課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、「まるくて大きな時代をつくろう」を企業理念に、その実現に向けた第一弾の事業として、クリエイターエンパワーメント事業を推進しております。

 日本ならびに中国語圏におけるグローバルハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」の運営を行うマーケットプレイスサービス、「Creema」のプラットフォームを活用し、出店クリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援を行うプラットフォームサービス、日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」等の大型イベントの開催や、「Creema Store」の店舗を展開するイベント・ストアサービス、さらには、クリエイターの創造的な活動を応援することに特化したクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」、人気アーティストがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」など、クリエイターの活動を支援するサービスを様々な角度から展開し、まだ見ぬ巨大なクリーマ経済圏の確立と、クラフトカルチャーの醸成に力を注いでおります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、マーケットプレイスサービスにてクリエイター数・ユーザー数(アプリDL数や訪問数等)を安定的に積み上げつつ、マーケットプレイスの運営を通じて構築される豊富なユーザー基盤、プラットフォーム基盤を活用し、広告サービスやイベント・ストアサービス等、周辺領域でのサービス収益もスケールさせていくモデルとなっております。そのため、今後においても、事業の基盤であり起点となるマーケットプレイスサービスの品質向上を通じたストック収益とプラットフォーム基盤の強化に対し優先的にリソースを投下しつつ、そこで得た有形・無形の資産を活用する新サービス群にもリソースを投下することで、シナジーの効く事業領域で収益の多角化を図って参ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの事業においては、中心的なサービスである「Creema」の、プラットフォームとしての価値を高めることが重要であるため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、登録作品数、アプリダウンロード数及び流通総額であると考えております。

 

(4)当社グループの経営成績に影響を与える経営環境

 日本のハンドメイドマーケット市場は、2010年、日本初のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を当社がリリースしたことに端を発する比較的新しい市場であり、現在の国内市場では、当社グループが運営する「Creema」と、GMOペパボ株式会社が運営する「minne」の二大サービスが市場を牽引しております。

 一般社団法人日本ホビー協会が発行している『ホビー白書2017年版』、『ホビー白書2018年版』と『ホビー白書2019年版』によれば、日本のハンドメイドマーケット市場の直近5ヵ年の年平均成長率(CAGR)は154%と非常に高い水準で推移しております。

 また、近年ではスマートフォンの普及等を背景に個人間の電子商取引(CtoC)の市場が年々拡大を続けております。それにともない、個人によるECサイトの開設や、企業によるECサイトの提供が増加基調にあり、このトレンドも相まってオンライン上でのハンドメイド製品の流通も一般化しており、今後も市場規模は引き続き一定水準以上の高成長率で拡大することが見込まれます。

 さらに、当社グループのマーケットプレイスはプラットフォームとしての一面を持つため、流通規模が拡大するにつれて、取引に携わるクリエイター数や会員数、作品数等が増加し、それに伴い、プラットフォームとしての価値も高まっていく構造にあります。プラットフォームとしての価値の高まりが、我々のプラットフォームが生み出す収益、例えば広告サービスからの収益や、クリエイター・会員向けの支援サービスの収益を押し上げることで、当社グループの事業が関わる市場規模は一層拡大していきます。そのため、当社グループのサービスの潜在市場規模は、単純なハンドメイドマーケット市場の市場規模を優に超える巨大なポテンシャルを保持していると考えております。

 現在、新型コロナウイルス感染症や、ウクライナ危機などにより、日本経済は先行き不透明な状況が継続しております。一方で、当社グループが関連するハンドメイド・クラフト領域においては、先述した通りそのニーズの高まりから、日本国内においてその市場規模は大きな成長を続けており、今後もこのトレンドが一定程度継続するものと考えております。

 このような市場環境の中、当社がオンラインハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を立ち上げて以降、業界の先駆者として市場の成長をけん引して参りました。2022年2月期の「Creema」の流通総額は過去最高額の160億円を突破し、マーケットリーダーとしての地位を一層強固なものにしております。また、クリエイターの活動を支援するその他の様々なサービスも力強く伸長し、2022年2月期には、売上・利益ともに「過去最高額」を達成しております。新型コロナウイルスの収束には、相当程度の時間を要すると想定しており、また、収束後であっても、人々の生活様式等が元の通りに戻るとは限らないと想定されます。当社は常に、世の中の変化に迅速かつ柔軟に対応し、市場の動向やトレンド、ニーズを的確に捉えた経営を行っていく所存であります。

 なお、2020年3月より、当社グループでは、従業員の安全を最優先し、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、時差通勤およびリモートワークの導入等を行っておりますが、現状、事業継続にあたって大きな問題は生じておりません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は順調な成長を続ける中、更なる成長を実現する上では、ハンドメイドマーケットプレイス及び当社サービスの認知拡大と、新サービス創出によるクリーマ経済圏の強化の2つが大きなチャレンジになると認識しております。

