文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の概況
当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)の業績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
売上収益は50,298,354千円(前年同期比20.7%増)となりました。オンライン課金分野・継続課金分野におけるEC市場の順調な成長に加え、対面分野においても当社グループのサービス提供を拡大したことにより、決済代行事業が増収となりました。金融関連事業は、後払い型の決済サービス「GMO後払い」の取扱高が引き続き伸長したことに加え、早期入金サービス及び海外FinTech事業者に向けたレンディングサービスの拡大により増収となりました。オンライン課金分野、継続課金分野、対面分野と「GMO後払い」合計の決済処理件数は前年同期比37.2%増、決済処理金額は前年同期比41.5%増となり、決済代行事業の売上収益は37,978,077千円(前年同期比23.3%増)、金融関連事業の売上収益は11,402,183千円(前年同期比12.3%増)、決済活性化事業の売上収益は942,703千円(前年同期比31.3%増)となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況 b.セグメントの業績」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後の影響については、ワクチン接種等の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策が進み、人々の行動制限や水際対策が緩和される一方で、世界的に金融引締めが進む中での金融資本市場の変動に加え、原材料価格の上昇や円安の影響により、民間消費全般の見通しは依然として不透明感が残っております。しかしながら、当社グループの事業自体は様々な業種の加盟店にサービスを提供しておりマクロ経済の影響を受けにくい特徴があることに加え、決済のオンライン化、キャッシュレス化の流れが後押しされる状況にもあることや、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することでビジネスモデルの転換やコスト削減を実現しようとする企業ニーズを捉えた事業が拡大していることから、当社グループの売上収益に対する影響は現時点では軽微と判断しております。加えて、大手及び成長性のある加盟店の開拓、大型案件の獲得のほか、業種毎DXプラットフォームや次世代決済プラットフォーム「stera」、金融機関や事業者等に対するBaaS(Banking as a Service)支援等重点施策の収益拡大により、全てのセグメントにおいて売上収益の拡大を見込んでおります。
品目別売上収益は、以下のとおりです。
(単位:千円)
営業利益は16,249,114千円(前年同期比25.1%増)となり、当連結会計年度の業績予想及び当社グループが経営目標として掲げる25%の営業利益成長を達成しております。
決済代行事業のセグメント利益(営業利益)は17,539,462千円(前年同期比21.6%増)となり、金融関連事業のセグメント利益(営業利益)は2,466,696千円(前年同期比17.8%増)、決済活性化事業のセグメント利益(営業利益)は174,462千円(前年同期はセグメント損失(営業損失)106,886千円)となりました。
税引前利益は34,756,561千円(前年同期比161.6%増)となり、当連結会計年度の営業利益が前年同期比25.1%増だったのに対し、税引前利益が前年同期比161.6%増となりました。これは主に為替差益1,022,366千円、投資事業組合運用益371,034千円により金融収益が1,621,118千円、持分法適用関連会社であった2C2P Pte. Ltd.の全株式を譲渡したことにより持分法による投資の売却益16,932,140千円が計上されたことによるものです。
b.セグメントの業績
セグメントの業績は以下のとおりです。
(単位:千円)
決済代行事業については、主にオンライン課金分野・継続課金分野と対面分野における決済代行サービス、金融機関や事業者等に対するBaaS(Banking as a Service)支援の拡大に取り組んでおります。オンライン課金分野・継続課金分野においては、EC市場の順調な成長のもと、大手から中小規模まであらゆる業態の加盟店開拓やEC以外の幅広い事業者における当社グループのサービス利用の拡大に注力いたしました。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響は、前連結会計年度に引き続き限定的にとどまりました。オンライン課金分野・継続課金分野においては、ワクチン接種等の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策が進み、行動制限が緩和されたことで、巣籠消費需要の反動が生じ、一部の物販における成長率は低下したものの、移動を伴う外出は増加したことから旅行やチケットの決済は伸長いたしました。また、EC市場及びキャッシュレス決済の拡大により少額決済が増加し、巣籠消費におけるインターネット利用の定着に伴い、日用品、デジタルコンテンツや公金・公共料金等のオンライン決済も増加しております。
当連結会計年度における対面分野は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けていた飲食店を中心とした一部の加盟店の取扱件数・金額が回復しました。さらに、現金を媒体としない安心な支払い手段として対面キャッシュレス決済市場の拡大が進んだことに伴い端末販売が好調に推移したことに加え、前連結会計年度に引き続き、次世代決済プラットフォーム「stera」端末の販売台数も増加したことが、イニシャル売上と当セグメントの決済処理件数・金額の拡大に繋がり、収益貢献いたしました。また、注力市場である自動精算機や券売機等の無人決済市場(Unattended Market)での案件の受注も順調に推移しております。
決済のキャッシュレス化やDX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズの拡大を捉えた金融機関や事業者等に対するBaaS(Banking as a Service)支援では、プロセシングプラットフォームサービスの拡大により、成長が加速し収益貢献いたしました。
以上の結果、 売上収益は37,978,077千円(前年同期比23.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は17,539,462千円(前年同期比21.6%増)となりました。
金融関連事業(マネーサービスビジネス:MSB)については、加盟店のキャッシュ・フロー改善に資する早期入金サービスや、加盟店向け融資サービスであるトランザクションレンディング、海外FinTech事業者に向けたレンディングサービス、送金サービス、給与即時受け取りサービスの「即給byGMO」のほか、連結子会社であるGMOペイメントサービス株式会社を通じて「GMO後払い」を提供しております。
当連結会計年度においては、早期入金サービスが決済代行事業の拡大に伴い好調に推移し、海外FinTech事業者に向けたレンディングサービスにおいても、今後安定的な収益が見込める新たな融資先の開拓が進捗する等、売上収益とセグメント利益の増加に貢献しました。また送金サービスは、売上収益の成長率は低下したものの取扱件数は伸長し、決済サービスである「GMO後払い」は、前年同期における巣籠消費需要の反動を受けました。
以上の結果、売上収益は11,402,183千円(前年同期比12.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は2,466,696千円(前年同期比17.8%増)となりました。
