業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症により厳しい状況から少しずつ正常化に向かう兆しが見られました。一方で、急激な円安の進行やウクライナ情勢、原材料価格の上昇等の影響が顕在化しつつあり、今後も経済情勢や世界情勢、新型コロナウイルス感染症に対する政策については注視が必要な状況が継続していくと思われます。

 当社グループにおきましては、2021年5月にサムティ株式会社と資本・業務提携契約を締結し、2021年6月に当社の事業の方向性を示すべく、「中期経営計画2024」を公表いたしました。「中期経営計画2024」においては、以下の目標を設定しており、当連結会計年度につきましては概ね目標を達成しておりますが、引続き目標の達成に向けて努めてまいります。

「中期経営計画2024」の目標

①「中期経営計画2024」の期間中にJ-REIT組成を実現し、資産循環型ビジネスモデルを確立、受託資産5,000億円規模のホテルリートを目指す。

②プライム市場への上場を目指し、そのための体制等を具体化、時価総額3倍を目指す。

 

(不動産金融事業)

 不動産市場におきましては、ポストコロナを見据えて、ホテルアセットに対する劣後投資家の積極的な姿勢が続いており、金融機関のホテル開発事業に対する融資姿勢につきましても、不透明感が薄まり改善していくと考える金融機関は増加傾向にあり新規融資への対応は徐々に増えていくと見込んでおります。他方で、資材価格の高騰や円安等により、今後の建設コストの増加及び利上げも懸念されております。当社グループにおきましては、2021年9月に京都東山SIX SENSES ホテル開発プロジェクトにおける不動産信託受益権譲渡、2022年2月に京都東山 Banyan Tree ホテル開発プロジェクトにおける不動産信託受益権譲渡、2022年3月に芦ノ湖畔ホテル開発事業における不動産信託受益権の譲渡等により前連結会計年度と比較して売上高及び営業利益は大きく増加いたしました。また、物件の取得におきましても、2022年3月に匿名組合五条の劣後匿名組合出資持分を全額取得し連結子会社化したほか、2023年3月期につきましても、新規物件の取得を積極的に進めていく方針です。

 

(ホテル運営事業)

 ホテル業界におきましては、緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置の発出の影響は大きく、当連結会計年度も宿泊客の大幅な回復には至りませんでした。しかしながら当社グループの運営ホテルにおきましては、緊急事態宣言の発出に伴い一部ホテルにおいて臨時休業を実施した一方で、新規開業による運営ホテルの増加、春秋の観光シーズンの宿泊客数の回復及び開発中のホテルに対するコンサルティング売上等により、前連結会計年度と比較して売上高及び営業利益は大きく増加いたしました。

 開業関連におきましては、2021年6月28日に、国内で2軒目、関西地区では初進出となるマリオットインターナショナル社の「アロフト」ブランドのホテル「アロフト大阪堂島」(大阪市北区堂島浜2丁目1-31)を大阪・キタの社交場として親しまれた堂島ホテルの地に開業いたしました。「アロフト」は、流行に敏感で発信力があり、音楽やデザインを愛する次世代の旅行者を主な顧客ターゲットとしているライフスタイルホテルブランドであり、洗練かつ斬新なスタイルで、大阪のホスピタリティシーンを盛り上げてまいります。また、2022年3月18日より「京都悠洛ホテルMギャラリー」「京都悠洛ホテル二条城別邸Mギャラリー」は、リブランド(ホテル運営業務委託先の変更)を行い、新たにバンヤンツリー・グループブランドの「ダーワ」・「ギャリア」のホテルとして、「ダーワ・悠洛 京都」(京都市東山区三条通大橋東入大橋町84)「ギャリア・二条城 京都」(京都市中京区市之町180-1)が開業しております。

 

 これらの結果、当連結会計年度においては、売上高29,029,801千円(前期比446.7%増)、営業利益5,676,194千円(前期は690,704千円の営業損失)、経常利益5,317,942千円(前期は827,845千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益3,513,770千円(前期は1,059,822千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となり、売上高及び各利益は過去最高となりました。

