今後、我が国は2065年に国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となるという世界で類を見ない超高齢化社会になることが予測されています。そのような環境の中、当社グループにおいては「Change People、Change Business、Change Japan」をミッションに掲げ、「生産性をCHANGEする」というビジョンのもと、中期経営計画「 Digitize & Digitalize Japan」を掲げております。日本のデジタルトランスフォーメーション市場においてリーダーの地位を確立すべく、ビジネスモデル・業務プロセスのデジタル化及びデジタル人材の育成を通じて、日本の生産性向上を成し遂げてまいります。Digitizeは業務レベルのデジタル化、Digitalizeはビジネスモデルレベルのデジタル化であり、いずれも当社グループのターゲットとなります。現場で活躍する一人ひとりの意識と働き方が、デジタル時代に相応しいものとするため、働く人々の日々の仕事がどう変わるのかのレベルまで含め、新しい日本の働き方をデザインしていきます。
当社グループの強みは、人材の成長と覚醒のプロセスに深くかかわってきた経験と、新しい仕組みを作るのみならずその仕組みの中で働く人の変化にまで直接アプローチする「人材育成力」、NEW-ITというツールの使い方をデザインし、お客様の想いをコラボレーションを通じて形にする「ユースケース開発力」、自らが生産性の極みに向け、最速で試し、最速で改善し、最速で実用に耐える完成度を生むビジネスを展開する「決断力・実行力」です。その強みを最大限に活かして、NEW-ITトランスフォーメーション事業・投資事業・パブリテック事業を柱として、事業を推進・拡大してまいります。
(1)NEW-ITトランスフォーメーション事業の内容
AI、音声インターネット、モビリティ、IoT、ビッグデータ、クラウド、セキュリティなどの各種アルゴリズム、基盤テクノロジーを活用したサービス及びデジタル人材の育成研修(以下「ライブラリ」と総称)を通してデジタルトランスフォーメーションを推し進めております。顧客のデジタルトランスフォーメーションを実現するため、顧客のニーズに基づいてライブラリを組み合わせることで、包括的なデジタルトランスフォーメーションソリューションの提供が可能となります。
NEW-ITを構成するAI、音声インターネット、モビリティ、IoT、ビッグデータ、クラウド、セキュリティなどの新しい技術を活用するうえでは、「効果を創出するための用途開発(攻めの活用)」と「安全で効率的な運用管理(守りの活用)」の両輪がうまく回らなければなりません。当社では、新しい技術の登場に合わせて、各業種・業態に合わせた用途開発を行い、体制整備やスキルアップも含めた技術・ノウハウの体系化を行っております。
また、このようなライブラリは、タイムリーな供給体制の構築が重要であり、新しい技術については、国内外を問わず、情報収集のためのアンテナを張り巡らし、実用性・可用性・信頼性の観点から評価を行い、常にライブラリの更新をかけております。
なお、当社グループのライブラリを利用する顧客企業は金融、官公庁、製造、運輸、建設、流通など多岐に渡り、主に大手クライアントにライブラリを提供しております。デジタルトランスフォーメーションを目的として、いったん当社のライブラリの利用を開始すると、業務の一部に組み込まれることとなり、例えば、OSアップデートによるアプリケーション改修、ライセンス更新など、デジタル人材育成も含め、継続的な契約を頂いております。現在提供しているライブラリの代表例は次のとおりです。
ライブラリの代表例
ライブラリ名 |
ライブラリの概要説明 |
導入事例と成果 |
デジタル人材育成 |
デジタルトランスフォーメーションに必要なスキルの習得、企画・推進する人材の育成を支援するライブラリ |
食品会社、運輸会社、保険会社など: デジタルトランスフォーメーションに必要なスキルのトレーニング、デジタルトランスフォーメーションを推し進める組織の立ち上げを支援 → 迅速なデジタルトランスフォーメーションの推進 |
クラウド連携ソリューション |
クラウドと連携するアプリケーションを提供するライブラリ |
鉄道会社: ファイルサーバーからクラウドへの単なる移行ではなく、クラウドと連携する新たな業務効率化アプリケーションの提供 → 管理業務の効率化 |
