業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、度重なる緊急事態宣言の発令や地方自治体によるまん延防止等重点措置により、不要不急の外出自粛が求められたことや、同感染症の変異株が確認されるなど、社会経済活動は非常に厳しい状況となりました。先行きにつきましては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、景気が持ち直していくことが期待されますが、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、感染症による影響を注視する必要がある状況となっております。

当業界におきましては、この様な経済の先行きが不透明な中、労働環境の変化やSDGsへの取り組み等を背景に、企業の効率化・省力化への動向が続き、事業再構築やBCP(事業継続計画)の手段としてのアウトソーシングニーズは引続き高い状況でありました。

そこで当社グループは、経営方針にある「お客様への価値あるサービスの提供」のもとに、顧客企業に対し給与計算に係る人材、時間等の経営資源をより価値の高い本来業務へ転換していただくことによるコストの削減、顧客企業の生産性向上の観点から、アウトソーシングサービスの提案を行い、あらゆる企業から管理部門のルーティンワークを無くすべく、「バックヤード業務のソリューションプロバイダー」として付加価値の高いサービスの提供を行ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における経営成績については、売上高は1,755,879千円(前連結会計年度比11.4%増)、営業利益は185,144千円(前連結会計年度比21.9%増)、経常利益は187,295千円(前連結会計年度比36.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113,281千円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。

当社グループはペイロール事業の単一セグメントであるため、事業の種類別セグメント区分を行っておりません。この単一セグメントであるペイロール事業の経営成績は次のとおりであります。

当連結会計年度については、引続き既存顧客との関係強化及び積極的な営業活動に取り組んでまいりました。売上高につきましては、給与計算処理人数が増加したこと及びHRテック(HR Tech)である「簡単年調」を中心とした年末調整処理業務の受注が増加したため1,755,879千円(前連結会計年度比11.4%増)となりました。営業利益につきましては、オペレーション部門強化に伴う労務費増加及び給与計算システムやコミュニケーションシステム等の設備投資に伴う減価償却費増加があった一方で、作業の標準化や子会社への業務委託等によりコスト削減の取り組みを行ったこと及び年末調整業務に係る外注加工費が減少したことにより営業利益率が10.5%(前連結会計年度比0.9ポイント増)となった結果185,144千円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。経常利益につきましては、187,295千円(前連結会計年度比36.6%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては113,281千円(前連結会計年度比11.9%増)となり、過去最高益を更新いたしました。なお、当社グループの主たる事業である給与計算業務は、原則毎月継続的に顧客企業との取引が発生することとなっており、当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症に係る取引停止等の事象は発生しておらず影響はございませんでした。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による支出143,801千円及び財務活動による支出21,329千円があった一方、営業活動による収入277,673千円があったため前連結会計年度末に比べて134,755千円増加し、824,986千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は277,673千円(前連結会計年度は97,203千円獲得)となりました。これは主に法人税等の支払額28,246千円及び長期前払費用の増加による減少23,277千円があった一方、税金等調整前当期純利益の計上187,295千円及び減価償却費の計上86,395千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は143,801千円(前連結会計年度は198,073千円使用)となりました。これは主に新給与計算システムの導入及び年末調整システムの改修等に伴う無形固定資産の取得による支出97,051千円及び給与計算システムのサーバリプレイスに伴う有形固定資産の取得による支出56,673千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した支出は21,329千円(前連結会計年度は176,971千円獲得)となりました。これは主に配当金の支払い22,568千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

b.受注実績

毎月定期的に給与計算を行うことにより売上が計上される継続取引であるため記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

ペイロール事業(千円)

1,755,879

111.4

合計(千円)

1,755,879

111.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度と比較して146,249千円増加し972,661千円となりました。これは主に現金及び預金が134,755千円増加したことなどによるものであります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度と比較して86,816千円増加し373,961千円となりました。これは主にソフトウエアが41,166千円増加したこと及び器具及び備品が29,653千円増加したことなどによるものであります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度と比較して102,198千円増加し203,253千円となりました。これは主に未払費用が39,882千円増加したこと及び未払法人税等が41,204千円増加したことなどによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度と比較して130,828千円増加し1,143,160千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益113,281千円により利益剰余金が90,649千円増加したことなどによるものであります。

 

b.経営成績

売上高は1,755,879千円(前連結会計年度比11.4%増)、営業利益は185,144千円(同21.9%増)、経常利益は187,295千円(同36.6%増)、また親会社株主に帰属する当期純利益につきましては113,281千円(同11.9%増)となりました。

 

(売上高)

売上高は前連結会計年度と比較して179,112千円増加し1,755,879千円となりました。

ペイロール事業の売上高においては、給与計算処理人数が増加したこと及びHRテック(HR Tech)である「簡単年調」を中心とした年末調整処理業務の受注が増加したため11.4%増加し1,755,879千円となりました。

 

(売上原価)

売上原価は前連結会計年度と比較して101,823千円増加し1,213,881千円となりました。これは、受託数の増加に伴う増員及び給与計算システムやコミュニケーションシステム等の設備投資に伴う減価償却費増加等によるものであります。その結果、売上総利益は541,997千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して44,048千円増加し356,853千円となりました。これは主に支払手数料の増加及び広告宣伝費等の増加によるものであります。

その結果、営業利益は185,144千円、売上高営業利益率10.5%となりました。当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に売上高営業利益率10%を掲げており、当連結会計年度においては目標を上回る結果となりました。今後も引続き当該指標の達成に邁進していく所存でございます。

 

(営業外収益及び営業外費用)

営業外収益は前連結会計年度と比較して1,237千円増加し5,201千円となりました。これは主に受取補償金の増加によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度と比較して15,659千円減少し3,050千円となりました。これは主に上場関連費用の減少によるものであります。

その結果、経常利益は187,295千円となりました。

 

(特別利益及び特別損失)

特別利益及び特別損益はございませんでした。

その結果、税金等調整前当期純利益は187,295千円となりました。

 

(法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額)

法人税、住民税及び事業税は前連結会計年度と比較して45,261千円増加し69,247千円となりました。また、法人税等調整額は前連結会計年度と比較して7,198千円減少し4,766千円となりました。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は113,281千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

運転資金及び設備資金については、自己資金及び銀行等からの短期的な借入により対応しております。今後事業拡大に伴い資金需要が発生した場合には、銀行等からの借入及び増資等、状況に応じた最適な資金の調達方法を選択していく方針であります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」をご参照ください。
 

④経営者の問題認識と今後の方針

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、諸経済情勢に影響を受ける可能性があります。このため常に環境の変化に対処すべく、「業務のスピードアップ、成果物の量産」、「業務品質の向上及び情報管理体制の強化」、「優秀な人材の確保及び育成」、「災害等に関わるリスクの分散」及び「営業体制の強化」を図り業務基盤を強化していく方針であります。

 

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