研究開発活動

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は3,547百万円であり、紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業等における研究開発活動の状況は以下のとおりです。

 

(1) 紙・板紙事業

商品開発・パッケージ化推進グループでは、特殊紙分野の新商品開発を担当しており、昨今の脱プラスチック・環境配慮の要求に対応しながら、市場ニーズに合った商品の企画提案・開発を行っています。生産技術グループでは、ユーザーと直接対話を行いながらFSC認証製品化、再生紙化といった国内ユーザーのニーズを満たす商品のリニューアルや新規商品開発の他、海外で差別化が図れる高強度の板紙生産技術開発に取り組んでいます。また、昨今の古紙資源の海外輸出増加による古紙不足に対応するため、未利用古紙(難処理古紙)のリサイクル技術確立を進めています。

当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。

① フィルム代替商品の開発に関する取組み

食品・菓子類の2次包材をフィルムからラミネートに変更し減プラを進める動きが増えています。これにはユーザーが使用している既存の封かん設備を流用したいとの要望が強く、薄くて強度がありかつ印刷適性の良い紙が求められ、2020年「FS-RPSペーパー」(Reduction Plastic Support)を上市し、大手菓子メーカーの2次包材に採用されたほか、当社家庭紙商品の包材への展開も順次計画しています。

② プラスチック代替素材の開発に関する取組み

紙製ナイフ、マドラー等の原紙として必要な剛性を持つプラスチック代替素材の高密度厚紙「エリプラペーパー」に、耐水性・耐油性を付与することにより、水分や油分を多く含む食品の容器としても使用可能な「エリプラ+(プラス)」の開発、改良に取り組んでいます。また、協力企業とともに加工・成型に関わる技術の改良も進め、見た目の美しさや使用感の向上にも取り組んでいます。

③ ラミネート紙代替素材の開発に関する取組み

揚げ物やホットスナック等の包装用原紙として必要な機能である耐油性とヒートシール性を併せ持つ、ラミネート紙代替素材の「ヒートシール耐油紙」の開発、改良に取り組んでいます。当製品はポリプロピレンやポリエチレンを貼り合わせたラミネート紙と比較して、プラスチック原料の使用量を30%以下(当社製品比)にできる環境に配慮した素材です。また、ラミネート紙に比べて透湿性があるため、電子レンジで温めた際に食感を保持することができます。

④ フィルムタック分野での取組み

合成紙タック紙の品揃え拡充のため、粘着剤に植物性由来の原料を使用することで環境に配慮した「バイオマス粘着剤フィルムタック紙」を開発し、販売を開始しました。古紙としてのリサイクルし易さを向上させるため、当社情報用紙の平版ラベルへの採用も行っています。

⑤ 輸出向け高破裂板紙開発の取組み

2020年4月にN7マシンの板紙への転抄を終え、当初計画では25,000t/月の販売を計画していましたが、現状は32,000t/月まで増加しています。中国・ベトナムで拡販を進めるため高破裂強度かつFSC対応も可能な製品の開発を進めながら、電気製品用の箱を中心に順調に20,000t/月以上を海外販売しています。今後は、中国・ベトナム企業が追随できない高強度で高米坪な商品群も開発に加え、自動車部品や農産物などの重量物の運搬用途へ展開を図ります。

紙・板紙事業に係る研究開発費は、1,117百万円です。

 

(2) ホーム&パーソナルケア事業

中期事業計画の売上及び収益の目標達成を目指し、国内・海外含め売上拡大が期待されるホーム&パーソナルケア事業において、ユーザーニーズの変化に対応した新商品開発と既存商品の改良に主眼を置き、付加価値商品の売上比率を増やすべく開発を進めています。

当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。

① 衛生用紙での取組み

トイレットペーパーの「芯」に特許取得の消臭技術を採用した「エリエール 消臭+トイレットティシュー」に、壁や床に付着した尿臭の発生を抑える防臭機能を新たに追加し、リニューアルしました。また、エリエール史上初となる3.2倍巻の長巻タイプでありながらも、やわらかな肌ざわりを実現させた「エリエールi:na(イーナ)トイレットティシュー 3.2倍巻」を新発売しました。

② ベビー用紙おむつでの取組み

2020年秋にワンランク上の肌ケア商品として上市したGOO.Nプラスは2021年12月にリニューアルしました。特にパンツはお腹周りのシャーリング糸ゴムと不織布の接着をホットメルト(糊)から超音波接着に変更し、大幅に柔らかさと伸縮性を向上させ、肌への摩擦・擦れを大きく低減させました。また、社会全体のコロナ禍による閉塞感の中で、少しでも育児が楽しくなり、お子様とのコミュニケーション、育成の手助けとなるよう、通常品のまっさらさら通気に加えて、GOO.Nプラスもディズニーデザインに一新しました。