決済活性化事業については、当社グループ加盟店の売上向上に繋がるマーケティング支援サービスや、連結子会社であるGMO医療予約技術研究所株式会社を通じて医療受付現場の業務効率化に繋がる医療特化型予約管理システム「メディカル革命byGMO」等を提供しております。
GMO医療予約技術研究所株式会社は、予約・問診票記入・受付・決済といった行為をスマホアプリから行えるほか、導入している複数の医療機関の診察券をスマートフォン1つに集約することができるサービスを提供しており、当連結会計年度において、前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による需要の高まり等から売上収益が前年同期比78.4%増となりました。また、マーケティング支援サービス及びSSLクーポンも伸長し、当セグメントの黒字化に貢献いたしました。
以上の結果、売上収益は942,703千円(前年同期比31.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は174,462千円(前年同期はセグメント損失(営業損失)106,886千円)となりました。
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ57,951,286千円増加し、273,407,179千円となりました。これは主に現金及び現金同等物9,443,965千円、営業債権及びその他の債権2,925,968千円、前渡金9,101,802千円、未収入金5,438,029千円、関係会社預け金14,500,000千円、その他の金融資産11,551,947千円、持分法で会計処理されている投資4,014,338千円増加したことによるものです。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.現金及び現金同等物」に記載したとおり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物には関係会社預け金が4,630,000千円含まれており、連結財政状態計算書上の関係会社預け金16,500,000千円と合わせると、関係会社預け金の残高は21,130,000千円となっております。これはGMOインターネットグループがグループ全体で資金運用を行うために導入しているキャッシュマネジメントシステム(以下、「CMS」という。)を利用し、手元資金を預け入れたものです。そのため、当社グループにおいて事業の進捗に伴って資金需要が増大した際には、CMSの返済期日が到来していなくても、所定の日数より前に申請することで、随時資金を引き出すことが可能です。
(ⅱ)負債
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ26,511,014千円増加し、184,146,527千円となりました。これは主に未払金2,743,580千円、預り金6,816,773千円、借入金7,841,485千円、未払法人所得税等2,314,002千円、繰延税金負債5,564,326千円増加したことによるものです。
(ⅲ)資本
当連結会計年度末における資本の残高は、前連結会計年度末に比べ31,440,271千円増加し、89,260,651千円となりました。これは主に剰余金の配当4,474,710千円により減少した一方、当期利益24,361,137千円の計上の他、主に持分法適用関連会社が保有する金融商品の公正価値測定及び在外営業活動体の換算差額等によりその他の包括利益11,530,050千円を計上し増加したことによるものです。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ9,443,965千円増加し、113,967,930千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりです。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は7,656,330千円(前年同期は6,343,236千円の使用)となりました。これは主に投資活動への調整項目である持分法による投資の売却益16,932,140千円、前渡金の増加9,101,802千円、未収入金の増加6,018,307千円、法人所得税の支払額5,231,849千円が発生したものの、税引前利益34,756,561千円、未払金の増加2,402,899千円、預り金の増加6,810,392千円により資金が増加したものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は2,443,843千円(前年同期は2,230,999千円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入24,487,557千円、投資事業組合からの分配による収入2,314,246千円、関係会社預け金の払戻による収入2,000,000千円が発生したものの、拘束性預金の預入による支出11,499,066千円、無形資産の取得による支出2,649,120千円、関係会社預け金の預入による支出16,500,000千円により資金が減少したものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は2,635,462千円(前年同期は12,781,695千円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払額4,471,570千円が発生したものの、短期借入金の純増加額2,000,000千円、長期借入れによる収入6,000,000千円により資金が増加したものです。
a.生産実績
当社グループは決済代行事業、金融関連事業及び決済活性化事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により記載しておりません。
c.販売実績
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況 b.セグメントの業績」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を含む会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況 c.財政状態」に記載しております。
b.経営成績
経営成績の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概況 a.経営成績の概況及びb.セグメントの業績」に記載しております。
c.キャッシュ・フロー
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。
(ⅱ)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループにおける主な資金需要は、金融関連事業の拡大に伴い増加する運転資金や貸付金等によるものです。主な資金調達は、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、長期性資金については金融機関からの長期借入や社債での調達を基本としております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による、世界的な経済活動の停滞やその長期化等で当社グループの資金繰りに及ぼす影響に備え、コミットメントライン契約を締結し資金調達の十分な流動性を確保しております。
(ⅲ)財務政策
当社グループは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。
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