業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 日本におけるゲーム市場は、家庭用ゲームソフトの好調な販売とモバイルゲーム市場の緩やかな拡大に支えられ、2019年の国内ゲーム市場は前年比3.8%増加の1兆7,330億円※1となりました。

 一方、世界におけるゲーム市場も引き続き成長を続け、スマートフォンの普及拡大に加え、家庭用ゲーム市場やPCオンラインゲーム市場も成長を続け、2019年の世界ゲームコンテンツ市場は前年比19.1%増加の15兆6,898億円※1となりました。しかしながら、2020年に入り新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経済活動全般が停滞し、一部では持ち直しの動きが見られるものの、依然として先行き不透明な状況にあります。

 このような状況の中、当社では引き続き「新規価値の創造」に向けグローバル配信を見据えたゲーム開発に注力すると共に、「既存価値の最大化」を図るため各ゲームのMAU(Monthly Active User:月に1回以上ゲームにログインしている利用者)の維持・拡大やゲームブランドの強化に取り組んできた結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、主にスマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」(以下「パズドラ」)及び「Ragnarok」シリーズが順調に推移したことで、対前年度比で僅かに減収となったものの、営業利益は増益となりました。

 既存ゲームにつきまして、「パズドラ」は引き続き長期的にお楽しみいただくことを主眼に、新ダンジョン等の追加、ゲーム内容の改善、他社有名キャラクターとのコラボレーションなど、継続的にアップデート及びイベントを実施し、MAUは引き続き堅調に推移いたしました。その結果、「パズドラ」は2021年3月20日に国内累計5,700万ダウンロードを突破しております。また、「ラグナロク マスターズ」についても、継続的なイベントの実施により、MAUは引き続き安定的に推移いたしました。

 新規ゲームにつきまして、2020年6月25日 ※2 にサービスを開始したNintendo Switch TM 向け対戦ニンジャガムアクションゲーム「ニンジャラ」は、コラボレーションイベントやオンライン大会の実施、新マップや新武器の実装、幅広いクロスメディア展開の実施、グッズの販売等、ユーザー層の拡大に取り組んでまいりました。その結果、「ニンジャラ」は2021年1月18日に世界累計600万ダウンロードを突破しております。

 子会社の事業につきまして、GRAVITYグループが配信している「Ragnarok M: Eternal Love」は、継続的なアップデート及びイベントの開催により引き続き安定的に推移しております。2020年5月28日からGRAVITYの連結子会社がタイでサービスを開始したPCオンラインゲーム「Ragnarok Online」も堅調に推移し、業績に貢献いたしました。また、GRAVITYは2020年7月7日から韓国でスマートフォン向けゲーム「Ragnarok Origin」のサービスを開始し、好調に推移いたしました。さらに、2020年10月15日に台湾、香港、マカオでサービスを開始した「Ragnarok X: Next Generation」も、好調な売上を継続しております。

 この結果、当連結会計年度における売上高は98,844百万円(前連結会計年度比2.5%減)、営業利益30,157百万円(前連結会計年度比6.4%増)、経常利益30,202百万円(前連結会計年度比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,369百万円(前連結会計年度比9.8%減)となりました。

 なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載しておりません。

 

※1 ファミ通ゲーム白書2020

※2 日本標準時

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前連結会計年度に比べ13,197百万円増加し、当連結会計年度には95,979百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によって得られた資金は24,214百万円(前連結会計年度は23,646百万円の収入)となりました。

 これは主に税金等調整前当期純利益26,849百万円及び法人税等の支払額8,082百万円が含まれるためです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によって使用された資金は6,472百万円(前連結会計年度は7,121百万円の支出)となりました。

 これは主に定期預金の預入及び払戻による支出(純額)3,122百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出2,639百万円が含まれるためです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によって使用された資金は4,710百万円(前連結会計年度は7,061百万円の支出)となりました。

 これは主に自己株式の取得による支出(純額)2,993百万円及び配当金の支払額2,085百万円が含まれるためです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。

 

b.受注状況

 当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「a.生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載しておりません。

 

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

連結売上高

98,844

△2.5

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

なお、Apple Inc.、Google Inc.は共にプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社グループが提供するゲームサービスの利用者(一般ユーザー)に対する利用料等であります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

Apple Inc.

54,773

54.0

48,216

48.8

Google Inc.

31,896

31.5

29,069

29.4

なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2 )経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。なお、この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表作成に当たって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは繰延税金資産について、将来の課税所得の見込み等により、回収可能性が高いと判断できる金額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見込み等に依存するため、前提条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が調整され税金費用として計上される可能性があります。  なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比べ2,548百万円減少し98,844百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。これは主に当社の売上高が減少したことによるものであります。

 

(営業利益)

 当連結会計年度の売上原価は、主にGRAVITYグループにおいて売上原価率の低い売上高が増加したことから43,490百万円(前連結会計年度比9.7%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に給料及び手当並びに業務委託費の増加により25,196百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。その結果、営業利益は30,157百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。

 

(経常利益)

 営業外収益は、主に雇用調整助成金等の助成金収入が発生したことにより430百万円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。また、営業外費用は、主に為替差損の計上により385百万円(前連結会計年度は48百万円)となりました。その結果、経常利益は30,202百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別利益は、前連結会計年度において関係会社株式売却益の計上により89百万円となりましたが、当連結会計年度においては特別利益の計上はありませんでした。特別損失は、主に減損損失の増加により3,352百万円(前連結会計年度比225.7%増)となりました。以上の損益に加え、法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした結果、親会社株主に帰属する当期純利益は16,369百万円(前連結会計年度比9.8%減)となりました。

 

b.財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度における資産合計は、122,257百万円(前連結会計年度末比17,249百万円増加)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い現金及び預金が増加したことによります。

 

(負債)

 負債合計は、17,530百万円(前連結会計年度末比3,287百万円増加)となりました。これは主に未払法人税等が増加したことによります。

 

(純資産)

 純資産合計は、104,727百万円(前連結会計年度末比13,961百万円増加)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことによります。

 

c.経営成績に重要な影響を与える原因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d.事業環境と戦略的見通し

 当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内におけるスマートフォンの契約台数が人口の半数を超え、モバイルゲーム市場が拡大してまいりました。海外市場におきましても、欧米諸国のみならず、中国をはじめとしたアジア諸国でスマートフォンの普及が拡大し、モバイルゲーム市場はさらなる成長が見込まれます。また、世界的にはコンシューマゲームやPCオンラインゲーム市場におきましても、今後の拡大が予測されております。

 このような事業環境の中、当社グループの次期の見通しにつきましては、「新規価値の創造」と「既存価値の最大化」を経営方針とし、その実現のための具体的な課題と戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。また、事業展開上のリスクにつきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

e.資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a)キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(b)資金需要

 当社グループの運転資金需要の主なものは、販売費及び一般管理費であります。

 また、当社グループの具体的な設備投資計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

(c)資金の流動性等

 当連結会計年度末現在において当社グループの流動比率は704.4%であり、現金及び現金同等物は95,979百万円であります。当社グループの資金は今後の営業活動及び財務活動によって確保される将来キャッシュ・フローと併せ、成長を維持・発展させていく為にも十分なものであると考えております。

 運転資金及び設備投資資金については主に自己資金により賄う事を基本としておりますが、一部の連結子会社においては自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達しております。

 

f.新型コロナウイルス感染症拡大の影響

 新型コロナウイルス感染症拡大による、当連結会計年度末における影響は軽微であります。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

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