業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

 a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比10,275百万円増加し、190,018百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末比5,362百万円増加し、113,891百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末比4,912百万円増加し、76,126百万円となりました。

 

 b.経営成績

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、景気は持ち直しの動きが続いております。企業収益は非製造業の一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善しております。設備投資は持ち直しの動きがみられます。消費者物価はエネルギー価格などの上昇により緩やかに上昇しており、個人消費は持ち直しに足踏みがみられます。

このような状況の下、当社グループの連結売上高は住宅事業の増収もあり206,007百万円(前期比17.3%増)、連結経常利益は8,978百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,980百万円(同22.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

 

段ボール

段ボールの国内需要は、感染症対策を取り入れた新しい生活様式が定着し食料品分野や通販、電気・機械分野などで前年からの回復基調が続いております。当社グループにおいては、通販・宅配向けの販売数量が減少しましたが、加工食品向けの回復基調を受け、生産量は前期を上回りました。

当社グループは、生産性の向上や品質面での一級品作り、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に取組んでおります。また、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、物流を安定的に確保できるよう、荷主・物流当事者として物流諸条件の地道な改善を進めております。加えて「パートナーシップ構築宣言」を公表し、取引先と持続可能な関係を築き、社会や環境に配慮した公平・公正な取引を行うよう努めております。

段ボール工場では温室効果ガス排出削減に向けた取組みとして重油からガスへの燃料切替えや燃焼効率が良くCO2排出量の少ないボイラの導入、再生可能エネルギーの導入など、環境面での投資を進めてまいりました。

小牧工場では最新鋭の加工機を設置し、千葉紙器工場では高精度で高速生産に対応した検査装置の新設により生産能力が向上しました。

連結子会社の㈱トーシンパッケージ本社工場は、移転後も順調に稼働しトーモクの館林工場と岩槻工場の中間地点に位置する地の利を生かし、最新鋭の生産設備だけでなく無人フォークリフト導入などDX推進による生産性向上や作業環境改善のモデル工場としての役割を果たしております。

海外では、米国の連結子会社であるサウスランドボックス社が敷地・建屋を拡張し、最新鋭の貼合機と自動搬送装置を設置したことにより生産能力の飛躍的な改善につながりました。同社の工場拡張工事は現在も継続中であり、2023年春に工事完了予定となっております。また、トーモクベトナム社でも生産能力増強のため最新鋭の加工機を増設しました。

当社グループは、「TMオンリーワン」の下、その基盤となる新技術の開発や労働環境の改善、多様な人材の活用や育成にも前向きに取組んでおります。

段ボールでは、飲料や加工食品向けの販売数量の増加により、売上高は100,015百万円(前期比3.0%増)となりましたが、原燃料コスト等の上昇により営業費用が増加し、営業利益は5,914百万円(同0.4%増)に留まりました。

 

 

住宅

住宅市場においては、在宅勤務の普及や低金利による住まいに対する関心の高まりもあり、新設住宅着工戸数は堅調に推移しました。

このような環境下、㈱スウェーデンハウスは年間を通じて快適な住環境と価値の持続する家づくりという住思想が評価され、「オリコン顧客満足度調査ハウスメーカー注文住宅ランキング」において8年連続で総合1位を受賞しました。外出・対面制約がある中、この高い評価を積極的に訴求し、高級ブランドイメージの浸透に取組み、世界初の3Ⅾキャラクターによる「VRモデルハウス・ウォークスルー」内覧サービスの導入や全国オンラインイベント等を開催してまいりました。

住宅の売上高は、スウェーデンハウスの販売棟数増加に加え、㈱玉善(本社:愛知県)を連結子会社とした効果もあり、67,410百万円(前期比57.7%増)となり、営業利益は1,861百万円(同141.7%増)となりました。

 

運輸倉庫

運輸倉庫部門においては、群馬県明和町に総合研修センターや集中点呼センターを併設するインテリジェント・マルチテナント型施設、TLP(Tohun Logistics Provider)群馬が5月、北海道小樽市にTLP札幌が11月に稼働し、飲料関係や日用品の取扱い数量が増加しました。更に環境に配慮したハイブリッドトラックやEⅤトラックの導入を積極的に進めております。

