(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の連結業績の概要
当連結会計年度におけるわが国の景気は、緩やかな回復基調が継続しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人消費等の一部に弱さが見られました。先行きにつきましては、経済社会活動が正常化に向かう中、各種政策の効果や海外経済の改善にて、緩やかな回復が期待されるものの、感染症の拡大、為替や資本市場の変動及び原材料価格の上昇等による影響を注視する必要があります。
そのような景気動向の中、当社グループが主にかかわる法人ICT関連市場では、企業及び官公庁のITサービスの利用拡大を背景としたインターネットトラフィックの継続増加、インターネット上の脅威に対抗するセキュリティ関連サービスの重要性の高まり、クラウドコンピューティング関連サービスの順次普及、それらサービスを総合的に利用するIoTの実用化の進展等により、今後も信頼性の高いネットワークシステムへの需要増加が継続していくものと想定しております。
このような市場環境の中、当連結会計年度におきましては、月額計上されるネットワークサービス(除くモバイル関連サービス(*))の売上高が前年同期比10.3%増となり、これらの粗利増加の牽引により、営業利益は前年同期比65.3%増の23,547百万円と、期初の想定及び第2四半期決算時の修正公表値を上回り大幅に伸長いたしました。当連結会計年度は、2021年5月12日公表の3カ年中期計画の初年度にあたりますが、営業利益率は10.4%と想定を超過し、今般、中期計画における2023年度の営業利益率目標値を修正公表値の10%超(当初公表値9%超)から11.5%へ修正いたしました。ネットワークサービス分野では、IPサービスにおいて、主として既存顧客の契約広帯域化により、売上が期初から堅調に伸長いたしました。モバイル関連サービスでは、個人向けモバイルサービスの「ギガプラン(*)」提供開始等による調達コスト低下に応じた平均販売単価低下による減収影響があったものの、個人向け契約回線数は四半期毎の純増基調が継続いたしました。法人向けIoT関連モバイルサービスでは、継続した案件需要と既存案件の回線数増加等もあり、売上高及び契約回線数は各々前年同期比31.4%増及び23.7%増と伸長いたしました。アウトソーシングサービスにおきましては、セキュリティ関連サービスにて、自社開発セキュリティサービス群の機能強化とラインナップ拡充及び「IIJ C-SOCサービス(*)」の案件積み上げ等により、売上高の高増収が継続いたしました。WANサービスにおきましては、売上高は堅調に推移いたしました。システムインテグレーションでは、ネットワーク構築案件が活況で、システム構築の売上高及び受注額は各々前年同期比11.4%増及び18.6%増と順調に伸長いたしました。システム運用保守売上高は、継続したシステム運用保守案件の積み上げに加え、マルチクラウド(*)需要の高まり等によるクラウドコンピューティング関連サービス売上高の増加もあり、前年同期比16.4%増となりました。また、企業の社内システムのフルクラウド化需要に対応すべく、新サービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2」を開発し提供を開始いたしました。設備面では、法人向けネットワークサービスの需要増加に応じた自社設備収容スペースの拡張とコロケーション需要に対応すべく、白井データセンターキャンパスの2期棟の建設を決定いたしました。国際事業では、ASEANビジネスの中核となるシンガポールの現地有力システムインテグレーターであるPTC SYSTEM (S) PTE LTD (以下、「PTC」という。) を買収にて完全子会社化し事業遂行いたしました。新規事業分野におきまして、持分法適用関連会社㈱ディーカレットホールディングスにて、デジタル通貨フォーラム(*)でのホワイトペーパーの公表や有力企業群との実証実験を推進し、立ち上がりつつあるデジタル通貨事業の更なる推進に向け、暗号資産事業の譲渡と体制強化を図りました。今後の事業成長に必要な人員強化につきましては、継続した新卒採用及び育成を軸としており、当期の新卒採用178名に中途採用及びシンガポールでの買収による追加もあり、連結従業員数は前年同期末比342名増の4,147名となりました。
当連結会計年度の業績につきまして、総売上高は、前年同期比6.3%増の226,335百万円(前年同期 213,002百万円)となりました。売上原価は前年同期比1.2%増の174,707百万円(前年同期 172,720百万円)となり、売上総利益は前年同期比28.2%増の51,628百万円(前年同期 40,282百万円)となりました。内訳といたしまして、ネットワークサービスの売上高は前年同期比1.1%増の128,213百万円(前年同期 126,827百万円)(うち、モバイル関連サービスを除くネットワークサービスの売上高は前年同期比10.3%増の87,496百万円、モバイル関連サービスの売上高は前年同期比14.3%減の40,717百万円)、売上総利益は、法人向けネットワークサービスの想定以上の積み上げ、モバイル関連サービスに係る期初からの音声仕入れ単価の低下及び接続料の2020年度実績に基づく単価確定による原価戻り等があり、前年同期比31.1%増の35,618百万円(前年同期 27,171百万円)となりました。システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比14.5%増の95,338百万円(前年同期 83,284百万円)、売上総利益は前年同期比23.6%増の14,942百万円(前年同期 12,087百万円)となりました。そのうち、4月に子会社化したPTCの売上高は6,889百万円、売上総利益は765百万円でありました。ATM運営事業の売上高は、前年同期比3.7%減の2,784百万円(前年同期 2,891百万円)、売上総利益は前年同期比4.2%増の1,068百万円(前年同期 1,024百万円)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比7.9%増の28,081百万円(前年同期 26,034百万円)となり、当連結会計年度における営業利益は前年同期比65.3%増の23,547百万円(前年同期 14,248百万円)となりました。税引前利益は前年同期比72.2%増の24,162百万円(前年同期 14,035百万円)となりました。㈱ディーカレットホールディングスの暗号資産事業譲渡に係る持分法損失の増加及びのれん相当額の減損がありましたが、ファンドに係る金融資産評価益等の増加が吸収しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比61.4%増の15,672百万円(前年同期 9,712百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比11,028百万円増加し、231,805百万円(前連結会計年度末 220,777百万円)となりました。