 当社の最新の調査によると、ハンドメイドマーケットプレイス市場の認知度は、他の主要なECプラットフォーム(ファッション、フリマアプリ等)と比較した場合、極めて低い状況にあります。また、当社が実施した調査によると、「Creema」単体の国内認知度も、ハンドメイド・クラフト領域における他サービスのそれと比較した場合において低い水準となっており、大きな改善の余地があります。一方で、そのような状況にあっても、「Creema」はハンドメイド・クラフト領域において国内最大級の流通総額を誇っております。市場および当社サービスの認知度が今以上に向上すれば、当社の成長ポテンシャルを顕在化させることができるものと考えており、それ故、認知拡大は重要な戦略テーマであると認識しております。

 また、当社はオンラインマーケットプレイスの運営から、広告サービス、イベント・ストアの運営まで、幅広い領域にサービスを展開し、それらが有機的に連携し合うことで、「クリーマ経済圏」全体の利便性を高め、成長を続けて参りました。今後、この独自性、優位性を更に強化するためには、当社の豊富な戦略資産を活用し、新たなサービスを創出し続けることが肝要であると考えております。

 そのため、2023年2月期においては、上記戦略課題に対応すべく、認知拡大を目的とした大型プロモーション投資と、新サービス群の拡大・強化の2つを主軸としつつ、既存事業の更なる洗練化も並行して行うことで、「クリーマ経済圏」の一層の拡大を目指して参ります。

 具体的には、「Creema」の認知度向上を目的に、前期比+6.3億円となる総額10.9億円を投下し、TVCMを中心とする大型プロモーションを実施します。今回の大型プロモーションを通じてマーケットおよびサービス認知の拡大を図ることで、国内ハンドメイドマーケットプレイス市場の地位向上ならびに「Creema」の中長期的な成長を目指します。また、クリエイター作品が持つ優れたデザイン性・希少性・オリジナリティといった要素が競争優位となり、「Creema」が保有する作品カテゴリーであれば、あらゆるカテゴリー・市場にアクセスし、シェアを獲得することが可能であると考えております。そのため、今回の認知拡大をテコに、その他のEC市場のシェア獲得も意欲的に進めて参ります。

 新サービス群の拡大・強化においては、既にリリース済みのクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」と、人気アーティストがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」に対して引き続き投資を行い、その規模の拡大を目指して参ります。「Creema SPRINGS」では、質の高いプロジェクトをプラットフォーム上に安定的に供給すべく、当社営業体制を強化するとともに、プロジェクト起案者の確実な資金調達を実現すべく、「Creema」とも有機的に連携し、その利用者数を拡大させて参ります。「FANTIST」においては、2021年末より、初心者でも必要な技術を体系的に学べるコースレッスン動画の提供を開始しており、今までメインだった単発レッスン動画に加え、コースレッスン動画の拡張も行い、クリエイティブ領域のレッスン動画数国内No.1のプラットフォームとなるべく、引き続き有力アーティストの獲得、動画数の追加を進めて参ります。これら既にリリースした新サービス群に加え、当社のリソースを活用した新たなサービスの開発投資も加速させ、2023年2月期以降、順次新サービスをローンチさせて参ります。

 加えて、既に収益の柱となっている「マーケットプレイスサービス」、「プラットフォームサービス」、「イベント・ストアサービス」の3サービスの磨き込みも継続して参ります。

 具体的には、マーケットプレイスサービスにおいて、前述したTVCMを含む大型プロモーションを実施し、認知の拡大とユーザー基盤の強化を進めるとともに、それと並行して「Creema」の検索機能やユーザーインターフェースの改善を中心とするプロダクトの磨き込みに加え、システム・インフラの大規模改修も行うことで、ユーザー満足度を向上するとともに、中長期での持続的・安定的なサービス提供を目指して参ります。これらの取り組みを通じて、クリエイターの方々にとって「一番売れる」「一番使いやすい」「一番信頼できる」サービスの構築を目指すとともに、ユーザーの方々にとっても「一番購入しやすい」「一番ステキな作品が見つかる」「一番信頼できる」サービスとなるべく、工夫・改善を続け、中長期的に成長しつづけるサービスづくりを推進します。

 プラットフォームサービスにおいては、外部広告にて、引き合いの強い地方創生案件や企業コラボ案件等の受注を強化して参ります。また、内部広告にて、ユーザーインターフェースの改善を通じた利用者数の拡大・広告効果の向上等を通じて、一層の成長を図って参ります。加えて、クリエイターの方々により一層ご活躍いただくべく、コンサルティングサービスも継続して提供する等、今以上にその支援領域を充実させて参ります。

 イベント・ストアサービスにおいては、ストア領域にて、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、低調で推移している「Creema Store 札幌」の立て直しを行います。消費生活の変化やトレンド変容を踏まえたマーチャンダイジングを強化することで、アフターコロナの新しい生活環境下におけるハンドメイドプロダクトのある暮らしを提案し、事業を成長させていきたいと考えております。イベントでは、当社の主力イベントである日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’」や、音楽とクラフトの野外フェスティバル「Creema YAMABIKO FES」につき、アフターコロナを見据えて準備を進めるとともに、品質、規模ともにブラッシュアップを続け、引き続き日本のクリエイティブシーンを盛り上げて参ります。

 これら全ての施策を連携させながら、ユーザー価値の最大化を図ると同時に、当社サービス及び市場の拡大、クリーマ経済圏の確立に取り組んで参ります。

 

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