課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「熱心な素人は玄人に勝る-新しいことを自分で創めよう-」を企業理念とし、「Honesty(実直)・Hospitality(もてなし)・Humility(謙虚)の精神とクラウドサービスで社会・顧客のニーズを叶える」ことを経営方針としております。

コールセンターは、商品メーカーの問い合わせ窓口だけでなく、電話セールスとしての「顧客とのコミュニケーションの場」としても幅広く使われています。また、国や地方自治体の問い合わせ窓口として活用されるほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、非対面接客としても、その重要性や存在意義が高まっております。

またコールセンターには、日々蓄積される“お客様との対話”(=「顧客の生の声」)や、年齢・性別などの顧客基本情報や問い合わせ対応履歴などの各種情報等、膨大なデジタルデータが集まります。その情報資産を十分に活用し、顧客が持つ潜在的なニーズを捉え、コールセンターと顧客の“エンゲージメント” の機会を創り出すことも、これからのコールセンターには必要になってきます。

私たちは、このような「コールセンター」を軸につながる企業と顧客・消費者の接点を、最新技術を用いたクラウドサービスで、「より快適に・より便利に」を実現し、「コールセンターで人々の生活をより豊かに」することで社会に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、事業活動の成果を示す①売上高、②サービス別月次利用数を重要な経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、2021年3月期から2023年3月期までの3ヶ年を対象とした「中期経営計画」を策定、2020年5月に公表しております。

当社が属するコールセンター市場は、通信販売やインターネットによる問い合わせ機会の増加等により、これらに対応するシステムの需要は今後も増大するものと考えられます。また、一方で、チャットやLINE等SNSの普及に伴い、例えば、多様なチャネルからの問い合わせ内容をAIで分析させることで、効果的な販売に結び付ける等、より高度なシステムに進化していくものと考えられます。

当社は近年、このような将来のシステム高度化のニーズを先読みすべく、次世代のコールセンターシステムに関する知的システムの開発を進めており、「中期経営計画」3ヶ年においては、先行的な開発投資を含め、以下の3点を成長戦略としていく方針であります。

 

[成長戦略]

① 現有サービスへの新ITソリューション追加開発

当社の電話系サービスである「@nyplace」及び「COLLABOS PHONE」と連携できる新たなITソリューション(※1)を開発し、現有サービスの売上を着実に伸長いたします。具体的には、以下のITソリューションの開発をいたします。

・携帯電話番号を宛先にしてメッセージを送信するSMS(※2)送信の開発

・よくある質問等のウェブ画面からチャットにて問い合わせを受け付けることができるチャットの開発

・ロボットにて自動返答するチャットボットの開発

・よくある質問を蓄積し、企業のホームページのよくある質問への利用及び、オペレーターが検索で利用できるFAQの開発

なお、引き続き2019年にリリースした以下3つのサービスの拡販も推進し、顧客の利便性や多様化のニーズに対応する新サービスや新機能の拡充、価格戦略に基づいた販売力の強化等を積極的に推進し、更なるシェア拡大を実現してまいります。

・AI音声認識「AmiVoice Communication Suite provided by コラボス」

・「LINE」と当社「COLLABOS CRM」の連携による有人チャット機能及びAI自動応答機能

・オムニチャネル(※3)ソリューション「XCALLY(エックスコーリー)」

 

② AI技術を活用した新コールセンターソリューションのリリース

AI技術を活用した新コールセンターソリューションをリリースし、「@nyplace」と並ぶ第二の柱へ育成します。多様化する顧客ニーズへの対応の迅速性、柔軟性へ対応するため「COLLABOS PHONE」を全面リニューアルいたします。開発コンセプトは、企業とエンドユーザーのコミュニケーションを最適化、企業の売上・利益に貢献する、オリジナルサービスの開発となります。

 

