(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社グループでは、2021年7月15日付「中期経営計画に関するお知らせ」のとおり、旧経営陣の策定した中期経営計画を踏襲する旨をお伝えしており、既存事業について履践してまいりましたが、主力商品であるベースメイク化粧品ブランド「Ex:BEAUTE(エクスボーテ)」のブランドリニューアルと「もっとシンプルに。もっとダイレクトに。」をコンセプトに開発した新スキンケア化粧品ブランド「EXSKIN(エクスキン)」、「バブルショット」の販売と“美と健康”をテーマにした美容・健康領域でのウエルネス商品の販売により、成長へ向けた様々な施策を講じてまいりました。中でも新規顧客の獲得を目的としたSNSや動画配信サービス、リスティング広告を通じた宣伝広告を実施し、積極的な先行投資を強化することにより、新商品の「バブルショット」は堅調に推移し、また、著名人と共同開発のウエルネス商品についてもテレビショッピングでの売上は順調に推移したものの、新型コロナウイルス感染者数も落着き国内での自粛も緩和されておりましたが、当社は予定どおりの資金調達を行えず、広告投資も不十分だった為、新規顧客獲得数も目標より大きく下回り売上減の大きな要因となりました。また、新型コロナウイルス感染症の一区切りというタイミングが重なり、自宅で使用するウエルネス商品の通販売上もひと段落したことにより、グループ全体の売上高は低調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は2,114,333千円(前連結会計年度比93,897千円減)、営業損失は681,607千円(前連結会計年度は539,693千円の損失)、経常損失は737,321千円(前連結会計年度は537,876千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は745,991千円(前連結会計年度は538,106千円の損失)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
また、セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度において「その他事業」の量的重要性が増したため、当連結会計年度より、「通信販売事業」、「その他事業」の2つの報告セグメントになっております。
(通信販売事業)
通信販売事業につきましては、新商品は堅調に推移し、また著名人と共同開発のウエルネス商品についても順調に推移したものの、予定どおりの広告投資を行えなかったことにより、売上高2,113,883千円(前連結会計年度比94,347千円減)、営業損失542,024千円(前連結会計年度は386,401千円の損失)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、微細藻類由来の研究用原料の販売を開始したものの、研究開発等に係る費用が多様に発生したことにより、売上高450千円(前連結会計年度比450千円増)、営業損失94,881千円(前連結会計年度は14,871千円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,168,050千円となり、前連結会計年度末に比べ212,727千円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金66,741千円、短期貸付金330,286千円、貸倒引当金311,581千円がそれぞれ減少した一方で、現金及び預金139,820千円、商品及び製品99,698千円、未収入金39,075千円がそれぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は103,801千円となり、前連結会計年度末に比べ6,544千円減少いたしました。主な要因は、有形固定資産6,412千円増加し、無形固定資産14,310千円が減少し、また、投資その他の資産として長期未収入金348,720千円増加し、長期未収入金に対する貸倒引当金が348,720千円増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は802,165千円となり、前連結会計年度末に比べ409,592千円増加いたしました。主な要因は、買掛金68,217千円、債務保証損失引当金40,000千円がそれぞれ減少した一方で、短期借入金500,000千円、未払金14,043千円がそれぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は469,686千円となり、前連結会計年度末に比べ203,409千円減少いたしました。主な要因は、新株予約権の行使により、資本金266,740千円、資本剰余金266,740千円がそれぞれ増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を745,991千円計上したことによるものです。
この結果、自己資本比率36.0%(前連結会計年度末は62.9%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139,820千円増加し、345,477千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、835,560千円の支出(前連結会計年度は502,380千円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上742,990千円、債務保証損失引当金の減少40,000千円、仕入債務の減少68,217千円、未収入金の増加40,288千円及び棚卸資産の増加106,041千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、23,602千円の支出(前連結会計年度は1,930千円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19,861千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、998,982千円の収入(前連結会計年度は454,177千円の収入)となりました。これは主に、短期借入れによる収入750,000千円、短期借入金の返済による支出250,000千円、株式の発行による収入485,072千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、当社グループは、通信販売事業とその他事業を報告セグメントとしております。
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
通信販売事業(千円) |
1,095,154 |
6.0 |
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
通信販売事業(千円) |
2,113,883 |
△4.2 |
その他事業(千円) |
450 |
- |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社QVCジャパン |
389,479 |
17.6 |
469,637 |
22.2 |
株式会社ロフト |
290,728 |
13.1 |
- |
- |
(注)当連結会計年度の株式会社ロフトに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態及び経営成績の状況の概要は次のとおりであります。
経営成績
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、予定どおりの資金調達が行えず広告投資が不十分であり、また新型コロナウイルス感染症の影響等から、2,114,333千円(前連結会計年度比93,897千円減)となりました。
b.売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、売上高減少の影響により、1,097,636千円(前連結会計年度比25,697千円増)となりました。また、売上総利益率は51.9%(前連結会計年度比3.4%増)となりました。これは、粗利率の高い自社商品の販売割合が高くなったことによるものであります。
c.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,779,244千円(前連結会計年度比167,611千円増)となりました。これは、コスト削減の効果として、人件費の減少58,899千円や家賃の減少46,360千円があった一方で、広告宣伝費及び販売促進費の増加134,474千円、研究開発費の増加62,182千円等があったことによるものであります。
d.営業損失
上記の結果、当連結会計年度の営業損失は681,607千円(前連結会計年度は539,693千円の損失)となりました。
e.経常損失
前連結会計年度においては、株式交付費として13,639千円を営業外費用として計上しました。当連結会計年度においても、株式交付費として67,923千円を計上いたしました。この結果、当連結会計年度の経常損失は737,321千円(前連結会計年度は537,876千円の損失)となりました。
f.当期純損失及び親会社株主に帰属する当期純損失
前連結会計年度においては、重要な特別利益及び特別損失は発生しませんでしたが、当連結会計年度においては、減損損失として5,668千円を特別損失に計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の当期純損失は745,991千円(前連結会計年度は538,106千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は745,991千円(前連結会計年度は538,106千円の損失)となりました。
財政状態
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおり、価格競争や外注先・仕入先・人材の確保、価格相場の変動等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与えると認識しております。そのため、常に顧客ニーズに応えていくことにより、各リスク要因を把握し、そのリスクを分散・低減してまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び預金の残高は345,477千円となっており、「2 事業等のリスク (9)継続企業の前提に関する重要事象 ⑦財務基盤の強化」に記載のとおり、安定的な事業運営を行うために必要な資金の調達を行ってまいります。
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループでは、運転資金需要のほかに、新商品開発、仕入資金及びプロモーション費、サスティナブル事業への設備投資資金、再生医療関連事業への設備投資資金、自動細胞培養装置開発資金、その他事業拡大のための投資について資金需要があります。事業拡大のための投資には微細藻の培養・抽出等に関する設備投資が含まれます。
c.財務政策
当社グループは、上記のような事業運営に必要な流動性を確保するため、2021年5月7日に第11回新株予約権を発行し、また2022年4月25日に第三者割当増資による新株式及び第12回新株予約権を発行しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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