(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度においては、COVID-19の影響により、経済の先行き不透明感が強い状況にあります。
また、世界的な半導体不足によるハードウェア製品等の生産減の影響が生じる一方、クラウド環境への移行などDXへの積極的な投資が継続しております。当社グループは引き続き、クラウド関連製品・サービスの提供、SaaS(*8)事業の強化に取り組み、顧客のDX推進に資する高付加価値の製品・サービスを提供しております。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から201百万円減少し、6,649百万円(前連結会計年度末比2.9%減)となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末から551百万円減少し、4,752百万円(同10.4%減)となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末から349百万円増加し、1,897百万円(同22.6%増)となりました。
イ 資産
流動資産は、商品の減少484百万円等の要因により、5,774百万円(前連結会計年度末比4.7%減)となりました。
固定資産は、投資有価証券の増加55百万円、繰延税金資産の増加44百万円等の要因により、875百万円(同10.5%増)となりました。
この結果、総資産は、6,649百万円(同2.9%減)となりました。
ロ 負債
流動負債は、買掛金の減少628百万円、前受金の増加328百万円等の要因により、4,268百万円(前連結会計年度末比10.2%減)となりました。
固定負債は、長期借入金の減少109百万円等の要因により、483百万円(同12.5%減)となりました。
この結果、負債合計は、4,752百万円(同10.4%減)となりました。
ハ 純資産
純資産合計は、利益剰余金の増加281百万円等の要因により、1,897百万円(前連結会計年度末比22.6%増)となりました。
(b) 経営成績
当連結会計年度における売上高は15,725百万円(前年同期比6.0%増)となり、11期連続の増収を達成し、過去最高の売上高となりました。
利益面では、営業利益は358百万円(同51.7%増)、経常利益は400百万円(同56.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は367百万円(同18.6%増)となりました。
当社グループの重視する経営指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は448百万円(同36.1%増)、ROIC(営業利益×(1-実効税率)÷(株主資本+有利子負債))は10.0%(前年同期は6.9%)となりました。
イ 売上高
オープンシステム基盤事業の売上高は9,588百万円(前年同期比7.9%増)、アプリケーション事業の売上高は6,136百万円(同3.0%増)となりました。全体としては、15,725百万円(同6.0%増)となりました。
ロ 売上総利益
売上総利益は、オープンシステム基盤事業の増収等により、4,884百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
ハ 営業利益
販売費及び一般管理費は、前年同期と比べ297百万円増加し、4,526百万円となりました。この結果、営業利益は358百万円(前年同期比51.7%増)となりました。
二 経常利益
デリバティブ評価益、持分法による投資利益等の計上により営業外収益は106百万円、為替差損等の計上により営業外費用は64百万円となりました。この結果、経常利益は400百万円(前年同期比56.1%増)となりました。
ホ 税金等調整前当期純利益
固定資産除却損、投資有価証券評価損等の計上により特別損失は3百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は396百万円(前年同期比3.2%減)となりました。
ヘ 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等で28百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は367百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
当社グループは経営指標としてEBITDA、ROICを重視しており、中期経営計画において、それぞれの目標値を掲げています。2021年度は、EBITDAが目標の410百万円に対して448百万円、ROICが目標の9.2%に対して10.0%と、いずれも目標を達成しました。主な要因としては、利益率の高い自社製品の売上高が想定を上回ったこと等が挙げられます。
また、各セグメントの経営成績は、次のとおりとなりました。
(オープンシステム基盤事業)
COVID-19拡大を背景として、顧客におけるDXへの積極的な投資が継続しており、Red Hat Enterprise LinuxをはじめとするRed Hat, Inc.関連商品は順調な増収、主力自社製品である「LifeKeeper」は堅調な増収となりました。これらにより、売上高は9,588百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は352百万円(同44.6%増)となりました。
(アプリケーション事業)
金融機関向けシステム開発・構築支援が減収となったほか、前期において放送局向けWebサービス事業及び社会公共アウトソーシングサービス事業を他社に移転したことも減収要因となりました。一方、MFP向けソフトウェア製品は、前期までにサブスクリプション方式で契約した分が今期の売上に貢献したことにより、好調な増収となりました。「Gluegentシリーズ」も好調な増収となりました。また、システム開発・構築支援は順調な増収、金融機関向け経営支援システム販売は堅調な増収となりました。これらにより、売上高は6,136百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は4百万円(前年同期は8百万円の損失)となりました。
(*8)SaaS
Software as a Serviceの略。ソフトウェアをクラウドサービスとして提供すること。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ420百万円増加し3,148百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益396百万円、たな卸資産の減少429百万円等の要因により、営業活動により得られた資金は587百万円(前年同期は649百万円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の払戻による収入130百万円等の要因により、投資活動により得られた資金は58百万円(前年同期は151百万円の獲得)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済123百万円、配当金の支払87百万円等の要因により、財務活動により使用した資金は267百万円(前年同期は182百万円の使用)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、我が国における一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行っているものがあります。このため、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。
(a) 貸倒引当金
当社グループでは、得意先の業績悪化等による債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討しております。
(b) 受注損失引当金
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失金額が合理的に見積ることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。しかしながら、予定費用を著しく超過した場合、受注損失又は追加の引当金計上が必要となる可能性があります。
(c) 退職給付に係る会計処理の方法
当社及び一部の国内連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
また、一部の国内連結子会社は、企業年金制度については、直近の年金財政計算上の数理債務をもって退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(d) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき当連結会計年度に見合う分を計上しております。
(e) 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(f)固定資産の減損処理
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュフローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針として、継続的なキャッシュ・フローの創出及びバランスシートの健全化を重視し、営業活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金同等物を内部資金の源泉と考えております。当社グループの資金需要は、運転資金のほか、研究開発及びM&A等の投資資金があります。これらの資金需要に関しては、主に内部資金で賄いますが、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達も実施いたします。
資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、3,148百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、複数の金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。
当社グループは、EBITDAとROICを経営指標としており、2022年度の中期経営計画においては、下記の数値を目標としております。
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
2.ROIC=営業利益×(1-実効税率)÷(株主資本+有利子負債)
3.ROICは実効税率35%を前提として計算しております。
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