課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、「人間社会と自然環境からできるだけ有用な情報を集め、かつ、人間社会と自然環境にできるだけ有用な情報を発信する仕組みを提供することによって、自然環境と調和した人間社会の発展に貢献すること。」を企業理念とし、データセンターサービス、クラウドサービス、ストレージサービスを中心に業容を拡大してまいりました。事業環境の変化に対応しながら、多様化・複雑化する顧客ニーズを捉え、子会社を含めた当社グループ全体で価値を創造してまいります。

 

(2)経営環境と経営戦略

ソフトウェア・ハードウェア技術の進化、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)市場の拡大等、情報通信業界は急速に変化しております。このような業界環境の中、当社グループに関連するデータセンター市場、クラウド市場は拡大傾向が続くと見込まれ、ケーブルテレビ市場も一定の規模があります。市場規模が拡大する中で、当社グループは成長機会を逃さないためにも事業環境の変化に対応し、次の3つのセグメントで事業運営を行っております。
 コンピュータプラットフォーム事業においては、当社は、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション(ストレージ(大容量記憶装置)・ソリューション)を個別に提供してまいりました。これまでの姿勢は、ITサービスを従来型のITベンダー企業の供給者側論理に基づく取組姿勢でした。しかし、世界は、DX(デジタル変革)という一大転換点を迎えております。当社としては、このDXという転換点を、過去の供給者側論理によるITシステムの利用ではなく、需要者側論理に基づく、ユーザー企業主導のITシステムの利用であると位置づけ、DXビジョンの起点といたします。また、日本の社会課題として、首都圏と大企業への一極集中があります。 

当社は、今後、ユーザー視点に立脚し、社会課題を解決し、地方創生と中小企業の活性化に貢献できるよう3つの事業の変革を行い、ユーザーが最適なデータセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューションを享受できる環境を整備し、ユーザー企業が自由に当社のサービスとソリューションを選択可能とする以下の事業変革を行ってまいります。

第1に、データセンター事業の刷新を図ります。具体的には、RTT (Round-Trip Time、ラウンドトリップタイム、信号やデータを発信してから、応答が帰ってくるまでにかかる時間)で分類し、これまで提供してきた全国型DC(National Data Center)(RTT:20~100ms)をコアデータセンターとして位置づけます。次に、新たに政令指定都市などの地域の中心都市に地域型データセンター(Regional DC)(RTT: 5~20ms)、さらに、新世代モバイル通信網である5GおよびBeyond5Gの低遅延特性を活用するエッジ型データセンター(RTT:1~5ms)の三階層データセンターを整備し、ユーザー企業や政府・自治体へのニーズに応えてまいります。これらの施策の一環として、ハイパースケールデータセンター事業への進出、データセンター事業におけるアセットライト事業モデルの推進を行ってまいります。

第2に、クラウド事業の刷新を図ります。具体的には、海外の巨大IT企業の提供するメガクラウドサービスとの連携を強化します。加えて、自社オリジナルのクラウドサービスの性能、機能、信頼性を向上させ、当社の提供するデータセンターで各種クラウドサービスの利用促進を図る接続環境を強化し、また、SaaS事業者との連携も強化してまいります。

第3に、ストレージ事業の刷新を図ります。スケールアウト(台数による大型化可能な)NAS(Network Attached Storage、アプライアンス〔専用〕ストレージ)、SDS(Software Defined Storage、汎用サーバーを多数接続しソフトウェアで定義した統合型ストレージ)、ハードディスク型ストレージ、半導体型ストレージのあらゆる組み合わせ提供を可能としてまいります。
 当社は、上記3つの刷新によって、ユーザー企業が、特定のクラウドベンダーやITベンダーにロックインされず、柔軟性のある情報システムを構築できるようユーザー企業のDXを支援するために、DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへの転換を図ってまいります。
 IoT/AIソリューション事業では、投資事業において、サステナブルエコノミーに資するアーリーステージの企業への投資も実行してまいります。
 メディアソリューション事業においては、ジャパンケーブルキャスト株式会社及び沖縄ケーブルネットワーク株式会社が属するケーブルテレビ業界が、放送の高画質化(SD標準から4K8K超高精細)、限定受信方式(CAS)の効率化・高セキュリティ化(C-CASからACAS)等、大きく変化しております。次世代放送サービスへのスムーズな移行を進めるとともに、トータルオペレーションの効率化を図ってまいります。


 また、当社グループ内における連携だけでなく、グループ外の他企業との連携も図り、新たなサービスの創出に努めてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営環境に与える影響は、当社グループの事業内容を踏まえ、現時点において限定的と判断しておりますが、先行きは不透明な部分もあり、今後も継続的に注視してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループでは、売上高成長率、営業利益率等、持続的成長性及び収益性に関する財務的指標の向上を目指した事業運営を推進しております。

 

(4)優先的に対処すべき課題等

当社では、2021年12月にFarallon Capital Management L.L.C及びその関係会社が保有管理し、当社への出資及び当社との資本業務提携を行うことを目的として設立したFCJ 1 Co. Ltd.、株式会社キャピタリンク・パートナーズ及び株式会社インターネット総合研究所の間での資本業務提携契約を締結し、ハイパースケールデータセンター事業への進出に向けた準備を進めるとともに、ハイパースケールデータセンター事業への進出を契機に、データセンター事業におけるアセットライト事業モデルを推進しております。また、当社は昨年11月に、経済産業省が定めるDX認定制度に基づくDX認定事業者となり、アプリケーション・レイヤーでの機能提供を含めたより包括的な顧客のDX化を支援するサービス需要への対応として、SaaS事業者との連携を強化してまいります。

子会社については、各子会社を取り巻く事業環境の変化に対応した必要な投資等を行うとともに、シナジー効果を発揮できるように連携を深めてまいります。

なお、企業価値を向上させる取り組みとして、当社グループ一丸となりコンプライアンスをはじめとする社員教育の充実を通じて組織力を強化するとともに、引き続き、内部統制システムの実効性の強化を図り、企業の社会的責任を果たすべく取り組んでまいります。

 
 上記の課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応については、感染防止対策として、当社グループは、従業員の在宅勤務や時差出勤等を導入しております。今後も、導入に伴う業務体制の改善や効率化を図りながら、お客様や従業員等の安全確保と社内外への感染拡大防止を行いつつ、サービスの提供に努めてまいります。

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