(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、景気の先行きが不透明な状況で推移いたしました。ワクチン接種の普及や緊急事態宣言解除等により、経済活動再開の兆しがみられたものの、変異株の感染再拡大の影響により、一部経済活動の制限が継続されております。
当社が事業を展開する情報サービス産業におきましては、DX化推進に伴うIT需要の高まりから、顧客企業における設備投資マインドがポジティブに変わりつつあり、今後は一層DX市場が拡大していくものと思われます。
このような情勢のもと、当社グループは「①DX実現に向けた新しい販売モデルの構築、②ソリューションの競争力強化、③サービス分野の大幅な強化と持続的な成長、④業務効率化と人材育成」を当期の重点方針として掲げ、引き続き業績の向上に努めてまいりました。
具体的には「①DX実現に向けた新しい販売モデルの構築」として、年間を通じて販売特約店パートナー5社、アライアンスパートナー4社と新たにパートナー契約を締結いたしました。パートナー契約により、豊富な情報や知見を通じて、幅広い事業領域に向けて販売強化に取り組んでまいりました。この結果、当社製品が株式会社富士キメラ総研『ソフトウェアビジネス新市場 2021年版』の「ワークフロー市場」分野において、2008年の調査開始以来、14年連続第1位を獲得いたしました。
「②ソリューションの競争力強化、③サービス分野の大幅な強化と持続的な成長」につきましては、小規模な業務改革から全社レベルでの大規模なDX業務改革へ、企業の成長に合わせ、ローコード開発をアジャイルに実現する「Accel-Mart Quick」をリリースし、国内ローコード開発プラットフォーム(LCAP)で初めてAmazon Web Services, Inc.(以下、AWS)のAWS認定ソフトウェアに選定されました。また、イントラマート社が提供する製品やサービス群の活用経験や知見を共有するための、ユーザー会「intra-mart User Group」(略称IMUG:あいまぐ)を発足し、DXへの取り組みやDX人材の育成に関して広く交流と学びを促進する場を設け、intra-mart ユーザーのビジネスの発展に貢献できるよう支援してまいりました。
「④業務効率化と人材育成」につきましては、働き方改革を推し進めるとともに、体制強化に向けた採用活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,484,283千円増加し、7,656,239千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ991,426千円増加し、3,159,230千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ492,856千円増加し、4,497,009千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高7,653,784千円、営業利益843,493千円、経常利益811,514千円、親会社株主に帰属する当期純利益550,015千円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
ソフトウェア事業
「intra-mart」は、全国の特約店パートナーを通じて販売しており、「intra-mart」の基盤製品及びクラウドサービスの販売が伸長し、全般に堅調に推移しました。
この結果、売上高は4,116,711千円となりました。
サービス事業
「intra-mart」を利用したシステム開発やコンサルティングなどの周辺サービスは、システム開発の伸長などにより、全般に好調に推移しました。
この結果、売上高は3,537,073千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,028,477千円増加し、当連結会計年度末には、3,885,489千円となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,980,698千円で、前連結会計年度末に比べ1,424,785千円増加しました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は899,941千円で、前連結会計年度末に比べ77,717千円増加しました。
これは主に、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は53,253千円で、前連結会計年度末に比べ68,185千円減少しました。
これは主に、配当金の支払額が減少したことによるものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当期のフリー・キャッシュ・フローは、1,080,757千円で、前連結会計年度末に比べ1,347,067千円増加しました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業の生産実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、「c.販売実績」を参照して下さい。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
受注高(千円) |
受注残高(千円) |
|
ソフトウェア事業 |
4,183,540 |
1,080,504 |
サービス事業 |
3,482,126 |
439,843 |
合計 |
7,665,666 |
1,520,348 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
金額(千円) |
|
ソフトウェア事業 |
4,116,711 |
サービス事業 |
3,537,073 |
合計 |
7,653,784 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
野村ホールディングス㈱ |
267,545 |
4.5 |
1,201,378 |
15.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当社グループの事業セグメントは、ソフトウェア事業及びサービス事業で構成されております。ソフトウェア事業は主に当社の収益の基盤となる事業であります。当連結会計年度では、主にサービス事業の大幅な伸長により、売上高、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに、2021年4月公表の当初の業績予想並びに2022年1月公表の修正後の業績予想を上回る実績となりました。
(ソフトウェア事業)
ソフトウェア事業の当連結会計年度の売上高は4,116,711千円、営業利益は932,871千円となり、当初計画を上回りました。
当社のソフトウェア事業は、従来のオンプレミスによるソフトウェア販売のライセンス売上高とソフトウェアの保守及びクラウドサービス等によるサブスクリプション型のライセンス提供による保守・ストックライセンス売上高に区分されます。
当連結会計年度では、企業のDX推進によるIT投資需要の高まりなど、クラウドサービスへのシフトなどがあったものの、コロナウィルス感染拡大以前の状況に回復し、ライセンス売上高は959,664千円となりました。
クラウドサービスや保守等のストックビジネスは上記のクラウドシフトの影響などもあり、保守・ストックライセンス売上高は3,156,852千円と堅調に推移しました。
(サービス事業)
サービス事業の当連結会計年度の売上高は3,537,073千円、営業利益は817,657千円となり、当初計画を大幅に上回りました。
当連結会計年度では、金融・公共に向けたDX対応施策や部品化ソリューション施策等、従前からの取組が奏功したことに加え、高収益案件の獲得により大幅な売上増と営業利益増となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは創業以来、Webシステム基盤を構築するためのパッケージソフトウェア「intra-mart」の開発・販売及び関連サービスを主な事業としております。Webシステム開発の分野は技術革新が非常に早く、最先端の技術を常に製品に反映していくには多大な経営努力とコストを要し、そのための開発体制の確保が重要となります。また、製品開発の完了時期や販売時期が当初計画より遅延した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
高品質のパッケージと充実したサービスを計画的に提供していくため、優秀な人材の確保・育成を最重要課題として取り組むと同時に、高い技術力と業務ノウハウを持つ企業との事業提携も視野に入れ、開発体制の強化を図ってまいります。また、IoT(Internet of Thing)やAI、RPA(Robotic Process Automation)等の新たなテクノロジーを融合させ、「intra-mart」をDigital Transformation Platformへと進化させるための研究開発にも積極的に取組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資産の流動性
当社グループでは、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしており、フリーキャッシュ・フローの状況や流動比率から見ても、事業運営に必要な資金を調達することは可能と考えております。
流動性について
当社グループは、パッケージ製品の販売代金や製品保守料の前受などを中心として、流動性資金は十分な水準を確保しているものと考えております。
資金需要の主な内容
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、ソフトウェア事業における製品の新規開発投資及び既存製品の維持管理費用等、サービス事業における顧客向けシステム製造費用等の他、両セグメントに共通した受注獲得のための販売費や新技術へ対応するための研究開発費用等になります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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