業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大と収束が断続的に繰り返される中、生産、設備投資において持ち直しの動きがみられ、企業収益においても改善がみられました。今後については、ウクライナ情勢の緊迫など地政学的リスクに加え、円安の進行と世界的な原油価格の上昇等により、依然として先行きは予断を許さない状況が続いております。

このような経営環境のもと、当社グループは「TPS(トータル・パッケージング・ソリューション)提案」により顧客満足を徹底的に追求するとともに、全社をあげてイノベーション活動に取り組み、業績向上に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、昨年度コロナ禍において落ち込んだ需要の回復に加え、食品容器用フィルムが好調であったこと等により、197億52百万円(前年同期比6.2%増)となりました。また、増収効果により営業利益は12億88百万円(前年同期比6.3%増)、経常利益は15億28百万円(前年同期比8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億56百万円(前年同期比11.6%増)といずれも増益となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

(緩衝機能材事業)

パルプモウルド部門は、工業品分野では外食向け持ち帰り用トレーおよび事務機器向けが好調となり増収となりました。畜産物分野は昨年度新型コロナウイルス感染症の影響で大幅減となった業務用鶏卵トレーの需要回復により増収となりました。青果物分野では、トマト向けが産地の作柄不良もあり減収となり、パルプモウルド部門の売上高は49億92百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

段ボール部門は、農業分野で一部天候不順の影響等により減収となりましたが、工業分野が引き続き順調に推移し、売上高は31億76百万円(前年同期比3.7%増)となりました。

成型部門は、売上高は樹脂成型品と宙吊り式包装容器(ゆりかーご)をあわせて9億57百万円(前年同期比12.3%増)となりました。

その結果、当事業の売上高は91億26百万円(前年同期比5.4%増)となり、セグメント利益は9億84百万円(前年同期比7.1%減)となりました。

 

(包装機能材事業)

フィルム部門は、食品容器用ポリスチレンフィルムが好調に推移したことに加え、工業分野向けキャストフィルムが半導体向け需要の伸び等もあり、売上高は42億92百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

重包装袋部門は、国内は、昨年度新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ化学薬品向けの需要回復もあり増収となりました。海外においても、海外重包装袋部門の子会社への移管による会計期間の差(対前期比3億19百万円の売上減)はありましたが、合成樹脂向けの需要回復により増収となり、重包装袋部門の売上高は59億53百万円(前年同期比4.9%増)となりました。

その結果、当事業の売上高は102億46百万円(前年同期比7.2%増)となり、セグメント利益は10億32百万円(前年同期比6.1%増)となりました。

(その他)

売上高は3億80百万円(前年同期比0.8%減)となり、セグメント利益は33百万円(前年同期比87.2%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より7億89百万円増加し、当連結会計年度末には76億21百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、17億48百万円(前年同期比67百万円の増加)となりました。主な収入項目は、税金等調整前当期純利益15億15百万円、減価償却費6億95百万円、主な支出項目は、法人税等の支払額4億35百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、6億42百万円(前年同期比2億25百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億92百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用した資金は、3億37百万円(前年同期比0百万円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払額2億35百万円等によるものであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

a 営業活動

(1) 損益と収支の状況との関係

当企業グループの連結損益と収支の状況との関係は、今後2年間については減価償却費の大きな変動はない見込みのため、連結会計年度の税金等調整前当期純利益の増加が連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローの増加となって現れております。

(2) 決済条件の変更等による収入、支出項目の大幅な変動又は非資金損益項目の増減要因等

決済条件の変更等による収入、支出の予定はなく、また、非資金損益項目の増減要因等についても、大きな増減は計画しておりません。

b 投資活動

当企業グループの投資活動としては、各工場の生産性向上、品質改善、新製品の開発等を目的としております。

c 財務活動

当企業グループについては、運転資金については一時的な借入を除き、長期において多額の借入を行う計画はありません。

また、設備資金については、長期借入金および手元資金でまかなうことを基本方針としております。

 

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

緩衝機能材事業

5,390,457

6.7

包装機能材事業

7,187,962

11.7

報告セグメント計

12,578,420

9.5

その他

162,907

△18.2

合計

12,741,327

9.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、原価によっております。

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

緩衝機能材事業

1,565,379

9.3

包装機能材事業

950,575

△14.8

報告セグメント計

2,515,955

△1.2

その他

182,873

16.9

合計

2,698,828

△0.2

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

c.受注実績

 主要製品は得意先からの受注によって即納する一種の受注生産ですが、生産及び商品仕入と販売との関連において製品及び商品の回転が早く、月末における受注残高が僅少なので、a.生産実績及びb.商品仕入実績を受注実績とみなして大差ありません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

緩衝機能材事業

9,126,441

5.4

包装機能材事業

10,246,149

7.2

報告セグメント計

19,372,591

6.4

その他

380,402

△0.8

合計

19,752,993

6.2

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、引当金の計上など一部に将来事象の見積りに基づいているものがあります。これらの見積りは、当社グループにおける過去の実績や将来計画を考慮し、合理的と認められる事項に基づき判断しております。なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されている通りであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、収束時期及び今後の当社グループへの業績への影響等は見通しが立てにくい状況ですが、繰延税金資産の回収可能性の判断及び固定資産の減損に関する判断に関しては、期末時点で入手可能な情報をもとに、検証を行っております。

 

②財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて17億12百万円増加し、242億5百万円となりました。流動資産については、現金及び預金、電子記録債権の増加等により、前連結会計年度末に比べて13億58百万円増加しております。固定資産については、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて3億54百万円増加しております。

当連結会計年度末における負債合計は84億77百万円となり、前連結会計年度末に比べて7億22百万円の増加となりました。流動負債については、支払手形及び買掛金、電子記録債務の増加等により、前連結会計年度末に比べて7億84百万円増加しております。固定負債については、長期借入金、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に比べて61百万円減少しております。

当連結会計年度末における純資産合計は157億28百万円となり、前連結会計年度末に比べて9億89百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加等によるものであります。

 

③経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は197億52百万円(前年同期比6.2%増)となりました。売上総利益は、43億11百万円(前年同期比4.0%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、30億23百万円(前年同期比3.1%増)となりました。

以上の結果、営業利益は12億88百万円(前年同期比6.3%増)、経常利益は15億28百万円(前年同期比8.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億56百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

売上高については、昨年度コロナ禍において落ち込んだ需要の回復に加え、食品容器用フィルムが好調であったこと等により、増収となりました。利益については、増収効果により、増益となりました。

なお、2021年5月12日に公表した2022年3月期の連結業績予想である連結売上高198億41百万円に対しては未達となりましたが、2023年3月期の業績目標及び中期的な業績目標の達成に向けて、販売、製造部門のイノベーション活動の更なる展開、新製品の開発推進、品質改善活動、原価低減等を進めて参ります。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より7億89百万円増加し、76億21百万円となりました。

詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」をご参照ください。

当連結会計年度においての運転資金及び設備投資につきましては、内部資金及び借入れによって調達しております。また、今後当面の重要な資本的支出についても、内部資金及び借入れによる調達を予定しております。

 

 

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