文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在になること」というビジョンを掲げ、リスクの解決だけではなく、デジタル化によって起きるさまざまな社会課題に取り組んでおります。企業や自治体のデジタルリスクを検知するデジタルリスク事業、デジタル社会の安心安全を提供するAIセキュリティ事業、スマートシティやデジタルカンパニーの構築を支援するDX推進事業、これらの事業を通して、株主、顧客、従業員などステークホルダーの満足と信頼の向上を図ります。
② 中長期的な会社の経営戦略
成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の重点施策により業績の向上に邁進してまいります。
(ア)デジタルリスク事業
持続的な成長を支える収益基盤としての拡大が不可欠であると考えております。価値訴求による差別化を図ることで顧客基盤と収益基盤の増大に注力し、売上高および収益性双方での伸長に取組みます。
(イ)AIセキュリティ事業
既存ビジネスから派生し育成段階にあり、着実な利益貢献が不可欠であると考えております。グループ全体で警備事業の規模を拡大するとともに、デジタル化を推進し、警備業界へプロダクト展開を図り、次代の中核事業とすべく売上高および利益面での貢献に取組みます。
(ウ)DX推進事業
既存のビジネス領域に留まらない新規事業開発して取り組むことが不可欠であると考えております。新たに設立した子会社を中心に、地方自治体及び企業のDXを支援し、堅守速攻の総合デジタルソリューション企業として、将来の中核事業とすべく基礎作りに取組みます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としておりま す。
第11期から第13期の3カ年を対象とした中期経営計画「The Road To 2024」においては、売上高とEBITDAを重視して、事業の継続的な拡大と企業価値の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境および対処すべき課題
① 経営環境
当社グループの事業に関連する市場においては、引き続き新型コロナウイルス感染症による顧客の投資優先度の見直しや活動制限等の影響はあるものの、改善の傾向にあります。一方で、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されており、新たなビジネスチャンスを巡って、当社グループが立脚するデジタル関連市場の拡大が見込まれております。
② 対処すべき課題
中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えており、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。
(ア)収益基盤の強化
高収益プロダクトの販売強化と、内製化によるコスト削減効果によって、収益基盤の強化を進めてまいります。また重点市場においては他領域の企業と積極的にアライアンスを展開し、顧客のデジタルリスクを統合的に捉えたサービスの拡充によって収益性の向上を図ります。
(イ)育成段階にある事業の利益貢献
当社グループでは、強みであるデジタルとリアルが融合する新たな警備事業の創出と育成に挑戦してまいりました。㈱アサヒ安全業務社(現:㈱And Security)をあらたに当社グループに加え、警備事業の規模を拡大するとともに、デジタル化による業務効率化を推進し、セキュリティDXプロダクトの警備業界へのサービス展開を加速してまいります。
(ウ)新たな領域への事業展開
革新的なデジタルサービスを提供する㈱JAPANDXを中心に、包括連携協定を結んだ岩手県紫波町との取組をモデルケースとして全国展開を図ります。これに加えて、エストニアの電子政府化に貢献した企業との関係も具体的に発展させ、自治体及び企業のDXを支援してまいります。
(エ)グループ経営管理と人材の育成
グループ各社の経営資源を一元的に管理し、グループ内人材の適材適所への配置を柔軟に行うことにより、全体の生産性および機動性を高めてまいります。同時に、新しい働き方への改革を加速させ、働き方の多様化に合わせた組織運営に取り組み、能力向上の機会を増やし、人材の育成及び強化を行ってまいります。
(オ)業務体制の強化
競争優位性を高めるための多彩な人材の継続的な強化が不可欠であり、業務体制の整備を進め、在宅勤務と出社を組み合わせた業務体制を恒久化するとともに、テレワークにおいても、価値が最大化できる環境や仕組みの構築を行ってまいります。
お知らせ