③ コールセンターに集まるデータを活用したマーケティング事業領域への参入

コールセンターに集まる様々な情報(性別、年代、通話履歴、対応内容、興味関心、メール、感情(音声認識等))を貴重な情報資産として有効活用したデータビジネス事業(※4)として、マーケティング事業領域への参入を開始いたします。具体的には、コールセンターに集まる様々な情報をマーケティングへ活用できる「GROWCE」を新たに開発し、企業の売上・利益に貢献する広告・マーケティング領域に進出してまいります。

 

当社の中期経営計画3ヶ年における主要定量目標は以下であります。

 

2021年3月期(目標)

2022年3月期(目標)

2023年3月期(目標)

売上高

21億円

24億円

28億円

※今後の目標数値は、いずれも策定時点で目標値として社内的に定めたものであり、今後、適時開示等で公表される業績予想値と異なる場合があります。

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

当社の営むクラウドサービス事業は、導入コストの負担軽減とスピーディーな導入、システムコストの最適化等が可能な点から注目を集める一方、新規参入が多い事業でもあります。

当社は、競合他社との差別化を図るために、クライアントニーズを捉えたサービス、可用性の高いシステム、信頼を得られる組織の構築が重要であると考えております。

これらを踏まえ、中期経営計画の3年目を迎えるにあたり、継続して以下の6点を重要課題として取り組んでまいります。

 

① 事業領域の拡大について

当社は、今後更なる成長を遂げるために、従来のサービスに加え、多様化するコンタクトチャネルやクライアントニーズに対応した新たな機能及びサービスを提供していきます。さらに、コールセンターに蓄積される様々なデータを活用する新たな事業の開発等を通じて、コールセンター周辺事業領域への事業の拡大を図ってまいります。

 

② 開発力の強化

当社は、あらゆるクライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの開発に努めてまいります。また、それに加えてニーズを超えるさらに価値あるサービスの創造を実現するため、開発技術力強化のための教育と内製化及び環境整備へ積極的な投資を行い、開発機能の品質とスピードの向上を進めてまいります。

 

③ 販売力強化及び販路拡大

当社は、今後も成長が見込まれる市場環境において、製販一体となる組織体制の最適化、クライアントニーズに応える機能拡充及びサービスメニューの追加、競争優位性を高める価格戦略等を通じて、販売力強化及び販路拡大を図ってまいります。

 

④ システム安定性の強化

当社は、コールセンターに不可欠な365日24時間のシステム提供に耐えうる十分な設備投資を行っており、今後も継続してサービス品質の維持向上を図るため、定期的・計画的な予防保守の運用体制を構築し、持続可能かつ高品質な安定したサービスの実現に努めてまいります。

 

⑤ 組織体制整備及び人材育成

当社は、クライアントのニーズに対して適切に対応できる組織の確立を目標として、開発力・提案力・営業力を高める人材の育成、専門分野を有する人材の補強、社内研修体制の更なる充実及び管理職のマネジメント能力の強化を図り、これらの人材が有効に連携する組織体制の整備に努めてまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社は、クライアントや株主等のステークホルダーへの信頼度を高めるため、コーポレート・ガバナンスの充実、内部統制システムの向上、コンプライアンス体制の充実及び経営の透明性の確保を図り、企業倫理の一層の向上に取り組んでまいります。

〔用語解説〕

※1.ITソリューション

ITによって顧客が抱えている課題を解決したり、ITを活用して業務をサポート・効率化するためのサービス。

※2.SMS

ショートメッセージサービスの略で、携帯電話の電話番号を使ってメッセージのやりとりできるサービス。

※3.オムニチャネル

顧客が各チャネルの違いを意識せず、商品を購入したりサービスを受けたりできる状態。企業と顧客のタッチポイントや販売経路をすべて統合し、総合的に顧客へアプローチする方法。

※4.データビジネス事業

インターネットを通じて日々大量に生み出されるビッグデータを使い、生活の利便性向上や価値創出につなげる事業。

 

 

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