③ 大人用紙おむつでの取組み

当社独自の「伸び・ワザ素材」採用の「下着爽快プラス超うす型パンツ」において、通気性を従来品より約20%アップ、立体ギャザーを柔らかくして足回りにフィットさせる改良で、さらに快適な履き心地の商品にリニューアルしました。

④ フェミニンケア用品での取組み

生理用ナプキンセグメントにおいて、「エリス 素肌のきもち」シリーズでは、保湿成分を配合した表面材や東北大学大学院との共同研究結果をもとに考案した中空構造ギャザーの採用など、肌へのやさしさを追求したリニューアルを実施しました。また、活動的な女性に向けた「エリス コンパクトガード」シリーズでは、機能性とデザイン性を備えた商品にリニューアルしました。
 インコンチネンスセグメントにおいては、女性の悩みに寄り添う吸水ケアブランド「ナチュラ」としてブランドを一新するとともに、摩擦の少ない表面材や体の動きにフィットしやすいエンボス構造などを新たに採用し、ナチュラルな着け心地を実現した商品としてリニューアルしました。

⑤ ウエットワイプでの取組み

2020年初頭からのコロナ禍の中で生活者の様々なニーズに対応するため、2021年10月に除菌・抗ウイルスブランドでは「抗菌成分プラス(48時間抗菌)」を新規上市すると共に、全品種にボトルタイプに加えてBOXタイプも品揃えしました。また、「キレキラ!」ブランドにおいては、テーブル・家電・家具等への掃除・除菌ニーズが高まっていることから、リビング専用の除菌・抗ウイルスウエット「キレキラルームクリーナー」を新規上市しました。更に、Puanaブランドでは2022年3月に、従来の「Puana純水99%」を、手・口周りを清潔に保ちつつ保湿剤によりお肌も潤う対人用の化粧水ウエットにリニューアルしました。

⑥ マスクでの取組み

マスク装着の長時間化が習慣化するなか、色付きマスクの需要が拡大しています。このような生活者動向の変化に合わせて、「ハイパーブロックマスク」シリーズに肌なじみのよいやさしい色合いの4色(ローズ、ピンクベージュ、グレー、ナチュラルホワイト)のカラーマスクを新規上市しました。

ホーム&パーソナルケア事業に係る研究開発費は、2,405百万円です。

 

(3) CNF

CNFは、紙やパルプにはない特異的な性質を活かして、多種多様な用途への展開が期待されています。また、植物バイオマスから取り出した天然由来の繊維であり、製紙事業で培った技術を活かしながら、CNFの製造とその利活用を見出すことで低炭素社会の実現にも貢献できるよう研究開発を進めています。

当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。

① CNF複合樹脂ペレットに関する取組み

第5次中計での本格的事業化を目標に、市場が期待できる汎用性材料としてコスト優位性がキーとなる複合樹脂を中心に、一貫生産プロセスの開発を進め、三島工場内にプラントを導入し商業運転開始を目指して開発を進めています。

② CNF成形体に関する取組み

2018年度から取り組んできたレースカーへの実装について2021年度も継続し、引き続き車体外装への成形体、ドアミラー筐体への複合樹脂の実装を進め、31㎏(47%)の軽量化を達成しました。また、レースカーへの実装事例を基に、道後プリンスホテル株式会社(松山市)の公道走行バスのフロントバンパーをヤマセイ株式会社(松山市)と共同で製作し実装しました。鉄製だったフロントバンパーをCNF成形体を積層したハンドレイアップ品としたことにより、2.1kg(42%)の軽量化を実現しました。

③ CNF量産化に関する取組み

量産化に向けたCNF複合樹脂一貫製造プロセス開発として、NEDO助成事業として取り組んできたCNFの前処理プロセスの開発、複合樹脂生産性の飛躍的改善を目指した芝浦機械株式会社との共同開発を進め、その成果を基に三島工場にパイロットプラントを設置し、3月に稼働させました。また、新たに稼働させた複合樹脂プラントを含む3つの実証設備にてCNF量産化を検討する事業化グループ、CNFの用途展開を進める開発グループ、ユーザーと連携した用途開拓を進める東京駐在グループの3グループ制で開発を進めています。

CNFに係る研究開発費は、紙・板紙事業に係る研究開発費に含んでいます。

 

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