ドローン活用 |
ドローンを活用した業務課題を解決するサービスを提供するライブラリ |
地方自治体: ドローンを利用して、地方の農業、漁業、林業、観光などの課題を解決するサービスの提供 → 少子高齢化に直面する地方の労働力不足の解消 |
AIチャットボット |
AIチャットボットを利用して顧客サービスの向上、効率化・省人化を提供するサービス |
小売業: AIチャットボットを利用して、様々なツールから、顧客が必要な情報を迅速に入手が可能となる仕組みを提供 → 顧客満足度の向上、案内業務の省人化 |
モバイル・アプリケーション |
モバイルを活用したビジネスの革新や業務のデザインを行うライブラリ |
航空会社: パイロット・客室乗務員等がモバイル端末を用いて、運航情報やマニュアルなどを参照できる仕組みを提供 → 紙資源の削減、燃料費の削減、資料管理のための人件費削減 |
セキュリティ |
NEW-ITの製品・サービス群を活用する際のセキュリティ体系・ルールを定義するライブラリ |
総合商社: NEW-ITの環境に適応したセキュリティポリシーの策定とポリシー順守のためのツール導入 → セキュリティルールの明確化、ルール順守率の向上 |
ビッグデータ解析 |
ビッグデータを活用し、ビジネス・業務の革新を推進するライブラリ |
食品メーカー: 販売データを分析し、売上が増加するタイミングの見極めと販売機会を逸失しないための物流オペレーションの再設計 → 売上増加、販売機会損失の減少、納期順守率の向上 |
VR/AR活用 |
VR・ARを活用し、仮想空間での人材教育を可能にするライブラリ |
地下鉄会社: ARを用いた設備の点検・保全業務の人材育成 → 現場環境を研修所で再現することによる教育効果向上 |
AI活用 |
AIを活用し、業務オペレーションやビジネスモデルの変革を可能にするライブラリ |
食品メーカー: AIを用いた検査工程の自動化 → 業務の自動化・精度向上 |
IoT活用 |
IoTを活用し、ビジネス・業務の革新を推進するライブラリ |
地下鉄会社: IoTを用いた設備の点検・保全業務の設計と実装 → 業務の自動化・精度向上 |
(2)投資事業の内容
当社グループは、投資事業として、主にIPOアクセラレーションプログラムに沿って、IPOの準備期間に入っているいわゆるレイターステージにある企業や引き続き高い成長が見込まれる上場企業への投資により、キャピタルゲインの獲得と新事業の創出やビジネスモデル構築を担っております。
(3)パブリテック事業の内容
当社グループは、NEW-ITトランスフォーメーション事業における主に地方自治体向けのテクノロジーサービスを強化すべく、「ICTを通じて地域とシニアを元気にする」というミッションのもと「ふるさとチョイス」という日本最大のふるさと納税のプラットフォームビジネスを主力事業とし、地域共創に取組んでいる株式会社トラストバンクを2018年11月に子会社化し、新たに「パブリテック事業」を開始いたしました。2020年2月にパブリテック事業の強化を目的に、ブロックチェーン関連技術を用いたFinTech分野に高いノウハウを有している株式会社Orbを子会社化し、2020年10月に株式交換により株式会社トラストバンクを完全子会社化し、パブリテック事業の成長を加速させております。
株式会社トラストバンクが運営する「ふるさとチョイス」は、地方創生に向け、納税者と自治体がお互いの成長を高める新しい関係、自治体と納税者の両者が共に高め合う関係を築くというふるさと納税の制度理念に沿って、その想いを形にするふるさと納税プラットフォームを提供し、納税者の皆さまが行った地方自治体への寄付に対して適正な水準の手数料を収受しております。ふるさと納税プラットフォームを利用して、災害等の被害を被った地方自治体への迅速な支援を行うこともでき、そのような支援については、公共性の観点から手数料の収受は行っておりません。また、テクノロジーサービスの提供を地方自治体向けに開始し、デジタルトランスフォーメーションによる地方創生を推し進めるべく事業を展開しております。
[事業系統図]
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
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