当連結会計年度(2021年2月1日~2022年1月31日)におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響下にあり、依然として厳しい状況が続きました。9月末に全国の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が全て解除されたことを受け、緩やかな回復基調もみられましたが、新たな変異株「オミクロン株」の発生とその感染の再拡大により、今後の動向や影響についての予測は困難な状況が続いております。
ゴルフ事業を取り巻く環境におきましては、COVID-19感染拡大防止のため、大人数が集まるようなイベント企画や団体客によるコンペ企画等は控える傾向が続いております。しかし、ゴルフが感染リスクの低いレジャーであることが認知されたことにより、個人を中心とした少人数での活発な利用が下支えとなり、ゴルフ場利用者数の前年同月比は10月8.6%増、11月1.7%増、12月2.8%増となり、年間では12.5%増と前年を上回る利用者数となりました(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)。こうしたプレー需要の高まりに加え、スループレーをはじめとする「withコロナ」に対応した新たなプレースタイルが模索される等、ゴルフ業界全体としては活況を呈しております。
トラベル事業を取り巻く環境におきましては、年間を通じてほとんどの期間が緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発令下となり、非常に厳しい経営環境でありました。日本では観光目的での入国が認められない状況が継続しており、2021年年間訪日外客数は2019年同期比99.2%減となり、2021年計は日本政府観光局による訪日外客数公表開始(1964年)以来最低の数値となりました。一方、年間出国日本人数は、ワクチン接種の普及等を受け入国制限や入国後の行動制限を緩和する国も増加したため、訪日外客数に比べると若干の回復がみられました。直近では「オミクロン株」の発生により予断を許さない状況ですが、各国の出入国規制や市場動向を注視し、素早く対応することで効率的に事業を展開してまいりました。
このような経営環境の下、当社グループは継続的な企業価値の向上を実現すべく、各事業において収益性を向上させるためのリストラクチャリングを進め、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ359,775千円増加し、2,436,746千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ222,190千円増加し、1,298,553千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ137,584千円増加し、1,138,192千円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,685,115千円(前期比4.8%増)、営業利益226,136千円(前期比146.9%増)、経常利益213,652千円(前期比115.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益147,539千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失32,165千円)となりました。
セグメントごとの経営成績については、次の通りであります。
ゴルフ事業は、売上高3,814,399千円(前期比6.3%増)、営業利益571,087千円(前期比15.9%増)となりました。
トラベル事業は、売上高838,685千円(前期比0.6%減)、営業損失740千円(前期は営業損失83,985千円)となりました。
その他の事業は、売上高32,030千円(前期比14.8%減)、営業利益5,376千円(前期比91.6%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)という。)は、前連結会計年度末に比べ187,708千円増加し、1,135,493千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、56,245千円の資金増加(前連結会計年度は365,796千円の増加)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10,734千円の資金減少(前連結会計年度は3,739千円の減少)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、142,126千円の資金増加(前連結会計年度は50,205千円の減少)となりました。
当社グループは生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。
ゴルフ事業は受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。また、トラベル事業は、受注から売上計上までの期間が極めて短いため、受注規模を金額で示すことはしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて359,775千円増加し、2,436,746千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加188,361千円、商品の増加134,713千円、旅行前払金の増加62,371千円及び売掛金の減少27,701千円によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて222,190千円増加し、1,298,553千円となりました。これは主に、短期借入金の増加159,090千円、買掛金の増加35,568千円及び未払法人税等の増加30,246千円によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて137,584千円増加し、1,138,192千円となりました。これは主に、新株予約権の行使による資本金及び資本剰余金の増加7,150千円、利益剰余金の増加129,614千円によるものであります。
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は4,685,115千円(前期比4.8%増)、営業利益226,136千円(前期比146.9%増)となりました。なお、セグメント別の要因は以下のとおりであります。
① ゴルフ事業
ゴルフ事業におきましては、ASPサービス「1人予約ランド」における契約ゴルフ場数及び会員数が引き続き堅調に推移し、当期末時点で契約ゴルフ場数は1,150コース超、会員数は84.2万人(前期比14.7%増)となりました。ゴルフが感染リスクの低い屋外スポーツであることに加え、特に「1人予約ランド」を利用したプレーは自宅からゴルフ場への移動も1人となるため、より「密」になりにくく、感染症対策という点で多くのゴルファーから支持を受けております。「1人予約ランド」の利用者が堅調に増加したことにより、ASPサービスは当社ゴルフ事業の核として安定した収益を上げることができました。
広告プロモーションサービスでは、当社の創業事業であるフリーペーパー「月刊バリューゴルフ」の関西版が2021年9月発行号にて創刊200号を迎えました。関東版に引き続き関西版も創刊200号を突破し、ゴルフ情報専門のフリーペーパーとして確固たる地位を確立したと自負しております。また、ゴルフ場にて開催する「バリューゴルフレッスン」においては、新たな開催会場の開拓と講師数の増加に注力し、全国48コース、講師数110名超と業界最大規模であるレッスンサービスの更なる拡大を継続してまいりました。
これらのサービスの入口となる当社ポータルサイト「VALUE GOLF WEB」へのアクセス数は前期比110%超の水準で推移しており、この集客力を背景に同サイトへのWEB広告への出稿依頼も増加しております。各サービスの相乗効果を発揮し、ゴルファーにより高い付加価値を提供する総合サイトに育てるべく、ブランディングを更に強化してまいります。