連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、営業債権及び前払費用の増加等により、前連結会計年度末比11,081百万円増加の104,486百万円(前連結会計年度末 93,405百万円)となりました。非流動資産は、保有上場株式及びファンドの時価評価等によるその他の投資の増加、PTCの子会社化によるのれん及び前払費用の増加、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)の償却等による減少、㈱ディーカレットホールディングスに係る損失による持分法で会計処理されている投資の減少等で、前連結会計年度末比53百万円減少の127,320百万円(前連結会計年度末 127,373百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、PTC子会社化等による契約負債の増加の他、営業債務及びその他の債務の増加、借入金の返済による減少等により、前連結会計年度末比3,519百万円増加の76,778百万円(前連結会計年度末 73,259百万円)となりました。当連結会計年度末における非流動負債は、借入金及びその他の金融負債の流動負債への振替等により、前連結会計年度末比6,140百万円減少の50,407百万円(前連結会計年度末 56,547百万円)となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比13,572百万円増加の103,528百万円 (前連結会計年度末 89,956百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は44.7%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、47,391百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益24,162百万円、減価償却費及び償却費28,444百万円等に対して、負債の減少による支出増及び契約負債の前受減少の収入減等により、営業資産及び負債の増減は2,892百万円の支出となり、43,573 百万円の収入となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による6,783百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,734百万円の支出、PTCの取得に関する支出2,612百万円(取得現金控除後)、有形固定資産の売却による収入2,150百万円等があり、11,838百万円の支出となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払19,983百万円、長期借入金の返済5,170百万円、配当金の支払3,836百万円、短期借入金の増加1,480百万円等があり、27,296百万円の支出となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
2.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。
(2) 当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の経営成績の分析
<主要な連結経営指標>
(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報>
当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。
ⅰ)売上収益
当連結会計年度における売上収益は、前年同期比6.3%増の226,335百万円(前年同期 213,002百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>
法人向けインターネット接続サービスの売上高は、IPサービス及び法人IoT等用途向け法人モバイルサービス等が増加したものの、調達コスト低下に応じたIIJモバイルMVNOプラットフォームサービスの減収影響があり、前年同期比6.0%減の37,911百万円(前年同期 40,347百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービスにおいて新サービスである「ギガプラン」による平均販売単価低下の影響等があり、前年同期比9.1%減の23,376百万円(前年同期 25,722百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比13.5%増の40,523百万円(前年同期 35,710百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、前年同期比5.4%増の26,403百万円(前年同期 25,048百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比1.1%増の128,213百万円(前年同期 126,827百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>
(注)1.IPサービスには、データセンター接続サービスを含めております。
2.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJ提供分」は回線数を表示しており、それ以外は契約件数を表示しております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<システムインテグレーション売上高>
システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、前年同期比11.4%増の35,376百万円(前年同期 31,767百万円)となりました。このうち、PTCに係る売上高は4,731百万円でありました。システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げ及びクラウド関連サービスの売上高増加等があり、前年同期比16.4%増の59,962百万円(前年同期 51,517百万円)となりました。このうち、PTCの売上高は2,159百万円でありました。
これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比14.5%増の95,338百万円(前年同期 83,284百万円)となりました。
当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比12.4%増の101,476百万円(前年同期 90,314百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比18.6%増の38,660百万円(前年同期 32,590百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比8.8%増の62,816百万円(前年同期 57,724百万円)でありました。
当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比15.7%増の72,792百万円(前年同期末 62,894百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比49.5%増の12,451百万円(前年同期末 8,330百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比10.6%増の60,340百万円(前年同期末 54,564百万円)でありました。
<ATM運営事業売上高>
ATM運営事業売上高は、前年同期比3.7%減の2,784百万円(前年同期 2,891百万円)となりました。
ⅱ)売上原価
当連結会計年度における売上原価は、前年同期比1.2%増の174,707百万円(前年同期 172,720百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>
ネットワークサービスの売上原価は、前年同期比7.1%減の92,595百万円(前年同期 99,656百万円)となりました。インターネットバックボーンや設備及び人員に関連する原価は微増し、モバイル関連サービスに係る原価は、期初からの音声仕入れ単価の低下と第3四半期における㈱NTTドコモによる接続料の2020年度実績に基づく単価確定による原価戻りがありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比31.1%増の35,618百万円(前年同期 27,171百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は27.8%(前年同期 21.4%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>
システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、外注関連費用、クラウド関連サービス売上高等の増加に伴うライセンス費用及び仕入の増加等があり、前年同期比12.9%増の80,396百万円(前年同期 71,197百万円)となりました。このうち、PTCに係る売上原価は6,125百万円でありました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比23.6%増の14,942百万円(前年同期 12,087百万円)となり、売上総利益率は15.7%(前年同期 14.5%)となりました。
<ATM運営事業売上原価>
ATM運営事業売上原価は、前年同期比8.1%減の1,716百万円(前年同期 1,867百万円)となりました。売上総利益は、1,068百万円(前年同期 1,024百万円)となり、売上総利益率は38.3%(前年同期 35.4%)となりました。
ⅲ)販売管理費等
当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、主として人件関連費用、販売手数料及び広告宣伝費等の増加等により、前年同期比9.7%増の27,969百万円(前年同期 25,491百万円)となりました。このうち、PTCに係る販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は463百万円でありました。
その他の収益は171百万円(前年同期 149百万円)となりました。その他の費用は主として固定資産除却損により283百万円(前年同期 692百万円)となりました。
ⅳ)営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比65.3%増の23,547百万円(前年同期 14,248百万円)となりました。
ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当連結会計年度における金融収益は、主としてファンドに係る金融資産評価益3,055百万円(前年同期 479百万円の評価益)等により、3,506百万円(前年同期 776百万円)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、支払利息538百万円(前年同期 580百万円)等により、556百万円(前年同期 581百万円)となりました。
当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットホールディングスの暗号資産事業売却に係る持分法損失の増加及びのれん相当額の減損1,181百万円等があり、2,335百万円の損失(前年同期 408百万円の損失)となりました。
ⅵ)税引前利益
当連結会計年度における税引前当期利益は、前年同期比72.2%増の24,162百万円(前年同期 14,035百万円)となりました。
ⅶ)当期利益