 

 セグメントの業績におきましては、不動産金融事業の売上高は27,528,465千円(前期比500.6%増)、営業利益は5,526,919千円(前期は195,077千円の営業利益)となり、ホテル運営事業の売上高は2,986,403千円(前期比203.1%増)、営業利益634,962千円(前期は585,530千円の営業損失)となりました。

 なお、セグメント間取引については相殺消去しておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より3,459,850千円増加し、5,564,741千円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における営業活動による資金の増加は、19,281,919千円(前年同期は3,724,424千円の資金の減少)となりました。これは主に、販売用不動産が13,623,151千円減少、のれんの償却額2,646,712千円及び税金等調整前当期純利益4,998,601千円を計上したことによる増加であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、4,589,191千円(前年同期は315,542千円の資金の減少)となりました。これは主に、子会社出資金の取得に伴い6,065,014千円減少、投資有価証券の償還と取得が純額で1,540,589千円増加になったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における財務活動による資金の減少は、11,232,877千円(前年同期は1,856,782千円の資金の増加)となりました。これは主に、ノンリコース借入金の返済10,487,166千円による減少であります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産金融事業

27,528,465

501.3

ホテル運営事業

1,501,336

105.3

合計

29,029,801

446.7

(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。不動産金融事業においては前連結会計年度中に取引完了を企図しておりました大型の取引が当連結会計年度にずれ込んだこと、及びホテル運営事業においては開発中のホテルに対するコンサルティング売上等により大きく増加致しました。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

A社

2,302,646

43.4

B社

1,600,000

30.1

C社

551,634

10.4

D社

13,960,048

48.1%

E社

9,674,592

33.3%

4.A社、B社、C社、D社及びE社については売買契約上守秘義務が課されていること及び今後の譲渡先における事業への影響等が懸念されることから社名の公表は控えさせていただきます。

 

経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は当社グループ(当社及び連結子会社)の財務諸表に基づいて分析した内容です。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、重要な会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

①経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

②財政状態の分析

(資産)

 総資産については、前連結会計年度末に比べ、13,631,150千円増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加及び新規に匿名組合五条を連結したことに伴い販売用不動産が増加したことによるものであります。

(負債)

 負債については、前連結会計年度末に比べ、11,333,872千円増加となりました。これは主に新規に匿名組合五条を連結したことに伴いノンリコース長期借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

 純資産については、前連結会計年度末に比べ、2,297,277千円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては2(事業等のリスク)に記載しております。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

 経営戦略の現状と見通しにつきましては1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)に記載しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産金融事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金、ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金等であります。

 不動産金融事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金の調達は、自己資金や他の投資家との共同投資に加え、金融機関等からの借入による資金調達を行っております。

 ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金は、自己資金をベースに必要に応じて金融機関等からの借入による資金調達を行っております。

 

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2022年3月期から2024年3月までの「中期経営計画2024」を公表いたしました。

「中期経営計画2024」に基づく経営指標の推移は以下の通りです。

 

経営指標

 

2022年3月期

実績

2023年3月期

計画

2024年3月期

計画

取扱高(百万円)(注1)

47,686

60,000

100,000

売上高(百万円)

29,029

15,000

20,000

経常利益(百万円)

5,317

6,500

7,500

EBITDA(百万円)(注2)

8,521

7,500

8,500

 

(計画初年度)

 

2022年3月期

計画

2022年3月期

実績

達成率

(%)

取扱高(百万円)(注1)

40,000

47,686

119.2

売上高(百万円)

12,500

29,029

232.2

経常利益(百万円)

5,500

5,317

96.7

EBITDA(百万円)(注2)

6,500

8,521

131.1

(注)1 不動産金融事業に係る取扱案件総額+ホテル運営に係る売上高

2 経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等

 

 

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