから、先行き不透明な状況は継続しております。

当社グループが属する情報サービス産業は、業界全体で人材不足という大きな課題の中、旺盛な需要に支えられて順調に推移しております。経済産業省が公表している特定サービス産業動態統計調査での月次売上高推移を見ても、2022年3月こそ前年同期を下回ったものの、それ以降は前年同月比4.2~8.4%超の伸びとなっております。また、2022年10月に発表された日銀短観において、ソフトウェア投資計画(全産業)が前年度比20.4%増となるなど、国内経済環境で不透明性、不確実性が増す中で、逆にIT投資の重要性が浮き彫りになりました。

このような環境下、当社グループは2021年10月からスタートした中期経営計画(5ヶ年)の1年目が終了いたしました。5年間の成長率を6%と計画していた中で、初年度である当連結会計年度の売上高は前期比12.7%の伸び、また利益も順調に計上できたことなど、人材育成を進めながら、企業価値向上への鍵となるDX人材投資の更なる原資を形成することができました。今後は当期新設したDX専門組織によるDX人材の採用、育成を更に加速し、計画通りに内部成長を確実に行い、大きな成長に繋げていく所存です。

足元の事業展開としては、DXに関係する技術と実績を持ち合わせている企業が多くはないこともあり、DX

案件の引き合いが加速度的に増えております。アジャイル開発やクラウド、ビッグデータ分析処理を中心としたCAMBRIC領域での提案を増加させたことで、Fintechや医療など高度領域、また小売・流通、人材サービスやヘルスケア販促など各種サービスのDX化案件、更には官公庁関係の多種多様な案件等で受注を伸ばすことができました。また、モバイルアプリ開発も本格開始しております。

引き続き“Value Engagement Partner”として、DX技術を通じて新たな価値を提供すること、ESG経営により新たな価値を創出することをVISIONとし、更なる企業価値向上を目指してまいります。既存DX技術だけでなく、中長期での利益率向上に資するべく、新規技術領域へも積極的に取り組んでまいります。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高14,655,072千円(前年同期比12.7%増)、営業利益1,815,396千円(同12.2%増)、経常利益1,829,211千円(同12.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,242,698千円(同13.4%増)となりました。

なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて33,994千円減少し、3,637,693千円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は956,583千円(前年同期は1,163,855千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,819,029千円の収入があったこと、売上債権の増加額613,350千円、法人税等の支払額537,662千円があったこと等によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は171,473千円(前年同期は139,036千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出108,838千円、保険積立金の積立による支出50,711千円、有形固定資産の取得による支出44,268千円があったこと、投資有価証券の売却による収入45,590千円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は819,105千円(前年同期は176,150千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額397,875千円、自己株式の取得による支出331,980千円があったこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループはソフトウェアの開発・保守等に係るサービスの提供を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発サービス

14,730,182

114.3

1,215,607

104.3

合計

14,730,182

114.3

1,215,607

104.3

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発サービス

14,655,072

112.7

合計

14,655,072

112.7

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

第一生命情報システム(株)

1,438,774

11.1

1,781,130

12.2

(株)エヌ・ティ・ティ・データ

1,124,318

8.6

1,675,720

11.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

当連結会計年度における売上高は、14,655,072千円(前年同期比12.7%増)となりました。主な販売先は第一生命情報システム株式会社1,781,130千円(売上高に対する割合12.2%)、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ1,675,720千円(同11.4%)、東芝デジタルソリューションズ株式会社1,333,597千円(同9.1%)であります。

b.売上原価、売上総利益

売上原価は外注費や人件費の増加等により前期比12.8%増の11,528,986千円となり、売上高に対する割合は78.7%となりました。

売上総利益は売上高の増加及びプロジェクト管理の強化により、前期比12.4%増の3,126,086千円となり、売上高に対する割合は21.3%となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は積極的な中途採用による採用費の増加等により前期比12.7%増の1,310,690千円となり、売上高に対する割合は8.9%となりました。

営業利益は、売上総利益の伸びでカバーし、前期比12.2%増の1,815,396千円となり、売上高に対する割合は12.4%となりました。

 

d.営業外損益、経常利益

営業外収益は前期比28.0%減の24,185千円、営業外費用は前期比49.6%減の10,370千円となりました。

経常利益は前期比12.1%増の1,829,211千円となり、売上高に対する割合は12.5%となりました。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等合計が前期比12.3%増の576,330千円となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.4%増の1,242,698千円となり、売上高に対する割合は8.5%となりました。

 

なお、経営成績等の状況の概要については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 当連結会計年度の財政状態の分析

a.資産の部

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度と比べて748,620千円増加し、7,795,804千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて570,258千円増加し、6,139,208千円となりました。これは主に、売掛金が584,409千円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて178,361千円増加し、1,656,596千円となりました。これは主に、投資その他の資産が247,287千円増加したこと、無形固定資産が84,961千円減少したこと等によるものであります。

 

b.負債の部

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べて168,118千円増加し、2,394,839千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて314,338千円増加し、2,098,844千円となりました。これは主に、買掛金が55,408千円、1年内返済予定の長期借入金が94,066千円、その他の流動負債が100,666千円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて146,220千円減少し、295,994千円となりました。これは主に、長期借入金が169,116千円減少したこと等によるものであります。

 

 

c.純資産の部

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて580,502千円増加し、5,400,965千円となりました。これは主に、利益剰余金が849,521千円増加したこと、自己株式の取得により331,980千円減少したこと等によるものであります。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループのキャッシュ・フローの状況の概要については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、外注費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しております。

ただし、①大規模プロジェクトなどの案件によって立替が先行する場合、②M&Aによる買収資金の手当てが必要な場合や、③緊急時の対応等を鑑みて金融機関との良好な関係を維持することを目的とした場合には、金融機関からの調達を行うこととしております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は336,666千円、現金及び現金同等物の残高は3,637,693千円であり、当面の資金需要に十分対応できる資金を保有しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得