業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

 当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これによる財政状態および経営成績への影響は軽微であります。

  ①業績

 当連結会計年度における世界経済は、米国を中心に回復が継続したものの、夏場以降における新型コロナウイルス感染再拡大やそれにともなうサプライチェーン混乱の影響があったことに加え、ウクライナ情勢の悪化や原材料・エネルギー価格の上昇によるインフレの長期化が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。わが国経済は、海外経済の回復を背景に製造業での改善傾向が続きましたが、断続的な新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が制限されるなど、回復は緩やかなものとなりました。

 当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、長期化する世界的な半導体の供給不足などの影響が自動車生産において見られたものの、自動車の電装化および電動化の進展や設備投資の回復が継続したことなどにより関連部品の需要が増加しました。

 このような状況の中、アルミ電解コンデンサ用セパレータは、年間を通じて車載向けや産業機器向けが好調を維持し、通信設備関連の需要も堅調に推移したこともあり、当連結会計年度の売上高は14,210百万円(前連結会計年度比2,247百万円、18.8%増)となりました。

 機能材は、リチウムイオン電池用セパレータが好調に推移したものの、海外における風力発電向けの電気二重層キャパシタ用セパレータが減少したため、当連結会計年度の売上高は3,863百万円(前連結会計年度比91百万円、2.3%減)となりました。

 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は18,074百万円(前連結会計年度比2,155百万円、13.5%増)となりました。

 利益面におきましては、原材料やエネルギー価格上昇の影響はありましたが、売上高の増加にともなう稼働率向上および効率的な生産推進の取組みによる原価率の低減などもあり、営業利益は4,066百万円(前連結会計年度比1,304百万円、47.3%増)、経常利益は4,232百万円(前連結会計年度比1,436百万円、51.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,918百万円(前連結会計年度比912百万円、45.5%増)となりました。

 

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は4,435百万円(前連結会計年度末比104百万円、2.3%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益4,182百万円、減価償却費1,359百万円、棚卸資産の増加額807百万円、退職給付に係る負債の減少額683百万円、法人税等の支払額1,091百万円等により、営業活動の結果得られた資金は2,907百万円(前連結会計年度比311百万円、9.7%の収入減)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の取得による支出1,822百万円等により、投資活動の結果使用した資金は1,837百万円(前連結会計年度比848百万円、85.8%の支出増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 長期借入金の約定返済964百万円、配当金の支払額290百万円等により、財務活動の結果使用した資金は1,255百万円(前連結会計年度は541百万円の収入)となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

セパレータ事業(千円)

18,217,767

12.4

合計(千円)

18,217,767

12.4

 (注)金額は、販売価格により表示しております。

 

②受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

セパレータ事業

18,371,654

9.5

2,086,512

16.6

合計

18,371,654

9.5

2,086,512

16.6

 (注)金額は、販売価格により表示しております。

 

③販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

セパレータ事業(千円)

18,074,074

13.5

合計(千円)

18,074,074

13.5

 (注)主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する当該販売実績の割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

総販売実績に対する割合(%)

金額(千円)

総販売実績に対する割合(%)

王子エフテックス㈱

9,195,533

57.8

12,648,552

70.0

 

(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ①財政状態に関する分析

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,137百万円増加し、26,163百万円となりました。

 流動資産は、商品及び製品の増加、原材料及び貯蔵品の増加等により、前連結会計年度末に比べ795百万円増加し、15,351百万円となりました。

 固定資産は、有形固定資産の減価償却実施等がありましたが、有形固定資産の取得等により、前連結会計年度末に比べ342百万円増加し、10,812百万円となりました。

 負債は、前連結会計年度末に比べ1,593百万円減少し、6,831百万円となりました。

 流動負債は、未払法人税等の増加等がありましたが、未払金、設備関係未払金の減少等により、前連結会計年度末に比べ91百万円減少し、4,888百万円となりました。

 固定負債は、長期借入金の約定返済、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,501百万円減少し、1,943百万円となりました。

 純資産は、剰余金の配当の実施、親会社株主に帰属する当期純利益2,918百万円を計上したことによる利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,731百万円増加し、19,331百万円となりました。

 

 ②経営成績に関する分析

 「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、①業績」をご参照ください。

 

 ③キャッシュ・フローに関する分析

 当社グループの「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、期中における営業活動の成果である税金等調整前当期純損益および減価償却費のほか、売上債権、棚卸資産、仕入債務の増減および法人税等の支払に大きく影響を受けております。

 当連結会計年度の状況は、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

区分

第90期

2020年3月

第91期

2021年3月

第92期

2022年3月

税金等調整前当期純利益(百万円)

970

2,784

4,182

減価償却費(百万円)

1,254

1,279

1,359

売上債権の増減額(百万円)

△274

△665

84

棚卸資産の増減額(百万円)

54

365

△807

仕入債務の増減額(百万円)

△113

△607

136

法人税等の支払額(百万円)

△28

△268

△1,091

その他(百万円)

576

331

△956

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

2,438

3,219

2,907

 

 

 ④資本の財源および資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の主要原材料であるパルプの購入費用および動力費のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、セパレータ事業における設備投資等によるものであります。

 また、当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を主に銀行等金融機関からの借入により調達するとともに、短期的な運転資金を銀行借入および売掛債権の流動化により調達しております。

 2022年3月31日現在の主な契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

短期借入金

600

-

-

-

-

-

長期借入金(*1)

839

715

444

251

-

-

合計

1,439

715

444

251

-

-

 (*1)1年内返済予定長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、中長期計画の達成状況や過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しをおこなっておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(5) 経営上の目標の達成状況について

 当社グループは、株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、安定的に自己資本当期純利益率(ROE)8%以上を目標としております。

 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は16.2%(前連結会計年度比3.4ポイントプラス)でした。引き続き当該指標の達成に向けて取り組んでまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得