ECサービスにおいては、インターネット通販を中心に好調を維持し、前年に引き続き増収となりました。また、収益力強化のため、利益率の高い当社オリジナルのプライベートブランド商品を拡充いたしました。期末時点でヘッドカバーやキャディーバッグ等、14商品を展開しております。一方、COVID-19の影響により世界的な原材料の不足及び価格上昇が発生しており、商品の安定的な調達が課題となりました。そのため、従来の北米ルートに加え、複数の地域から新たな調達先を開拓してまいりました。今後の事業拡大の鍵でもあり、国際化、IT化をより進めて商品を確保する他、ラインナップにオリジナリティを出すことで他社との差別化を図り、収益性の向上に努めてまいります。
バリューゴルフ大崎においては、インドアレッスンを受けられるだけでなく、ゴルフショップが併設された複合施設としての認知が広がり、会員数が堅調に推移いたしました。特に新製品の試打やフィッティングの要望が増加しており、相乗効果が発揮され始め、収益性が大幅に向上いたしました。また、複数メディアに取り上げられる等、他のゴルフスクールとは一線を画す複合ゴルフ施設としてサービスラインアップを整える一方、今後の多店舗展開に向けた準備を進めました。
以上の結果、売上高は3,814,399千円(前期比6.3%増)、営業利益571,087千円(前期比15.9%増)となりました。
② トラベル事業
トラベル事業におきましては、旅行業界にとって厳しい状況が続く中、経営のリストラクチャリングに注力いたしました。不採算商品の販売を減らし、自社組成の旅行へシフトすることで利益率の向上を図った他、余剰人員をグループ内出向させ、社内の業務フローの抜本的な見直しを進め、経営の効率化を進めました。従来は電話及び来店が中心となっていた旅行の予約について、新たに旅行予約サイト「たびたび」をリリースし、オンラインで予約が完結できる環境を整えました。これにより、ユーザの利便性が向上するとともに、感染リスクの低減も期待できるものと考えております。また、春以降の旅行に関する仕入を強化し、COVID-19収束後に見込まれる急激な需要回復への対応準備を進めております。
以上の結果、売上高は838,685千円(前期比0.6%減)、営業損失740千円(前期は営業損失83,985千円)となりました。
③ その他の事業
その他の事業セグメントにおきましては、企業の業績回復傾向を背景に求人媒体への掲載依頼数が増加しており、広告メディア制作事業への発注も復調の兆しがみえました。その一方、ブライダル業界は引き続きCOVID-19の影響を受けており、式場から当社クライアントへの依頼数が回復せず、当社もその影響を受け、事業全体では減収となりました。しかしながら、トラベル事業と同様、リストラクチャリングを中心とした事業展開を進めた結果、収益性の向上に成功し、利益を確保いたしました。
以上の結果、売上高は32,030千円(前期比14.8%減)、営業利益5,376千円(前期比91.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、賃貸収入615千円、受取補償金200千円の計上等により営業外収益を1,699千円計上いたしました。一方で、支払利息6,044千円、為替差損5,594千円、支払手数料1,810千円の計上等により営業外費用を14,183千円計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益213,652千円(前期比115.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、税金等調整前当期純利益は213,652千円となり、法人税等(法人税等調整額を含む)を66,112千円計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は147,539千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失32,165千円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)という。)は、前連結会計年度末に比べ187,708千円増加し、1,135,493千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、56,245千円の資金増加(前連結会計年度は365,796千円の増加)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益213,652千円、売上債権の減少33,003千円及び仕入債務の増加35,568千円による資金の増加、引当金の減少9,984千円、旅行前払金の増加62,371千円及びたな卸資産の増加134,713千円による資金の減少が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10,734千円の資金減少(前連結会計年度は3,739千円の減少)となりました。
これは、無形固定資産の取得による支出12,290千円による資金の減少が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、142,126千円の資金増加(前連結会計年度は50,205千円の減少)となりました。
これは、短期借入金の増加159,090千円による資金の増加及び配当金の支払額17,783千円による資金の減少が主な要因であります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入に関しては、事業計画及び金融情勢に応じて短期借入金と長期借入金により資金を調達しております。また、国内金融機関において、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行6行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「第2 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (4) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、連結売上高100億円、連結営業利益10億円、自己資本利益率10%以上を生み出すことができる企業集団を目指しております。これに対し、各指標等の状況は次のとおりであります。
(注)2021年1月期の自己資本利益率(ROE)については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。
引き続き積極的な成長戦略を推進していくことで、目標とする指標を達成できるよう取り組んでまいります。なお、セグメント別の状況は以下のとおりです。
(ゴルフ事業)
ゴルフ事業におきましては、主力商品である「1人予約ランド」は堅調な成長を続けております。当社は中長期的に契約ゴルフ場数1,800コース、会員数100万人を目指しております。コース数と会員数の双方をバランスよく伸長させることが重要な要素になると考えており、状況を見極めながら積極的に拡大戦略を推進してまいります。
ゴルフ用品販売を中心とするECサービスでは、収益力の向上が課題と考えております。物流システムの改善、プライベートブランド商品の開発強化等により、収益力の向上を推進してまいります。
(トラベル事業)
トラベル事業におきましては、インターネット販売の普及や競争の激化により、極めて薄利な商品の販売競争を強いられております。
このような環境の中、業務の効率化や従来の薄利多売のサービスから付加価値の高いサービスへの転換を進めることで、収益力の向上を目指してまいります。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、広告メディア制作事業で、新たな制作業務の受託案件獲得やグループ内の制作物の内製化を推進し、当社グループの経営効率が向上する体制を維持してまいります。
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