有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
以下のリスクが顕在化する可能性は現時点で認識しておりませんが、リスクの発生の可能性の高い順に記載しております。当社グループは、これらのリスクについて、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月22日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)財務リスク
①のれんの減損に係るリスク
当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを連結貸借対照表に計上し、原則としてのれんの効果の発現する期間にわたって償却しておりますが、事業環境の変化等により買収した子会社等の事業計画が未達となった場合には当該のれんについて減損損失を計上することになり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末でののれんの残高は、300,214千円となっており、連結総資産の5.5%を占めております。当社グループでは、各部門及び子会社の営業実績の報告、進捗状況の点検と調整、問題点の抽出と検討を目的とする予算実績会議を毎月開催し、会社の中・長期的な方向性の検討と情報の共有化を行い業績の向上とリスクの未然防止を図っております。
②繰延税金資産の回収可能性の評価に係るリスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の利益計画に基づき課税所得を合理的に見積った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税率の変更等を含む税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末で繰延税金資産の残高は、313,199千円となっており、連結総資産の5.8%を占めております。当社グループでは、各部門及び子会社の営業実績の報告、進捗状況の点検と調整、問題点の抽出と検討を目的とする予算実績会議を毎月開催し、会社の中・長期的な方向性の検討と情報の共有化を行い業績の向上とリスクの未然防止を図っております。
③固定資産の減損に係るリスク
当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)がある場合は、回収可能性を評価し、回収不能見込額を減損損失として計上する可能性があります。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。当社グループでは、各部門及び子会社の営業実績の報告、進捗状況の点検と調整、問題点の抽出と検討を目的とする予算実績会議を毎月開催し、会社の中・長期的な方向性の検討と情報の共有化を行い業績の向上とリスクの未然防止を図っております。
(2)事業環境等について
当社グループは、市場動向や競合会社、顧客企業ニーズの調査・分析を行い、必要な設備投資や技術者の研修、コスト削減等により他社との差別化を図っております。また、事業の選択と集中を進め、低収益ビジネスから高収益ビジネスへのシフトなどにより、不採算案件・低採算案件の排除による利益率の改善を図っておりますが、競合の激化や価格競争の激化、急速な技術革新、顧客ニーズの変化など当社グループを取り巻く事業環境が変化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)優秀な人材の確保について
当社グループでは、システム開発事業においてサービスの品質、開発力の両面から、優秀な技術者の確保が必要なものと認識しております。また、アウトソーシング事業においては、業務のあらゆる場面で適切な対応やマネジメントができる豊富な経験と知識を持った人材の確保が必要であります。
当社グループの属する経営環境においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会変革が今後より一層進んでいくことが予想される中、IT人材等の技術者が不足しており、その中でも専門技術を有する高度IT人材の確保が急務でありますが、人材需要の高さから、優秀な人材の採用難は否めない状況であります。人材の育成・確保に向け、採用活動の強化や、多様な人財が活躍できるよう社内における人材育成に努めるとともに、「働き方改革」により一層取り組み、働きやすい職場環境作りを進めつつ、ダイバーシティを推進し、あらゆる人にとって働きがいのある会社とすることに注力しております。今後、労働力市場の逼迫等により当社グループが必要とする優秀な人材や労働力を適時に確保できない場合、又は当社グループの従業員が大量に退職した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報管理について
当社では、個人情報保護規程等の各種規程の整備と運用、情報セキュリティ方針の策定と実行、社員教育の実施等により、個人情報や顧客の機密情報の取り扱いについて十分に留意しており、子会社各社においても同様の施策を実施しております。
また、2004年6月に一般社団法人情報サービス産業協会の審査に合格し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会から「プライバシーマーク」の使用許諾を受けております。
当社グループにおいては、コンプライアンス違反を発生させない体制整備をより一層強化し、コンプライアンスに違反するリスクがないかの再点検と不正ができない仕組み作りに継続して取り組むとともに、コンプライアンス意識の維持・向上のための教育を実施しております。個人情報や顧客の機密情報の流出による問題には十分に配慮しておりますが、今後、想定外のコンピューターウイルスや不正アクセス等のサイバー攻撃、不測の事態による個人情報や顧客の機密情報が外部へ漏洩、又は毀損した場合、当社グループの信用失墜による売上の減少や、損害賠償による費用発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)大規模災害、パンデミック等の発生について
大規模な自然災害を原因とする天災や戦争・テロ・暴動等を原因とする人災等が発生した場合に備え、当社グループは事業所の分散化、サーバーのデータセンターへの移行等のBCP対策を実施し、被害を最小限に抑えるための体制整備を図っております。
新型コロナウイルス感染症による影響についても、予断が許されない状況でございますが、現在当社グループでは、感染防止と事業継続の体制維持のため、従業員の在宅勤務や時差出勤を推進する等、新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに沿った対策を講じております。現時点で事業拠点の閉鎖等はございません。財務の状況についても当面の資金繰りに問題は生じておらず、経営成績においても総じて大きな影響はございません。
しかしながら、将来、それらの影響が大きくなり、一部あるいは全部の業務が停止した場合、または金融資本市場の大規模な変動、供給面での制約等が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)特定顧客への依存度について
当社は、ピー・シー・エー株式会社(東京証券取引所プライム市場上場)からパッケージソフトウエアの製造・配送及びコールセンター業務の請負を行っております。また、当社の山梨竜王センターと山梨事業所は、ピー・シー・エー株式会社の土地、建物の一部を賃借しております。
なお、当社グループの総売上高に占めるピー・シー・エー株式会社に対する売上高の割合は、2020年3月期において12.8%、2021年3月期において11.6%、2022年3月期において11.7%と推移しております。十分な情報収集や市場動向の調査を行ってまいりますが、ピー・シー・エー株式会社の発注方針等の変更により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システム開発作業の不具合や遅延に伴う損失の発生について
当社グループの主要事業であるシステム開発事業においては、受注時に想定していた利益であっても、開発作業開始後の仕様変更、当初の見積りを越えた作業工程の発生、想定外の不具合等により採算悪化の可能性があります。また、契約不適合等による検収後の追加費用の発生の可能性もあります。
当社グループでは、システム開発事業において、部門横断的に有識者が参画するレビュー委員会を設置し、商談段階、受注前の提案・見積り内容の提出前チェックとして、提案レビュー体制をより一層強化することにより、リスクを早期に発見し、見積り精度を上げて、高リスク、低収益案件を受注しないように留意しております。また、案件受注後の進捗状況のチェックとして、プロジェクト毎の進捗管理レビューの体制も同様に強化することにより、納期遅れ等が発生しないように留意しておりますが、想定を上回るリスクの顕在化による費用増や、不具合の発生等により品質や納期に問題が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)M&Aについて
当社グループは、事業の拡大や低収益ビジネスから高収益ビジネスへのシフトを進めるために、M&Aを行う可能性があります。それを実行する際には事前に十分な分析・検討・評価を行いますが、当初想定した収益性やシナジー効果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権について
当社グループは、管理本部内に法務コンプライアンス担当を配置し契約内容を確認するとともに、必要に応じて顧問弁護士も活用することにより、第三者が持つ知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っております。しかしながら、当社グループの事業に関連する知的財産権が第三者に成立した場合、または認識していない知的財産権が既に存在した場合には、第三者から損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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