また、西日本エリアの事業拡大と今後の業績の安定化を図るため、7月に宝樹運輸㈱(本社:和歌山県)を連結子会社といたしました。

運輸倉庫の売上高は飲料関係や日用品の取扱い数量増加により、38,580百万円(前期比7.7%増)となりましたが、燃料価格高騰等の費用の増加もあり、営業利益は1,407百万円(同0.9%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,754百万円増加し、16,568百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、16,701百万円の収入(前期は11,074百万円の収入)となりました。収入は主に税金等調整前当期純利益8,976百万円、減価償却費7,166百万円等によるもので、支出は主に法人税等の支払額2,574百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、18,216百万円の支出(前期は13,447百万円の支出)となりました。主な支出は有形固定資産の取得による17,695百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による932百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、4,117百万円の収入(前期は5,831百万円の収入)となりました。主な収入は長期借入れによる22,504百万円で、主な支出は短期借入金の純減額3,183百万円、長期借入金の返済による11,096百万円、社債の償還による支出2,855百万円であります。

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

42.9

43.3

44.0

39.3

39.8

時価ベースの自己資本比率  (%)

25.7

18.9

17.0

16.8

13.7

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

5.4

5.1

3.9

5.6

4.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

43.7

50.5

81.7

67.9

44.6

 

 (注)自己資本比率:自己資本/総資産

    時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

    キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

    インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  ※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

  ※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産金額
(百万円)

前年同期比(%)

段ボール

段ボール

69,345

103.7

 

印刷紙器

1,504

118.8

 

(注) 1 段ボール・印刷紙器の生産金額は製造原価で表示しております。

2 当社グループ(当社及び連結子会社)が営んでいる住宅事業では、「生産」を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

なお、段ボールは受注生産でありますが、生産から販売までの製品の回転が早く期末における受注残高が少ないので別表に掲げる販売実績を受注とみて大差がありません。また、運輸倉庫も販売実績を受注とみて大差がないため記載を省略しております。

 

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

住宅

 

1,167棟

115.2

638棟

118.6

 

(注)受注高、受注残高には提携店は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

段ボール

100,015

103.0

住宅

67,410

157.7

運輸倉庫

38,580

107.7

合計

206,007

117.3

 

(注) 1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

   至 2021年3月31日

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

   至 2022年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱伊藤園

21,023

12.0

20,889

10.1

 

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比10,275百万円増加し190,018百万円となりました。流動資産は現金及び預金や電子記録債権の増加等により前連結会計年度末比2,921百万円増加し81,213百万円となりました。固定資産は有形固定資産の増加等により7,353百万円増加の108,804百万円となりました。

流動負債では借入金や社債、流動負債その他の減少等により9,692百万円の減少となりました。固定負債は長期借入金の増加等により15,055百万円増加し、負債の部合計では前連結会計年度末比5,362百万円増加の113,891百万円となりました。

純資産の部は、利益剰余金の増加等により純資産が前連結会計年度末比4,912百万円増加し76,126百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度の売上高は206,007百万円で、前連結会計年度の175,647百万円に比べ30,360百万円の増収となりました。段ボールにおいては販売量の増加等により2,913百万円の増収、住宅においては販売棟数の増加に加えて玉善を連結子会社とした効果もあり24,675百万円の増収、運輸倉庫では取扱数量の増加等により2,770百万円の増収となりました。

②営業利益

当連結会計年度の営業利益は8,331百万円で、前連結会計年度の7,230百万円に比べ1,101百万円の増益となりました。これは主に販売量の増加等によるものです。

③経常利益

当連結会計年度の経常利益は8,978百万円で、前連結会計年度の7,734百万円に比べ1,243百万円の増益となりました。これは主に上記の営業利益の増加のほか、為替差益が増加したためであります。

④特別損益

特別利益は前連結会計年度は発生がありませんでしたが、当連結会計年度に309百万円発生しております。主な内訳は投資有価証券売却益299百万円であります。特別損失は前連結会計年度に比べ133百万円減少の312百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に計上した子会社株式評価損194百万円がなくなったことによるものです。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は5,980百万円で、前連結会計年度の4,887百万円に比べ1,092百万円の増益となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&Aによるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入及び社債発行等による資金調達を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は67,169百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,568百万円となっております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

当社グループは、特に以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

a.固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

b.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

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