課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、もはや生活インフラとなったインターネットが、いまだに利用にあたりITリテラシーを必要とする現状を変え、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとして、創業以来すべての人々が等しくインターネットのもたらす創造性・便利さを享受できるようサポートする製品・サービスの開発に尽力しております。

また、常に新しい分野において積極的に研究開発を行い、知的財産を構築することにより、新しい市場の創出とイノベーションの創出を同時に行うことで、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、『1.IoTプラットフォームサービス』、『2.リモートマネジメントサービス』、『3.サポートサービス』、『4.その他サービス』の4サービスを展開しており、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを実現するため、以下の3つの成長戦略により事業の拡大を図ってまいります。

 

① 既存製品・サービスによる国内シェアの拡大と潜在市場の開拓

・エンタープライズ向けの強固なセキュリティ技術・製品群提供によるシェア拡大

・豊富な特許群を組み込んだ独自製品・サービスによる優位性の拡大

・継続的なプラットフォームへの開発投資によるプラットフォーム強化

・販売チャネルの販売力とカバレッジの広さを利用した販売拡大

・成長市場でのシェア1位を利用したアライアンス戦略の推進、及び相互シナジーによる価値提供

・新たに創出される市場・環境変化への製品・サービスの展開

 

② 既存製品・サービス延長領域(周辺領域)による市場創出

・オフィス業務の効率化・コスト削減を実現するCorporate DXの推進

 

③ 新規製品・サービスによる市場創出

・AI・IoT・Robotics市場の研究開発及び製品・サービス展開

・各産業領域とITの組み合わせによる産業構造の再構築(農業、医療、建設など)、Industrial DXとしての推進

・デバイスマネジメントテクノロジーとビッグデータを活用した製品・サービス展開

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2023年3月期も引き続き「第4次産業革命」において中心的な企業となるための開発投資が重要であると考えております。そして、売上高の増加がこの投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加を客観的な指標として重視しております。

 

(4) 経営環境

昨今、AI・IoT・Roboticsなどの技術進歩は目まぐるしく、あらゆる産業において、新しい技術革新である「第4次産業革命」が起こりつつあります。AI・IoT・Roboticsが融合することで、生産・製造現場の効率化にとどまらず、全ての産業を変えるインパクトを持つものと考えられています。

また一方で、長期にわたる全世界的規模での新型コロナウイルスの感染拡大が問題となっております。この影響により、人々の社会生活は一変し、いわゆるニューノーマルとしての変革が起こり、今までになかった様々なニーズが生みだされております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。

① 売上の拡大

当社グループのビジネスモデルは、ストック型のライセンス収入を中心とした売上構造となっております。また、当社グループが展開するEMMやMDMをはじめとする既存の市場は堅調に拡大を続けております。その市場の中での当社の位置づけも引き続き優位な状況であり、今後もこの傾向で推移するものと想定しております。

当社グループでは、現在展開中のサービスについて、市場の将来性やその市場における当社グループの優位性、市場シェア、競合他社の状況等、様々な観点から検討を重ね、注力すべきサービスの優先度を決定いたしました。

その優先順位に基づき、キラーサービスの開発を強化するために積極的な成長投資を行うとともに強固な販売網を活用し、キラーサービスの販売を促進することで、将来的な安定成長を支えるストック売上の底上げを図ってまいります。

 

② 開発人員の拡充と組織の強化

当社グループの主要な収入源であるソフトウェアサービスライセンスにおいては、複数の大規模プロジェクトに対応するために開発部門人員の拡充及び開発体制の強化が最重要課題となっております。当社グループでは、エンジニアの人数自体が競争力の源泉となると考え全社一丸となり採用活動に取り組んでおります。

一方で、当社グループの事業分野であるIT関連の人材、特にAI関連の人材については、エンジニア不足が顕著となっております。優秀なエンジニアを獲得していく他、現在の開発人員に対して研修や勉強会を実施するなど組織の底上げを図るとともに、人事制度や給与制度の見直しを行い退職リスクの削減にも努めてまいります。

また、プロジェクトに合致した技術を有している派遣社員を活用し、プロジェクトマネジメント手法の改善等により更なる開発体制の強化・改善を図ってまいります。

 

③ 知的財産戦略の強化

当社グループは、「事業成長の源泉はイノベーションにある」と考えており、創業以来、研究開発活動に積極的に取り組んでまいりました。特に2018年3月期からは、「第4次産業革命」において中心的な企業となるための足がかりを作るため、研究開発部門の人員体制及び運営体制の強化に取り組んでまいりました。

また、知的財産権は、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。

このような取り組みの一例として、令和3年度九州地方発明表彰で文部科学大臣賞を受賞した「契約書管理システム」 (特許第6290459号)が挙げられます。この特許は2021年5月発表の新サービス「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化したものとなります。

また、取り組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2021年12月の世界知的所有権機関(WIPO)主催シンポジウムでは、当社代表取締役社長の菅谷から知財を活用した第4次産業革命への挑戦について講演しました。また、直近ではWIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)にて、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。

今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。

 

④ 新型コロナウイルス感染拡大の影響

当社グループは、リモートワークを導入するなど従業員の安全を最優先に考え、対策を講じておりますが、業務遂行への影響は軽微であると判断しております。

また、当社グループの売上の中心であるストック型のライセンス収入は、新型コロナウイルス影響下におけるDXサービスの浸透もあり順調に推移しております。

一方で、新型コロナウイルスの感染終息が見通せない中で、政府の各種政策やワクチンの普及等により個人消費や企業収益が徐々に回復に向かうことが期待されているものの、国内外において渡航制限や経済活動制限等の規制が続いており、景気は依然として先行き不透明な状況にあります。当社グループにおいても、特にパートナー企業が当社グループサービスを導入する際に発生するカスタマイズ収入については、パートナー企業のコロナ禍での方針や施策の変更による影響を受ける場面が出ており、今後の新型コロナウイルスの罹患の状況や、それが社会に与える影響等が不透明である現在において、当社グループに与える影響がどの程度になるのかは不透明な側面があります。

万が一、今後も感染拡大が長期化し、終息へ向かわない場合、景気自体の減衰に繋がり、当社グループへも影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ プライム市場の上場維持基準への適合

当社は、2022年4月の株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において、プライム市場に移行いたしましたが、「流通株式比率」については、基準を充たしておりません。今後、当社が中長期的な企業価値の向上を図るうえにおいては、その前提として当社がプライム市場の上場維持基準を充足することが重要な経営課題になるものと考えております。

当社は、2022年6月30日付け提出の「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」に基づき、流通株式比率の適合に向けた取り組を実施することで、2027年3月期を目途に、上場維持基準を充足させていく方針です。

 

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