当連結会計年度における法人所得税費用は、8,362百万円の費用(前年同期 4,234百万円の費用)となりました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比61.2%増の15,800百万円(前年同期 9,801百万円)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により128百万円(前年同期 89百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比61.4%増の15,672百万円(前年同期 9,712百万円)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比11,028百万円増加し、231,805百万円(前連結会計年度末 220,777百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末比11,081百万円増加し、104,486百万円(前連結会計年度末 93,405百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、現金及び現金同等物4,924百万円増加の47,391百万円、営業債権2,850百万円増加の37,649百万円及び前払費用2,955百万円増加(うち、PTC子会社化に伴う増加1,667百万円)の13,553百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比53百万円減少し、127,320百万円(前連結会計年度末 127,373百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、有形固定資産761百万円増加の17,846百万円、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)の償却等による5,834百万円減少の44,874百万円、のれんはPTC子会社化等に係る3,397百万円増加の9,479百万円、持分法で会計処理されている投資は主として㈱ディーカレットホールディングスに係る損失による3,197百万円減少の5,830百万円、長期前払費用915百万円増加(うち、PTC子会社化に伴う増加1,122百万円)の10,452百万円、その他の投資は保有上場株式及びファンドの時価評価等による4,497百万円増加の17,410百万円でありました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比3,519百万円増加し、76,778百万円(前連結会計年度末 73,259百万円)となりました。主な残高及び増減の内訳は、営業債務及びその他の債務1,498百万円増加の20,742百万円、借入金2,190百万円減少の(うち長期借入の返済による減少5,170百万円、短期借入の増加1,480百万円及び非流動負債からの振替1,500百万円)の16,370百万円、契約負債2,469百万円増加の9,571百万円(うち、PTC子会社化に伴う増加1,857百万円)、その他の金融負債845百万円減少の17,035百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比6,140百万円減少し、50,407百万円(前連結会計年度末 56,547百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、 借入金は流動負債への振替で1,500百万円減少の5,500百万円、契約負債は184百万円増加の7,429百万円、その他の金融負債は流動負債への振替等にて5,502百万円減少の30,146百万円でありました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比13,572百万円増加の103,528百万円 (前連結会計年度末 89,956百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は44.7%となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、47,391百万円(前年同期末 42,467百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益24,162百万円(前年同期 14,035百万円)、減価償却費及び償却費28,444百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費11,534百万円)、法人所得税の支払い5,700百万円(前年同期 3,912百万円)等に対して、負債の減少による支出増及び契約負債の前受減少の収入減等により、営業資産及び負債の増減は2,892百万円の支出(前年同期 1,513百万円の収入)となり、43,573 百万円の収入(前年同期 40,544百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による6,783百万円の支出(前年同期 6,391百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,734百万円の支出(前年同期 4,617百万円の支出)、PTCの取得に関する支出2,612百万円(取得現金控除後)、主としてセールアンドリースバック取引で有形固定資産の売却による収入2,150百万円(前年同期 2,499百万円の収入)等があり、11,838百万円の支出(前年同期 13,216百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払19,983百万円(前年同期 20,168百万円の支払)、長期借入金の返済5,170百万円(前年同期 1,830百万円)、配当金の支払3,836百万円(前年同期 1,533百万円)、短期借入金の増加1,480百万円(前年同期 360百万円の返済)等があり、27,296百万円の支出(前年同期 23,618百万円の支出)となりました。
当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。
当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は14,870百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は10,980百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は7,000百万円でありました。
当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の残高は18,069百万円であります。
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