文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「シゴトでココロオドル人をふやす」というミッションのもと、全てのビジネスパーソンのためのプラットフォームとしてビジネスSNS「Wantedly(ウォンテッドリー)」を運営しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、営業収益を重要な経営指標と位置づけ、企業価値の向上を図ってまいります。
(3)経営戦略等
当社グループでは、以下の点を経営戦略として重点的に行ってまいります。
1.企業ユーザ層の拡大
当社グループの2022年8月末における企業ユーザ数は4.3万社であり、2012年のサービス開始以降堅調に増加しております。サービス開始直後は、スタートアップをはじめとする中小規模の企業ユーザが中心でしたが、セールス強化、提供価値の拡大に伴い大規模の企業ユーザの利用も増加しております。また、企業ユーザの増加に伴い、情報通信中心からコンサルタント、広告、マーケティングなどの業種に拡大しております。
今後も、全てのビジネスパーソンのためのプラットフォームを提供すべく、規模・業種の多様化を進めてまいります。
2.個人ユーザ層の拡大
当社グループの2022年8月末における個人ユーザ数は355万人であり、企業ユーザ同様に堅調に増加しております。個人ユーザの増加に伴い、エンジニア、デザイナー中心からセールス、マーケティングなどの職種に拡大しております。
サービス開始直後から一貫して広告に依存しない流入を維持しており、今後も、既存サービスの改善や機能追加など提供価値の拡大による成長を目指してまいります。
3.対象市場の拡大
主力プロダクトである「Wantedly Visit」の継続的な開発・改善を図る一方で、新たにエンゲージメントサービスを開始いたしました。また、進出しているシンガポールにおける市場開拓を進めてまいります。
(4)経営環境
我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しておりますが、ワクチン接種の普及や各種政策の効果等により経済活動の正常化に向けた動きが見受けられます。一方で、不安定な国際情勢等による資源価格の高騰や急速な円安の進行等により企業を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような経済環境の中、有効求人倍率は緩やかに回復傾向にあり、また就労者の転職活動や学生の就職活動は多様化しており、企業において人材採用活動におけるインターネットの活用について引き続き拡大傾向にあります。
(5)対処すべき課題
当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。
① 既存事業の収益機会の拡大及び収益機会の創出
当社グループはビジネスSNSプラットフォームとして「Wantedly(ウォンテッドリー)」を運営しており、個人ユーザ、企業ユーザのための様々なサービスを提供しております。
現在は「Wantedly Visit」などのサービスにて収益を得ておりますが、これらのサービスにおいて新たな機能追加や利用企業層の開拓、提供国(海外展開)の拡大により収益機会の拡大を図ってまいります。
また、収益化が始まったエンゲージメントサービスにおいても更なる収益機会の創出を図ってまいります。
② システムの安定性の確保
当社グループの主要事業におきましては、インターネット上にてサービス提供を行っている関係上、安定した事業運営を行うにあたり、新規事業等に伴うアクセス数の増加を考慮した、サーバー設備の強化、負荷分散システムの導入等が重要となるため、今後も設備投資等を継続的に行い、システムの安定性確保に取り組んでまいります。
③ 事業組織体制の強化
今後の事業拡大及び収益基盤の強化を図るにあたり、専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力し、これまで同様、少人数での効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた組織体制の整備を進めてまいります。
開発組織においては、複数の少人数チームがそれぞれ裁量をもって開発に取り組むことで無駄な確認やコミュニケーションを抑制し開発スピードを高い状態に保ちながら、各種ツールを活用した情報の可視化などにより定量的なデータに基づいて迅速な分析・意思決定を行う体制をさらに強化してまいります。
また、営業・マーケティング組織においては、企業ユーザの伸びに対して効率的に対応していく体制の強化が重要となります。具体的には、データ分析や各種ツールを活用しながら、見込客の創出・育成を介した反響型の企業ユーザ獲得を中心とし、多数の営業人員や広告投下に依存せず、利用企業への継続的な運用支援を行っていく継続課金型のビジネスモデルやエンゲージメントサービス及び海外展開などの新規事業の収益拡大に適した体制を強化してまいります。
④ 情報管理体制の強化
当社グループは個人情報を含む多くの機密情報を保有しております。特に名刺管理アプリを提供していることからも、これら情報管理の重要性については十分に認識しております。
個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。
⑤ 当社ブランドの知名度向上
当社グループはこれまでWebマーケティング技術やソーシャルメディアの有効活用により、サイト利用者の獲得を図ってまいりました。
しかしながら、既存事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るにあたり、当社ブランドのより一層の確立が重要であると認識しており、現在費用対効果を慎重に検討の上、サイトへの流入拡大施策や広告宣伝及びプロモーション活動を強化しており、「Wantedly(ウォンテッドリー)」並びに「Wantedly Visit」をはじめとした個別サービスの知名度向上を図ってまいります。
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